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日本の中でも北と南ではびっくりするほど食文化が違うぶつものです。お隣の韓国ではなんとピクルスがパスタに欠かせないもののよう…。
その真実とは!?
韓国ドラマでよく見るパスタのピクルス、実は韓国では一般的?
韓国でピクルスはパスタの友?
パスタにピクルス?
少し前のこと、生徒のMさんが韓国ドラマ「パスタ」を見て、どうしても分からないことがあると言ってやって来ました。
パスタにピクルスがついていないと言って興奮する客とパスタにピクルスをつけさせないとする一流シェフ。
ふたりが何を言い争っていたのかが分からなくて、夜も眠れなかったというです。
難しい相互理解…
しかし、今回も、「韓国人はなんでパスタにピクルスがついてこないと怒るんですか?」
「日本人はなんでパスタを食べる時、ピクルスを一緒に食べないんですか?」
という日韓間の論争は、またもや「어머, 어머(あら、まぁ)」と「え~!!!ほんとに?」で幕を下ろすこととなりました。
ご飯とキムチのような関係
パスタにピクルスの理由
韓国人にとってパスタとピクルスは、ご飯とキムチのような関係だと言えます。
昔からキムチは油っこさを我慢できない韓国人にとって「薬屋の甘草(つまり欠かせないもの)」のような役割を果たしてきました。
ピザやパスタのような西洋の食べ物にはピクルスが甘草の役割をします。
その理由は、「油っこさ」と「もの足りなさ」の2つを満足させるためだと言ます。
物足りなさを補填
メイン料理ひとつではなぜかもの足りなさを感じてしまう韓国人は、ただでついてくる小皿やつきだしは客としての当然の権利だと考えます。
メインの刺身が準備されるまでの間、空腹感を抑えるためにまず出てくる簡単な食べ物「つきだし」を韓国語では「덤 안주(ドム アンジュ)」呼びます。
「덤」とは「おまけ」、つまり本来の価値以外にただで少し上乗せしてあげますよという意味ですね。
そのため韓国人はメイン料理よりもその前にテーブルを飾る「덤 안주」にもっとこだわり、興奮します。
いざメイン料理を食べる前におなかがいっぱいになってしまうにもかかわらず…。
そして、最後に残った魚の骨でだしをとった辛いメウンタンでご飯を一杯あけてやっとご飯を食べた感じがすると言って、はちきれんばかりのおなかをさすっているのが韓国人の食の趣向なのです。
油っこさの緩和
しかし、「덤」がない西洋料理において韓国人の唯一の楽しみはピクルスです。
だから、ピクルスのないパスタに興奮したわけなんですね。油っぽさを抑えるためにピクルスが必要だと言いますが、実のところピクルスによってパスタ本来の味が損なわれることもあります。
にもかかわらずピクルスをあきらめきれない韓国人は、パスタそのものを愛する人々と言えるかもしれません。
「ピクルスによってオリジナルの味は変わってしまうにしても、パスタの本質は変わらない」のだから、あまり問題にならないというわけですね。
韓国式パスタ礼賛
親しい友達でも、気分が上向きの時に会うのと、気分がダウンしている時に会うのでは違って感じられるし、憂鬱な時に会うのと嬉しい時に会うのもまた違う。
このように同じ人に会う時にも様々な感じを受けるのと同じように、同じパスタを食べても食べる人の趣向によって味は千差万別です。
「ピクルスなしのパスタはオリジナルの味を楽しむことができて良し。ピクルスありのパスタはもの足りなさを満たしてくれる友のようで、またそれも良し」
これがパスタを愛する韓国人マニアたちのパスタ礼賛なのです。
韓国語表現
촌스럽기는.(チョンスロプキヌン)- ださいんだから
무슨 소리야.(ムスン ソリヤ) - 何言ってんだ
会話
미례 : 와 맛있겠다!(ワ マシッケタ!)
ミ レ: わぁ。おいしそう!
성광 : 어, 그런데 왜 피클이 없어.(オ クロンデ ウェ ピックリ オプソ)
ソンガン: うん。でも何でピクルスがないの。
미례 : 촌스럽기는.(チョンスロプキヌン)
ミ レ: ださいんだから。
성광 : 무슨 소리야.(ムスン ソリヤ)
ソンガン: 何言ってんだ。
여기요. 피클 주세요!(ヨギヨ ピックル チュセヨ)
すみません。ピクルス下さい!