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太祖王建、推奴 チュノ、トキメキ成均館スキャンダル等の撮影地として有名な安東(アンドン)は俳優 リュ・シウォンの故郷としても有名です。
そんな安東には他にも有名な物があるんですよ。いったいどんな物なのでしょうか?
韓国庶民の声を代弁した仮面劇
昔から韓国の精神文化の中心と言われている安東には、博物館、展示館が22ヶ所あり、数百年たった古い邸宅を見学できる所は45ヶ所もあります。
しかし、何といっても安東といえば、韓国最高の탈놀이(タルノリ:仮面劇)に使われている仮面、하회탈(ハフェタル:河回仮面)が挙げられるでしょう。
高麗時代の中期につくられた河回仮面は、両班(ヤンバン:貴族)、学者、僧侶、新妻、白丁(ベクチョン:食肉処理業に従事した人)等の顔を木で彫ってつくられました。
そして劇中、セリフや動作が多い役の仮面はあごを別につくりました。
このあごが話す時に動くことにより、躍動感を与え、様々な表情をつくりだすことができたのです。
仮面劇が盛んになった理由
【厳格な階級社会】
仮面劇が盛んになった理由は、厳格な階級社会のためでした。
韓国の탈춤(タルチュム:仮面舞)は一言でいうと、庶民が両班やシャーマン、妻と妾、または下男の格好に扮してうんざりする現実を劇にしたものです。
よって、中国や日本のように職業としての俳優が別にいる必要もありません。
また、舞台と観客を別々に区分する他の国の仮面劇とも全く違います。
公演者と観客が広場で渾然一体となって楽しむ마당놀이(マダンノリ:広場で行われる民俗遊戯の総称)なのですね。
【新たな民俗遊戯への変換】
そのため、仮面舞は民衆の思いを代弁する劇として発展していきます。
歯に衣着せぬ話しぶりや動きで、両班たちの虚偽や虚飾を容赦なく風刺する姿や、高名な破戒僧が女性にちょっかいを出す姿等、一様に庶民の批判意識が強くでています。
一般の庶民はこのような行為を通して、押さえつけられていた自分のうっぷんをすっきりと晴らすことができたのです。
1980年代に入ると、韓国の大学街に広がった民主運動と結びついて今更のように広く普及します。
仮面舞は今では一般的なものとして大衆化され、多くの人々が見て楽しむ新たな民俗遊戯としての地位を確立しました。
仮面舞を素材とした代表的な映画
【王の男】
仮面舞を素材とした代表的な映画は、カム・ウソンとイ・ジュンギ主演の「王の男」です。
朝鮮最初の宮中芸人「남사당패」(ナムサダンペ:男性だけで全国各地を回る旅芸人集団)の話を描いたのがこの映画。
朝鮮王朝時代の力ある両班と王室の不条理を風刺した仮面舞で抑圧されていた庶民の声を代弁しました。
【仮面劇で社会風刺】
王の前で王の愛妾を風刺する演劇や、欲の深い官吏の不正を風刺する公演を行い、誰も口に出すことのできない強者へのうっぷんを仮面舞を通して痛烈に風刺しました。
このように昔の朝鮮の身分制度に押さえつけられていた民の悔しさを解消する役割を果たした仮面舞は、パンソリとともに韓国の民衆文化を代表する総合芸術として発展しました。
韓国語表現
とっさの一言
–아이고!
おっと!(「しまった!」というときに発する感嘆詞)
–저…
あのう…
–글쎄요…
そうですね…(何か考える時に)
–아야!
痛っ!(痛みを感じた時に発する感嘆詞)
–어?
あれ?(なにか疑問を感じた時に発する感嘆詞)
–어떡하지?
どうしよう。
–어머나!
あら!(驚いた時に発する感嘆詞で、女性しかつかわない)