豚の頭を使う韓国の「コサ」

    1. 韓国歴史・文化

    韓国では店をオープンしたり、新車を買ったり、事業を始める時、ゆでた豚の頭を置いて「告祀」(コサ)と呼ばれる厄払いを行います。

    豚の頭を使う韓国の「コサ」

    告祀・コサ

    古くから土着化しているこの風習は、クリスチャン以外の韓国人ならば、ほとんどが抵抗なく習慣的に行っている慣習です。

    「でも、先生。なんで豚の頭なんですか?」

    「でも、先生。なんで豚の口に1万ウォン札をはさむんですか?」

    「でも、先生。この習慣はいつから始まったんですか?」

    等等、微に入り細に入り訊ねる外国人の質問に、いざとなると答えることができないのがほとんどの韓国人です。

    韓国の木製テーブルの上に並んだキャンドル。

    豚の頭のコサの由来

    由来は神話

    豚の頭の「コサ」の由来とは何?そして、いつ頃から始まったの?

    コサ」には豚の頭が必ず登場するが、これは巫俗と呼ばれる神話にその背景があります。

    昔、天界の玉皇上帝(道教の神)の下に「業将軍」と「福将軍」がおり、ふたりの将軍は互いにいがみ合う関係で、玉皇上帝は彼らの「妬み・争い」を嫌われました

    そこでふたりに塔を建てさせ、彼らのうち先に塔を建てた者を側に置こうと言ったのだが、業将軍が小賢しい策を巡らして福将軍に勝利します。

    しかし玉皇上帝が業将軍を側に置こうとしたところ、すぐに業将軍が策を弄したことが露見しました。

    豚を使う理由

    それで、玉皇上帝は福将軍に福を与えて豚に生まれ変わらせ、人々が玉皇上帝に願い事をする時、仲介の役割をするよう権限を与えます。

    この時から豚が「コサ」に使われるようになったそうだ。

    しかし豚が願い事の伝達者に定められた理由には、経済的な問題もあったと思われます。

    牛の頭を供え物として捧げようとすると、牛1頭を丸ごとほふらなければならないが、昔のように牛が貴重な時代に、牛を手に入れて供え物として使うのは非常に大変でした。

    よって、それよりは手に入りやすい豚の頭がよく使われるようになったようです。

    豚の口にお金

    最近では「コサ」を行う際、豚にお辞儀をした後で豚の口にお金をはさむこともありますが、お金が大事だと考える現代人の価値観を示す行為だと言えます。

    そしてこのお金は「コサ」を行った後、同僚同士でお疲れ様会をする経費として使われるんですよ。

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