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今日は、ここ数年、日本と同じような社会問題を抱えている韓国の【カンガルー族】(캥거루족)などについてお話ししてみようと思います。
韓国のニート族が増加!?その衝撃の理由とは?【韓国のカンガルー族】
韓国のカンガルー族とは
カンガルー族とは、日本で言えば【ニート】にあたるようです。
何故、【カンガルー族】と言われているかといえば、カンガルーはお腹の袋で子育てをしますよね。そしてカンガルーの子供はその袋の中でお母さんのお乳をもらって育ちます。
そんなところから、成人しても親の援助から抜け出せない自立できない若者のことを【カンガルー族】と言うようです。
そして、この【カンガルー族】が韓国でも年々増えてきていて、社会問題になっているそうです。
また、今までは20代の成人の多くが【ニート】つまり【カンガルー族】だったそうですが、最近では30代でも親の支援なしでは生活できない成人が増えてきたということです。
ひとり酒族(ひとりで飲む酒を楽しむ人たち)、ひとり飯族(ひとりでご飯を食べることを楽しむ人々)、コーフィス族(コーヒーショップをオフィスのように使う人々)など。
新語が続々と誕生する韓国社会において、カンガルー族が5年で4倍に増加しました。
カンガルー族とは、成人しても親から自立できずに、両親に依存して生きる人たちを指す言葉です。
韓国の大学の1年の学費が1000万ウォンを越え、ソウルの家賃も想像を超えるほどなので、大学卒業後、親の助けなしに自立することは現実的に不可能なことになってしまいました。
このような現実故に、20代~30代の10人に6人は自分がカンガルー族だと告白しています。
すねかじりの若者
ストロー族
さらに最近では【カンガルー族】のほかに、【ストロー族】(빨대족)【すっぽん族】(자라족)【鮭族】(연어족)という言葉もできているそうです。
【ストロー族】とは親の老後の資金にストローをさし自分のお金のように使う成人のことだそうです。つまり、吸い上げるとか吸い取るというようなことから、この言葉になったようです。
すっぽん族
次に【すっぽん族】とは、自立する時期になったにもかかわらず、経済的に苦しい状態をさけ、親を盾にしている若者とだということです。
つまり、すっぽんのように一度吸い付いたら離さなというようなところからきたようです。
鮭族
最後に【鮭族】とは、独立したけど生活苦になり親のところに戻ってくる若者のことだそうです。つまり、鮭のように産卵するときに生まれたところに帰るというところからきたようです。
韓国人の言葉のセンスや発想に私はいつも驚かされます。日本語にするとそうでもないのですが・・・
経済の停滞と就職難
この背景には、日本もそうですが経済が停滞している点がありますね。韓国ではさらに、若者達の就職が難しくなっているということがあげられそうです。
日本では、【ニート】もそうですが、【ひきこもり】や【不登校】なども増えてきており、社会全体で子供達の未来などを考えなければならない時代になってきたというのは間違いないのではないでしょうか。
時代を反映する新造語
このような言葉よりいい言葉が新造語として出来る日は来るのでしょうか?
もちろん景気がよかったころにも、色々な言葉ができたのは事実。そう考えると言葉とは時代とともに変化するものであり、その国の文化や時代背景がわかるものだといえそうです。
言語学習において、基礎的部分はしっかりと学び、言葉がどう変化してきたのか、どのように使われてきたのかなども調べてみると面白そうですね。
毎年毎年できる新造語にも着目してみれると、今の韓国や日本の状況がわかるかもしれません。
使い方には要注意
ただし使い方は間違えないでくださいね。ネット用語や新造語は時には毒となるからです。誤解が生じては元も子もありません。
そのようなことがないよう、韓国人の友達になど確認してくださいね。
韓国語会話
가: 민우야, 캥거루족이라는 말 알아?
ねえミヌ、カンガルー族って言う言葉知ってる?
나: 모르는데? 그게 뭐야?
知らないけど?それ何?
가: 대학 졸업한 후 취직 못해서 혹은 월급이 적어서 독립 못하고 부모님에게 얹혀사는 사람들이래.
大学卒業後、就職できなかったり、月給が安くて独立できず、親のすねをかじって生活してる人たちのことなんだって。
「新カンガルー族」の登場 育児の助けを求めて
しかし、最近は新カンガルー族が登場しています。彼らは自立する力もあり、親に生活費を援助することもできますが、独立せずに親と一緒に暮らすことを望みます。
親と一緒に暮らす新カンガルー族の中には共働きの夫婦が多いですが、その理由はやはり育児の問題のためでもあります。
親世代の負担増
このように既婚の子供夫婦と親が同居する割合が5年で4倍に増加したために、親世代の老後の生活に余裕がなくなってしまいました。
親世代は子育てを終えて、余裕のある老後を送ろうと考えていましたが、60歳を超えてまた育児が始まり、子供の家賃や学費を援助するために老後の対策を立てるひまもありません。
他国語のカンガルーたち
他の国でもカンガルー族に関する新語が登場していますが、
まず、アメリカではカンガルー族を「ツイスター(Twister)」といいます。20代後半になっても職もなくふらふらして、親のすねをかじりながら生活する若者という意味です。
ドイツでは「ネストホーカー(Nest Hawker)」といいます。巣の中で体を縮めているという意味です。
イギリスでは「キーパース(Keepers)」といいます。親のもとに戻ってきて、やることもなくよりかかって生きる子供という意味です。
カナダでは「ブーメランキッズ(Boomerang kids)」といいます。職もなくふらふらして親の家に戻ってきて生活する子供という意味です。
カンガルー族の是非
産業化が始まる前の韓国では、すべての家庭が3世代が集まって暮らす大家族システムでしたが、一瞬のうちに多くの家庭が大家族から核家族へと、核家族からひとり身世帯へと変わってしまいました。
これによって個人主義を心配する人々の間では、カンガルー族は歓迎すべきものととらえられることもあります。
もちろん伝統的な家族の雰囲気がよみがえることは嬉しいことかもしれません。
しかし子供が両親と一緒に暮らすために3世代が集まって住んでいた時代と、子供が親に頼ることによって誕生したカンガルー族のシステムとではまるで違う感じがします。
国もカンガルー族対策
国もカンガルーたちが親のもとから出てくることができるように、1.若年層の就職 2.家賃の適正化 3.育児の公教育化等の解決策を立てて悩んでいます。
まだ多くのカンガルーたちが自分の足でバリバリ活躍する健康な社会へと変貌を遂げるためには、道半ばといったところでしょう。
世界のカンガルー族
민우: 나 캥거루족이야.
僕はカンガルー族だよ。
다니엘: 캥거루족이 뭐야?
カンガルー族って何だ?
민우: 취업도 안 되고, 집값이 너무 비싸서 그냥 부모님 집에 얹혀 사는 나 같은 사람.
就職もできないし、家賃も高すぎるから、親の家ですねをかじって生きる人。
다니엘: 영국에서는 ‘키퍼스’(Keepers)라고 해.
イギリスでは「キーパース(Keepers)」というんだ。
조나단: 캐나다에서는 ‘부메랑키즈’(Boomerang kids)라고 해.
カナダでは「ブーメランキッズ(Boomerang kids)」というよ。
루카스: 독일에서는 ‘네스트호커’(Nest Hawker)라고 해.
ドイツでは「ネストホーカー(Nest Hawker)」というんだ。
마크: 미국에서는 ‘트위스터’라(twister)고 해..
アメリカでは「ツイスター(Twister)」というんだよ。