韓国語「パボ(바보)」の意味は?悪口「バカ」だけじゃない愛情表現・可愛い使い方まで徹底解説!
「あのドラマで主人公が言ってた『パボ!』ってどういう意味?」
「K-POPの歌詞に出てくる『パボチョロム』って何?」
「友達がふざけて『パボヤ~』って言ってきたけど、これって怒ってるの?」
韓国のエンタメコンテンツや日常会話に触れていると、「바보 (パボ)」という言葉を耳にする機会は非常に多いですよね。なんとなく「バカ」とか「アホ」みたいな意味だと知っている方は多いかもしれません。でも、実はこの「パボ」、単なる悪口としてだけでなく、時には愛情表現として使われたり、微笑ましいニュアンスで使われたりもする、非常に奥深い言葉なんです。
だからこそ、その意味や使い方を正しく理解していないと、相手を深く傷つけてしまったり、逆に相手の親しみを込めた言葉を誤解してしまったりする可能性も…。
この記事では、そんな誤解を防ぎ、韓国語「パボ(바보)」をより深く理解するために、その基本的な意味と発音、【要注意】悪口としての使い方、そして【意外な一面】愛情表現や可愛い使い方、さらには「親ばか」を意味する派生語まで、豊富な例文とともに徹底的に解説します!
この記事を読めば、あなたは…
- 「パボ(바보)」の基本的な意味と正しい発音がわかります。
- 悪口としての「パボ」の危険性と、使うべきでない場面を理解できます。
- 歌詞や会話で使われる「パボ」の、愛情表現としてのニュアンスを見抜けるようになります。
- 「바보처럼」「딸바보」など、関連表現の意味と使い方がわかります。
- 他の「バカ」を表す韓国語との違いが理解できます。
- 「パボ」という言葉を通して、韓国の文化や感情表現への理解が深まります。
「パボ」の多面性を知って、韓国語の表現力とコミュニケーション能力をさらに向上させましょう!
目次
ドラマや歌でよく聞く「パボ(바보)」!その本当の意味、ちゃんと知ってる?
韓国ドラマのケンカシーンで怒鳴りつけられたり、バラードの歌詞で切なく歌われたり、友達同士でふざけ合って使われたり…「パボ」は本当に様々な場面で登場します。
なぜこれほど頻繁に使われるのでしょうか? それは、「パボ」が単なる「バカ」という意味だけでなく、文脈や言い方によって様々な感情やニュアンスを表現できる、非常に人間味あふれる言葉だからかもしれません。
しかし、その多面性ゆえに、使い方を間違えると大きな誤解を生む可能性も秘めています。まずは、この言葉の基本からしっかりと押さえていきましょう。

基本は「バカ」「アホ」。悪口なので注意が必要!
基本を確認!「パボ」のハングル表記・読み方・直訳の意味
ハングルは「바보」、読み方は「パボ」
「パボ」をハングルで書くと「바보」となります。
- 바 (パ/バ): 子音ㅂ(p/b) + 母音ㅏ(a)
- 보 (ポ/ボ): 子音ㅂ(p/b) + 母音ㅗ(o)
読み方は「パボ」です。子音「ㅂ」は、語頭に来る場合は「パ」に近い清音、語中に来る場合は「バ」に近い濁音で発音される傾向がありますが、「パボ」の場合は語頭の「바」も「パ」と発音されることが一般的です。(※厳密には日本語の「パ」「バ」とも少し違う、息を抑えた[p]の音ですが、カタカナ表記では「パボ」が近いです。)
直訳は「バカ」「アホ」 – まずは辞書的な意味を知ろう
「바보」の辞書的な意味は、日本語の「馬鹿(バカ)」「阿呆(アホ)」に相当します。知能が低いこと、愚かなこと、物事の道理がわからないこと、またはそのような人を指す言葉です。
つまり、基本的には相手を侮辱したり、見下したりするネガティブな意味合いを持つ言葉である、ということをまず大前提として理解しておく必要があります。
【超重要】使う前に絶対読んで!悪口としての「パボ(바보)」とその危険性
「パボ」が持つポジティブな側面を見る前に、絶対に忘れてはならないのが、これが本質的には悪口であるという事実です。使い方を間違えれば、相手を深く傷つけ、人間関係を破壊してしまう可能性も十分にあります。
相手を侮辱し、傷つける言葉としての側面
「バカ」「アホ」と言われて嬉しい人はいませんよね。真剣な場面で、あるいは怒りの感情を込めて「パボ!」と言われれば、それは明確な侮辱であり、相手の人格を否定する言葉になります。知的能力や判断力をけなす、非常にネガティブな意味合いを持ちます。
ケンカや罵倒シーンでのリアルな使われ方(例文)
ドラマや映画のケンカシーンなどで、感情的に相手を罵る場面でよく使われます。
例1:야, 이 바보야! 너 때문에 다 망쳤잖아! (ヤ, イ パボヤ! ノ ッテムネ タ マンチョッチャナ!) – おい、このバカ!お前のせいで全部台無しじゃないか!
例2:그런 것도 몰라? 진짜 바보 아니야? (クロン ゴット モルラ? チンチャ パボ アニヤ?) – そんなことも知らないの?本当にバカじゃないの?
例3:시끄러워, 이 바보같은 놈아! (シックロウォ, イ パボガットゥン ノマ!) – うるさい、このバカみたいな野郎!
このように、強い怒りや軽蔑の感情を伴って使われることが多く、非常に攻撃的な言葉となります。
絶対にむやみに使わない!TPOと相手への最大限の配慮が必要
後述する「可愛い使い方」を知っていたとしても、「パボ」を軽い気持ちで使うのは絶対にやめましょう。悪口としての側面が基本であることを常に念頭に置き、使う場面(TPO)、相手との関係性、そして自分の言い方や表情が、相手にどのように受け取られるかを慎重に考える必要があります。
特に注意すべき相手:初対面、目上の人、親しくない人
言うまでもありませんが、以下のような相手に対して「パボ」という言葉を使うのは、たとえ冗談のつもりであっても絶対に避けるべきです。
- 初めて会った人
- 先生、上司、先輩など目上の人
- まだあまり親しくない知人
- ビジネスの相手
- 公の場
これらの相手に使うと、常識がない、非常に失礼な人だと思われ、取り返しのつかない事態になりかねません。

親しい間柄なら「もう、パボなんだから♡」という愛情表現にも
悪口だけじゃない!愛情たっぷり?「パボ(바보)」の多様な可愛い使い方
さて、ここからは「パボ」の持つ、悪口とは正反対の側面、つまり愛情表現や親しみを込めた、あるいは自虐的なニュアンスでの「可愛い使い方」を見ていきましょう。このギャップが「パボ」という言葉の面白さでもあります。
使い方①:自分に呆れて「私ったらおバカさん!」 – 바보처럼 / 바보같이 / 바보같은
失敗したり、ドジを踏んだり、好きな人の前で上手く振る舞えなかったりした時に、自分自身に対して「もう、私ったらバカだなあ…」という気持ちで使うことがあります。これは、自分を責めるというよりは、少し呆れたような、あるいは愛おしさすら感じるような自虐的なニュアンスです。
この場合、「パボ」単体よりも、以下のような形がよく使われます。
「바보처럼 (パボチョロム)」 – 〜バカみたいに(+動詞・形容詞)
「-처럼」は「~のように」という意味の助詞。
例:나는 바보처럼 그의 말만 믿고 있었다. (ナヌン パボチョロム クエ マルマン ミッコ イッソッタ) – 私はバカみたいに彼(の言葉)だけを信じていた。
「바보같이 (パボガッチ)」 – 〜バカみたいに(+動詞・形容詞)
「-같이」も「~のように」という意味。「바보처럼」とほぼ同じように使えます。
例:그 사람 앞에서 긴장해서 바보같이 아무 말도 못 했어. (ク サラム アペソ キンジャンヘソ パボガッチ アム マルド モッテッソ) – あの人の前で緊張して、バカみたいに何も言えなかった。
「바보같은 (パボガットゥン)」 – 〜バカみたいな(+名詞)
「-같은」は「~のような」という意味で、後ろに名詞が来ます。
例:정말 바보같은 실수를 했어요. (チョンマル パボガットゥン シルスルル ヘッソヨ) – 本当にバカみたいなミスをしました。
自己嫌悪や後悔、恋する気持ちを表す例文
例:아, 나 진짜 바보다! 왜 그랬을까… (ア, ナ チンチャ パボダ! ウェ クレッスルッカ…) – ああ、私、本当にバカだ!どうしてあんなことしたんだろう…。
例:너만 보면 얼굴이 빨개져. 난 바보인가 봐. (ノマン ポミョン オルグリ ッパルゲジョ. ナン パボインガ ボァ) – あなたを見ると顔が赤くなる。私、バカみたい。
使い方②:恋人や親しい友人への愛情表現「このおバカさん♡」 – 親しみを込めて
これが「パボ」の最も誤解されやすい使い方かもしれません。非常に親しい恋人や友人に対して、愛情や親しみを込めて「もう、おバカさんなんだから♡」といったニュアンスで使うことがあります。呆れた気持ちや、相手のちょっとした失敗やドジを可愛らしく指摘するような場面です。
「바보야 (パボヤ)」「바보~ (パボ〜)」 – 甘えた/照れたニュアンス
悪口で使う時と同じ「바보야 (パボヤ)」でも、言い方や表情、状況によっては全く違う意味になります。語尾を伸ばして「바보~ (パボ〜)」と言ったり、笑顔や照れた表情で言ったりすることで、愛情表現になります。
愛情表現としての「パボ」が許される関係性とは?
大前提として、お互いに深い信頼関係があり、冗談を言い合えるような非常に親しい間柄でなければ、この使い方はできません。相手が「パボ」と言われても愛情表現だと理解してくれる、という確信がある場合に限られます。少しでも関係性があやふやな相手に使うと、ただの悪口と受け取られてしまう危険性が高いです。
ロマンチックなシーンや微笑ましい会話での例文
例:(サプライズプレゼントをもらって) 아이구, 정말… 이런 건 언제 준비했어? 바보~ (アイグ, チョンマル… イロン ゴン オンジェ チュンビヘッソ? パボ~) – もう、本当に…こんなのいつ準備したの?おバカさん♡
例:(彼氏が寒い中、長時間待っていてくれた時に) 왜 여기서 계속 기다렸어! 감기 걸리면 어떡해, 바보야! (ウェ ヨギソ ケソク キダリョッソ! カムギ コルリミョン オットッケ, パボヤ!) – なんでここでずっと待ってたの!風邪ひいたらどうするの、バカ!(心配してるのよ)
例:(友達が面白いドジをした時に笑いながら) 푸하하! 너 진짜 바보 아니야? (プハハ! ノ チンチャ パボ アニヤ?) – ぷはは!あんた本当にアホじゃないの?(面白いなあ)
使い方③:K-POPやドラマの歌詞・セリフに見る「パボ」の切ない/愛おしいニュアンス
K-POPのラブソングやドラマのセリフでは、「パボ」が「あなたしか見えない(他のことは考えられない)バカ」のように、一途な恋心や、恋に溺れて周りが見えなくなっている状態を表すのに使われたり、あるいは、不器用で純粋なキャラクターを「パボ」と表現したりすることがあります。これは必ずしもネガティブな意味ではなく、むしろその一途さや純粋さが愛おしさや切なさを感じさせる効果があります。
例:너만 아는 바보가 되어 버렸어. (ノマン アヌン パボガ トェオ ボリョッソ) – 君しか知らないバカになってしまった。
例:사랑 앞에서는 누구나 바보가 된다. (サラン アペソヌン ヌ구나 パボガ トェンダ) – 愛の前では誰もがバカになる。
【重要】悪口と愛情表現の境界線はどこ?鍵は「文脈」「関係性」「言い方・表情」
では、悪口の「パボ」と愛情表現の「パボ」をどう見分ければ良いのでしょうか? 鍵となるのは以下の3点です。
- 文脈(状況): ケンカの最中なのか、和やかな雰囲気なのか、どんな会話の流れで使われているか。
- 関係性: 話し手と聞き手の関係はどれくらい親しいのか。お互いをどう思っているか。
- 言い方・声のトーン・表情: 怒鳴っているのか、優しく言っているのか、笑顔なのか、怒っているのか。
これらの要素を総合的に判断する必要があります。特に非ネイティブにとっては判断が難しい場合もあるため、自分から愛情表現のつもりで「パボ」を使うのは、相当慎重になるべきです。基本的には悪口として捉え、相手が使ってきた場合に、上記の要素からその意図を推測するのが安全でしょう。

娘・息子にメロメロ!「딸바보」「아들바보」
「親ばか」も「パボ」を使う?딸바보(タルパボ) / 아들바보(アドゥルパボ) とは
「パボ」が悪口以外のポジティブな意味で使われる、もう一つの代表的な例が「親ばか」を表現する言葉です。
딸바보 (タルパボ):娘デレデレのお父さん(お母さん)
딸바보
(ッタルバボ)
「딸 (ッタル)」は「娘」という意味です。「딸바보」で「娘バカ」、つまり自分の娘が可愛くて仕方がない、娘にデレデレな親(特に父親を指すことが多いですが、母親にも使います)のことを指します。
아들바보 (アドゥルパボ):息子メロメロのお父さん(お母さん)
아들바보
(アドゥルバボ)
「아들 (アドゥル)」は「息子」という意味です。「아들바보」で「息子バカ」、自分の息子が可愛くて仕方がない親のことを指します。
ネガティブじゃない!愛情深さを表すポジティブな意味合い
日本語の「親ばか」もそうですが、韓国語の「딸바보」「아들바보」も、決してネガティブな意味ではありません。むしろ、子供への深い愛情を持っていること、子煩悩であることを示す、微笑ましくポジティブな表現として広く使われています。
「うちの夫、本当に딸바보なんだから~」のように、愛情深い様子を表現するのに使われます。
有名人の「딸바보」「아들바보」エピソード
韓国の芸能人やスポーツ選手などが、インタビューやSNSで自分の子供への溺愛ぶりを披露し、「딸바보」「아들바보」として話題になることもよくあります。これは、彼らの人間的な一面や家庭的な姿が垣間見えるとして、ファンからも好意的に受け止められています。
他にもある?「バカ」を表す韓国語表現との比較
「パボ」以外にも、「バカ」やそれに近い意味を表す韓国語はいくつかあります。ニュアンスの違いを知っておくと、「パボ」の位置づけがより明確になります。
-
멍청이 (モンチョンイ)
意味:まぬけ、とんま、うすのろ、愚か者
ニュアンス:「パボ」と似ていますが、知能が低いというよりは、気が利かない、状況判断ができない、鈍いといったニュアンスが強いです。「パボ」同様、悪口ですが、親しい間柄で冗談っぽく使われることもあります。 -
등신 (トゥンシン)
意味:のろま、まぬけ、役立たず、意気地なし
ニュアンス:「パボ」や「멍청이」よりもはるかに侮辱的で攻撃的な悪口です。相手を強く見下し、役立たずだと罵る言葉。絶対に使うべきではありません。ドラマなどで耳にすることはあっても、現実で使うのは非常に危険です。 -
머리가 나쁘다 (モリガ ナップダ)
意味:頭が悪い
ニュアンス:「パボ」などが人格全体を指すのに対し、これはより直接的に「知能が低い」ことを指摘する表現です。これも当然、相手に対して使うべきではありません。
「パボ」のニュアンスの立ち位置
これらの言葉と比較すると、「パボ」は
- 悪口としての強さは「등신」よりはるかに弱く、「멍청이」と同程度か、やや弱い。
- 侮辱的な意味合いだけでなく、文脈によっては愛情表現にもなりうる、意味の幅が広い言葉。
と言えるでしょう。ただし、繰り返しになりますが、基本が悪口であることは忘れてはいけません。
日本にも影響?アイドルグループ「Pabo」の由来と活動
最後に、少し余談ですが、韓国語の「パボ」が日本のエンターテイメントにも影響を与えた例として、かつて活動していた女性アイドルグループ「Pabo(パボ)」について触れておきましょう。
Paboは、2007年にフジテレビ系のクイズバラエティ番組『クイズ!ヘキサゴンII』から誕生したユニットです。メンバーは里田まいさん、スザンヌさん、木下優樹菜さんの3名でした。
グループ名は、番組内で「おバカキャラ」として人気だった彼女たちにちなんで、韓国語の「바보(パボ)=おバカさん」から名付けられました。デビュー曲「恋のヘキサゴン」はヒットし、同じく番組から生まれた男性ユニット「羞恥心」と共に、当時のバラエティ番組を大いに盛り上げました。
このグループの存在によって、日本でも「パボ=おバカさん」という韓国語の意味が、より広く知られるきっかけになったと言えるかもしれません。
まとめ:「パボ(바보)」は奥深い言葉!文脈を理解して正しく使おう
韓国語「바보 (パボ)」について、その意味、発音、使い方、そして文化的背景まで詳しく見てきました。
単に「バカ」「アホ」という悪口としてだけでなく、時には愛情表現や親しみを込めた呼びかけ、さらには「親ばか」を示す言葉としても使われる、非常に多面的で奥深い単語であることがお分かりいただけたかと思います。
「パボ」を理解するための最終確認ポイント:
- 基本は悪口: 相手を侮辱する言葉なので、絶対にむやみに使わないこと。
- 発音: 鼻音化により「マンネ」のように、「パボ」[pabo/babo]と発音する(マクネ/マッネではない)。
- 可愛い使い方: 自分への自虐、親しい相手への愛情表現(言い方・表情・関係性が超重要!)、歌詞などでの比喩表現。
- 親ばか表現: 딸바보(娘バカ), 아들바보(息子バカ)はポジティブな意味。
- 類義語との比較: 멍청이(まぬけ), 등신(強い侮辱語)など、他の言葉とのニュアンスの違いを知る。
- 文脈がすべて: 同じ「パボ」でも、状況や言い方で意味が180度変わることを常に意識する。
「パボ」という言葉は、韓国語の面白さや、言葉と文化の深いつながりを感じさせてくれる一例と言えるでしょう。その意味の幅広さを理解し、文脈をしっかり読み取り、相手への配慮を忘れずに接することが、誤解なく、より豊かなコミュニケーションを築く鍵となります。
特に、自分から使う場合は最大限の注意を払い、基本的には相手が使ってきた時にその意図を理解するための知識として、今回の内容を役立てていただければ幸いです。