ハングル一覧表マスター!読み方・書き方から発音変化まで徹底解説

  1. 韓国語・ハングル基本

【完全ガイド】ハングル一覧表マスター!読み方・書き方から発音変化まで徹底解説

初心者必見!基本文字から複雑なパッチム、連音化ルールまで、この1記事でハングルの全てがわかる。

「韓国ドラマやK-POPが好きだけど、文字が読めたらもっと楽しいのに…」
「韓国旅行で看板やメニューが読みたい!」
「ハングルって難しそう…どこから手をつければいいの?」

そんな風に思っていませんか? ハングルは一見複雑に見えるかもしれませんが、実は非常に合理的で学びやすい文字なんです。この記事では、ハングルの基本的な仕組みから、読み方、書き方、そして少し複雑な発音の変化まで、網羅的に解説していきます。

この「ハングル完全ガイド」を読めば、あなたもハングルの基本をマスターし、韓国語の世界への扉を開くことができるでしょう。さあ、一緒にハングルの魅力的な世界を探求していきましょう!

ハングルとは? 基本構造を知ろう

ハングル (한글) は、朝鮮王朝第4代王である世宗大王 (세종대왕) が、民衆が簡単に読み書きできるようにと1443年に創製し、1446年に公布した文字体系です。それまで朝鮮半島では主に漢字が使われていましたが、庶民にとっては習得が困難でした。

ハングルの最大の特徴は、子音と母音の字母(パーツ)を組み合わせて1つの音節文字を作る点にあります。まるでアルファベットを組み合わせるように、またはレゴブロックを組み立てるように文字が作られます。

ハングルの基本構造:
一つの音節は、基本的に以下の組み合わせで構成されます。

  • 子音 (初声) + 母音 (中声) 例: 가 (カ) = ㄱ (k/g) + ㅏ (a)
  • 子音 (初声) + 母音 (中声) + 子音 (終声/パッチム) 例: 각 (カク) = ㄱ (k/g) + ㅏ (a) + ㄱ (k)

初声に子音が来ない場合(ア行など)は、発音しない子音「ㅇ」を置きます。例: 아 (ア) = ㅇ (無音) + ㅏ (a)

この組み合わせのルールさえ理解すれば、初めて見る単語でもある程度読めるようになるのが、ハングルの素晴らしい点です。

基本母音と子音をマスターしよう

ハングルの全ての文字は、基本となる母音と子音の字母から成り立っています。まずはこれらをしっかりと覚えましょう。

基本母音 (10個)

母音は、日本語の「あいうえお」に相当します。ハングルには日本語より多い10個の基本母音があります。発音の際は、口の形や舌の位置を意識することが大切です。

基本母音一覧:

  • ㅏ (a): 日本語の「ア」に近い。口を大きく開けて発音。 [例: (カ)]
  • ㅑ (ya): 日本語の「ヤ」に近い。「ア」の口の形で「ィヤ」と素早く言う感じ。 [例: (ヤ)]
  • ㅓ (eo): 日本語の「オ」に近いが、口を「ア」の形に近く開けて「オ」と発音するイメージ。 [例: (コ)]
  • ㅕ (yeo): 日本語の「ヨ」に近い。「eo」の口の形で「ィヨ」と素早く言う感じ。 [例: (キョ)]
  • ㅗ (o): 日本語の「オ」に近いが、唇を丸く突き出して発音。 [例: (コ)]
  • ㅛ (yo): 日本語の「ヨ」に近い。「o」の口の形で「ィヨ」と素早く言う感じ。 [例: (キョ)]
  • ㅜ (u): 日本語の「ウ」に近いが、唇を「オ」よりさらに強く丸く突き出して発音。 [例: (ク)]
  • ㅠ (yu): 日本語の「ユ」に近い。「u」の口の形で「ィユ」と素早く言う感じ。 [例: (キュ)]
  • ㅡ (eu): 日本語にない音。「ウ」を発音するときのように唇を丸めず、横に引いて「ウー」と発音する。 [例: (ク)]
  • ㅣ (i): 日本語の「イ」に近い。口を横に引いて発音。 [例: (キ)]

※ カタカナ表記はあくまで目安です。正確な発音は音声教材などで確認することをお勧めします。

ハングルの基本母音と子音のイラスト

まずは基本の母音と子音を覚えよう!

基本子音 (14個)

子音は、日本語の「かさたなはまやらわ」行などの音を作る基本となります。ハングルには14個の基本子音があります。中には日本語の清音・濁音のように、語頭と語中で発音が少し変わるものもあります。

基本子音一覧:

  • ㄱ (k/g): 語頭では「カ」行、語中では「ガ」行に近い音。[例: 가구 (カグ) – 家具]
  • ㄴ (n): 日本語の「ナ」行の音。[例: 나라 (ナラ) – 国]
  • ㄷ (t/d): 語頭では「タ」行、語中では「ダ」行に近い音。[例: 다리 (タリ/ダリ) – 足/橋]
  • ㄹ (r/l): 語頭では「ラ」行に近いが、舌を軽く巻く感じ。語中やパッチムでは「L」の音に近い。[例: 라디오 (ラディオ) – ラジオ, 몰라요 (モルラヨ) – 知りません]
  • ㅁ (m): 日本語の「マ」行の音。[例: 마음 (マウム) – 心]
  • ㅂ (p/b): 語頭では「パ」行、語中では「バ」行に近い音。[例: 바보 (パボ/バボ) – 馬鹿]
  • ㅅ (s/sh): 後ろに来る母音によって「サ」行または「シャ」行に近い音になる(「ㅣ, ㅑ, ㅕ, ㅛ, ㅠ」の前では「sh」の音)。[例: 사람 (サラム) – 人, 시간 (シガン) – 時間]
  • ㅇ (ng/無音): 母音の前に付く場合(初声)は発音しない(無音)。パッチム(終声)として使われる場合は「ン (ng)」の音。[例: 아이 (アイ) – 子供, (カン/Kang) – 川]
  • ㅈ (ch/j): 語頭では「チャ」行、語中では「ジャ」行に近い音。[例: 자다 (チャダ/ジャダ) – 寝る]
  • ㅊ (ch): 息を強く出して発音する「チャ」行の音(激音)。[例: (チャ) – 車/お茶]
  • ㅋ (k): 息を強く出して発音する「カ」行の音(激音)。[例: 크다 (クダ) – 大きい]
  • ㅌ (t): 息を強く出して発音する「タ」行の音(激音)。[例: 토마토 (トマト) – トマト]
  • ㅍ (p): 息を強く出して発音する「パ」行の音(激音)。[例: 포도 (ポド) – ぶどう]
  • ㅎ (h): 日本語の「ハ」行の音。[例: 하다 (ハダ) – する]

激音とは?

基本子音の中に「ㅊ, ㅋ, ㅌ, ㅍ」という4つの文字がありましたね。これらは激音 (격음) と呼ばれ、対応する平音(ㅈ, ㄱ, ㄷ, ㅂ)よりも息を強く、激しく出して発音するのが特徴です。

激音の発音のコツ:

  • ティッシュペーパーを口の前に持ち、激音を発音したときにティッシュが揺れるくらい息を出す練習をすると良いでしょう。
  • ㅋ (k): 「카 (カ)」 vs ㄱ (k/g): 「가 (カ/ガ)」
  • ㅌ (t): 「타 (タ)」 vs ㄷ (t/d): 「다 (タ/ダ)」
  • ㅍ (p): 「파 (パ)」 vs ㅂ (p/b): 「바 (パ/バ)」
  • ㅊ (ch):「차 (チャ)」 vs ㅈ (ch/j):「자 (チャ/ジャ)」

平音と激音を聞き分け、発音し分ける練習が重要です。

合成母音を覚えよう (11個)

基本母音を組み合わせることで、さらに複雑な音を表す合成母音 (이중모음) が作られます。全部で11個あります。

合成母音一覧:

  • ㅐ (ae): 日本語の「エ」に近いが、やや「ア」寄りの「エ」。 [例: (ケ) – 犬]
  • ㅒ (yae): 「ヤ」+「エ」の音。「애」の口の形で「ィエ」と素早く言う。 [例: 얘기 (イェギ) – 話]
  • ㅔ (e): 日本語の「エ」に近い。「애」よりも口を狭めて発音。 [例: (ケ) – カニ] (※「개」と「게」は現代ソウル方言では区別が曖昧になりつつあります)
  • ㅖ (ye): 「イ」+「エ」の音。「에」の口の形で「ィエ」と素早く言う。 [例: 예쁘다 (イェップダ) – きれいだ]
  • ㅘ (wa): 「ㅗ (o)」+「ㅏ (a)」の組み合わせ。「ワ」の音。 [例: 과자 (クァジャ) – お菓子]
  • ㅙ (wae): 「ㅗ (o)」+「ㅐ (ae)」の組み合わせ。「ウェ」の音。 [例: (ウェ) – なぜ]
  • ㅚ (oe): 「ㅗ (o)」+「ㅣ (i)」の組み合わせ。本来は「オェ」だが、現代では「ウェ (ㅙ)」と同じ発音になることが多い。[例: 회사 (フェサ) – 会社]
  • ㅝ (wo): 「ㅜ (u)」+「ㅓ (eo)」の組み合わせ。「ウォ」の音。 [例: (ムォ/ボ) – 何]
  • ㅞ (we): 「ㅜ (u)」+「ㅔ (e)」の組み合わせ。「ウェ」の音。「ㅙ, ㅚ」と同じ発音になることが多い。[例: 웨딩드레스 (ウェディンドゥレス) – ウェディングドレス]
  • ㅟ (wi): 「ㅜ (u)」+「ㅣ (i)」の組み合わせ。「ウィ」の音。 [例: (ウィ) – 上]
  • ㅢ (ui): 「ㅡ (eu)」+「ㅣ (i)」の組み合わせ。発音が状況により変化する。
    • 語頭では「ウィ」に近い音: 의사 (ウィサ) – 医者
    • 語中や語末、または助詞「〜の」として使われる場合は「エ」に近い音: 편의점 (ピョニジョム/ピョネジョム) – コンビニ, 나의 (ナエ) – 私の
    • 子音の後ろにつく場合は「イ」の音: 희망 (ヒマン) – 希望

合成母音は数が多く、似た発音もあるため混乱しやすいですが、一つずつ丁寧に確認していきましょう。

濃音を理解しよう (5個)

ハングルには、激音とは別に濃音 (된소리) という発音があります。これは、喉を詰まらせるような感じで、息をほとんど出さずに強く発音する音です。基本子音の「ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅅ, ㅈ」をそれぞれ2つ重ねて表記します。

濃音一覧:

  • ㄲ (kk): 息を出さない「ッカ」行の音。[例: (ッコッ) – 花]
  • ㄸ (tt): 息を出さない「ッタ」行の音。[例: 따뜻하다 (ッタットゥタダ) – 暖かい]
  • ㅃ (pp): 息を出さない「ッパ」行の音。[例: (ッパン) – パン]
  • ㅆ (ss): 息を出さない「ッサ」行の音。[例: 싸다 (ッサダ) – 安い]
  • ㅉ (jj): 息を出さない「ッチャ」行の音。[例: 진짜 (チンッチャ) – 本当に]

発音のコツ:

  • 日本語の「がっこう」「きって」「いっぱい」などの小さい「っ」の後の音を発音する感覚に近いです。
  • 発音する前に一瞬、息を止めるような意識を持つと発音しやすくなります。
  • 平音・激音・濃音の区別は、韓国語学習の重要なポイントです。
  • 平音 (例: 가): 普通の音
  • 激音 (例: 카): 息を強く出す音
  • 濃音 (例: 까): 喉を締め、息を抑えて出す硬い音

この3種類の音をしっかり区別できるよう、繰り返し練習しましょう。

パッチム(終声子音)を徹底解説

ハングルの読み方を学ぶ上で、多くの学習者がつまずきやすいのがパッチム (받침) です。パッチムは、音節の最後にくる子音のことで、「支える」という意味があります。

パッチムの構造を示す図解

パッチムは音節の最後に位置する子音です。

パッチムとは? その役割

パッチムは、母音の下、あるいは子音と母音の下に配置されます。

  • 例1: (アン) – 初声ㅇ(無音) + 中声ㅏ(a) + 終声(n)
  • 例2: (パプ/バプ) – 初声ㅂ(p/b) + 中声ㅏ(a) + 終声(p)
  • 例3: (イク/イル) – 初声ㅇ(無音) + 中声ㅣ(i) + 終声(k/l) (ダブルパッチム)

パッチムが付くことで、単語の意味が変わったり、発音に変化が生じたりするため、非常に重要です。

パッチムの種類と代表的な発音

パッチムとして使われる子音はたくさんありますが、実際に発音される音は以下の7種類に代表されます。どの文字がどの代表音になるかを覚えることが重要です。

パッチムの7つの代表音

  1. [k] の音になるパッチム: ㄱ, ㅋ, ㄲ
    発音のコツ: 舌の根元を上げて喉を閉じる感じ。「クッ」と音を切る。息はほとんど出さない。
    例: 부엌 [부억] (プオク) – 台所, [박] (パク) – 外
  2. [n] の音になるパッチム: (他にㄵ, ㄶもnの音になる場合あり)
    発音のコツ: 舌先を上の歯茎につけて「ン」と発音。
    例: [눈] (ヌン) – 目/雪
  3. [t] の音になるパッチム: ㄷ, ㅌ, ㅅ, ㅆ, ㅈ, ㅊ, ㅎ
    発音のコツ: 舌先を上の歯茎につけて音を止める感じ。「ッ」に近い。息は出さない。
    例: [곧] (コッ) – すぐに, [믿] (ミッ) – 下, [옫] (オッ) – 服, 있다 [읻따] (イッタ) – ある/いる, [낟] (ナッ) – 昼, [꼳] (ッコッ) – 花, 좋다 [졷타] (チョッタ) – 良い (※ㅎは後ろの子音と結合して激音化することが多い)
  4. [l] の音になるパッチム: (他にㄼ, ㄾ, ㅀなどを含む)
    発音のコツ: 舌先を上の歯茎の付け根あたりに軽くつけ、側面から息を流す感じ。日本語の「ル」とは違う、英語の「L」に近い音。
    例: [달] (タル) – 月, [말] (マル) – 馬/言葉
  5. [m] の音になるパッチム: (他にㄻを含む)
    発音のコツ: 唇を閉じて「ム」と発音。日本語の「ん」とは違う。
    例: [밤] (パム/バム) – 夜/栗
  6. [p] の音になるパッチム: ㅂ, ㅍ (他にㅄを含む)
    発音のコツ: 唇を閉じて音を止める感じ。「プッ」と息を破裂させず、閉じたままにする。
    例: [집] (チプ/ジプ) – 家, [압] (アプ) – 前
  7. [ng] の音になるパッチム:
    発音のコツ: 舌の根元を上げて、鼻から息を抜くように「ング」と発音。舌先はどこにもつけない。
    例: [공] (コン/Kong) – ボール, [강] (カン/Kang) – 川

このように、多くのパッチムが[t]の音に集約されるなど、ルールを覚えれば整理しやすくなります。

ダブルパッチム (겹받침) のルール

パッチムには、二つの異なる子音が組み合わさったダブルパッチム (겹받침) も存在します。例: 닭 (鶏), 값 (値段), 앉다 (座る), 읽다 (読む) など。

ダブルパッチムの場合、基本的にどちらか一方の子音だけを発音します。どちらを読むかはパッチムの種類によって決まっています。

ダブルパッチムの発音ルール:

  • 左側の子音を発音するものが多い:
    • ㄳ (k), ㄵ (n), ㄶ (n), ㄼ (l), ㄽ (l), ㄾ (l), ㅀ (l), ㅄ (p) など
    • 例: 앉다 [안따] (アンタ) – 座る, 많다 [만타] (マンタ) – 多い, 넓다 [널따] (ノルタ) – 広い, [갑] (カプ) – 値段
    • 例外: 밟다 (踏む) は右側の[p]で発音 → [밥따] (パプタ)
  • 右側の子音を発音するもの:
    • ㄺ (k), ㄻ (m), ㄿ (p)
    • 例: [닥] (タク) – 鶏, [삼] (サム) – 生、人生, 읊다 [읍따] (ウプタ) – (詩などを)詠む
    • 例外: は後ろに が続く場合、左側の[l]で発音する。例: 읽고 [일꼬] (イルコ) – 読んで。ただし、名詞の場合は右側のまま。例: 닭고기 [닥꼬기] (タックコギ) – 鶏肉

※ダブルパッチムの後に母音が続くと、発音が変わることがあります(後述の連音化を参照)。

ダブルパッチムは複雑に見えますが、基本的なルールといくつかの例外を覚えれば対応できます。

ややこしい? ハングルの発音変化ルール

ハングルは、文字の組み合わせだけでなく、文字と文字が繋がったときに発音が変化するルールがあります。これが韓国語の発音を自然に、そして流暢にするための鍵となります。最初は難しく感じるかもしれませんが、ルールを理解すれば、ネイティブの発音に近づけます。

連音化(リエゾン)のルールを示すイラスト

パッチムの音が後ろの母音と繋がる連音化。

1. 連音化 (リエゾン / 연음)

最も基本的で頻繁に起こる発音変化です。パッチムの後に母音(ㅇで始まる音節)が続く場合、そのパッチムの音が次の母音の初声の位置に移動して発音されます。

例:

  • 한국어 (ハングゴ): 한국 (hanguk) + 어 (eo) → [한구거] (hangugeo) – 韓国語
  • 음악 (ウマク): 음 (eum) + 악 (ak) → [으막] (eumak) – 音楽
  • 앉아요 (アンジャヨ): 앉 (anj) + 아요 (ayo) → [안자요] (anjayo) – 座ります
  • 읽어요 (イルゴヨ): 읽 (ilg) + 어요 (eoyo) → [일거요] (ilgoyo) – 読みます

ダブルパッチムの場合、通常は左側がパッチムとして残り、右側の子音が後ろの母音に移動します。例: 젊어요 [절머요] (チョルモヨ) – 若いです

注意: パッチム「ㅇ (ng)」は連音化しません。例: 강아지 [강아지] (カンアジ) – 子犬 (カンガジにはならない)

2. 濃音化 (된소리되기)

特定のパッチムの後ろに平音(ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅅ, ㅈ)が続くと、その後ろの平音が濃音(ㄲ, ㄸ, ㅃ, ㅆ, ㅉ)に変化して発音されます。

主な条件:

  • パッチム ㄱ(ㅋ,ㄲ), ㄷ(ㅅ,ㅆ,ㅈ,ㅊ,ㅌ), ㅂ(ㅍ) の後に ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅅ, ㅈ が続く場合。
  • 例:
    • 학교 (ハッキョ): 학 (hak) + 교 (gyo) → [학꾜] (hakkyo) – 学校
    • 식당 (シクタン): 식 (sik) + 당 (dang) → [식땅] (sikttang) – 食堂
    • 옷장 (オッチャン): 옷 (ot) + 장 (jang) → [옫짱] (otjjang) – タンス
    • 옆집 (ヨプチプ): 옆 (yeop) + 집 (jip) → [엽찝] (yeopjjip) – 隣の家
    • 꽃밭 (ッコッパッ): 꽃 (kkot) + 밭 (bat) → [꼳빧] (kkotppat) – 花畑
  • 用言(動詞・形容詞)の語幹のパッチム ㄴ, ㅁ (または ㄵ, ㄻ) の後に ㄱ, ㄷ, ㅈ などが続く場合。
  • 例:
    • 신고 (シンゴ): 신 (sin) + 고 (go) → [신꼬] (sinkko) – 履いて
    • 안고 (アンコ): 안 (an) + 고 (go) → [안꼬] (ankko) – 抱いて
    • 삼고 (サムゴ): 삼 (sam) + 고 (go) → [삼꼬] (samkko) – (~を~と)みなして
  • 漢字語のパッチム の後に ㄷ, ㅅ, ㅈ が続く場合。
  • 例:
    • 갈등 (カルトゥン): 갈 (gal) + 등 (deung) → [갈뜽] (galttteung) – 葛藤
    • 발전 (パルチョン): 발 (bal) + 전 (jeon) → [발쩐] (baljjeon) – 発展

3. 激音化 (거센소리되기)

パッチム「ㅎ」または「ㅎ」を含むダブルパッチム (ㄶ, ㅀ) の前後に、平音「ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ」が来ると、これらが結合して激音「ㅋ, ㅌ, ㅍ, ㅊ」に変化します。

例:

  • ㄱ + ㅎ → ㅋ : 축하하다 (チュカハダ): 축 (chuk) + 하 (ha) → [추카하다] (chukahada) – 祝う
  • ㄷ + ㅎ → ㅌ : 많다 (マンタ): 많 (manh) + 다 (da) → [만타] (manta) – 多い
  • ㅂ + ㅎ → ㅍ : 입학 (イパク): 입 (ip) + 학 (hak) → [이팍] (ipak) – 入学
  • ㅈ + ㅎ → ㅊ : 그렇지 (クロッチ): 그렇 (geureoh) + 지 (ji) → [그러치] (geureochi) – そうだね
  • ㅎ + ㄱ → ㅋ : 좋고 (チョッコ): 좋 (joh) + 고 (go) → [조코] (joko) – 良くて
  • ㅎ + ㄷ → ㅌ : 놓다 (ノッタ): 놓 (noh) + 다 (da) → [노타] (nota) – 置く
  • ㅎ + ㅈ → ㅊ : 싫증 (シルチュン): 싫 (silh) + 증 (jeung) → [실층] (silcheung) – 嫌気

4. 鼻音化 (비음화)

特定のパッチムの後ろに鼻音(ㄴ, ㅁ)や流音(ㄹ)が来ると、パッチムの音が鼻音(ㄴ, ㅁ, ㅇ)に変化する現象です。

主なルール:

  • パッチム ㄱ(ㅋ,ㄲ), ㄷ(ㅅ,ㅆ,ㅈ,ㅊ,ㅌ,ㅎ), ㅂ(ㅍ) の後に ㄴ, ㅁ が続くと、それぞれ ㅇ[ng], ㄴ[n], ㅁ[m] に変化。
    • 例: 박물관 [방물관] (パンムルグァン) – 博物館 (ㄱ + ㅁ → ㅇ + ㅁ)
    • 例: 믿는 [민는] (ミンヌン) – 信じる (ㄷ + ㄴ → ㄴ + ㄴ)
    • 例: 밥물 [밤물] (パンムル) – ご飯を食べる時の水 (ㅂ + ㅁ → ㅁ + ㅁ)
    • 例: 감사합니다 [감사함니다] (カムサハムニダ) – ありがとうございます (ㅂ + ㄴ → ㅁ + ㄴ)
  • パッチム ㅁ, ㅇ の後に が続くと、 に変化。
    • 例: 심리학 [심니학] (シムニハク) – 心理学 (ㅁ + ㄹ → ㅁ + ㄴ)
    • 例: 종류 [종뉴] (チョンニュ) – 種類 (ㅇ + ㄹ → ㅇ + ㄴ)
  • パッチム ㄱ(ㅋ,ㄲ), ㅂ(ㅍ) の後に が続くと、パッチムがそれぞれ ㅇ, ㅁ に変化し、 に変化。
    • 例: 학력 [항녁] (ハンニョク) – 学歴 (ㄱ + ㄹ → ㅇ + ㄴ)
    • 例: 합리적 [함니적] (ハムニジョク) – 合理的 (ㅂ + ㄹ → ㅁ + ㄴ)

5. 流音化 (유음화)

鼻音「ㄴ」と流音「ㄹ」が隣り合うと、「ㄴ」が「ㄹ」の音に変化する現象です。

ルール:

  • ㄴ + ㄹ → [ㄹ + ㄹ]
    • 例: 신라 [실라] (シルラ) – 新羅
    • 例: 난로 [날로] (ナルロ) – 暖炉
  • ㄹ + ㄴ → [ㄹ + ㄹ]
    • 例: 관리 [괄리] (クァルリ) – 管理
    • 例: 설날 [설랄] (ソルラル) – 正月

例外: 一部の漢字語などでは、ㄹ + ㄴ が [ㄹ + ㄹ] にならず、逆に ㄴ の影響で ㄹ が [ㄴ] になる鼻音化が起こる場合がある。
例: 결단력 [결딴녁] (キョルタンニョク) – 決断力 (流音化せず濃音化+鼻音化)
例: 횡단로 [횡단노] (フェンダンノ) – 横断路 (鼻音化)

6. 口蓋音化 (구개음화)

パッチム 「ㄷ, ㅌ」 の後に、母音「ㅣ」または半母音「ㅑ, ㅕ, ㅛ, ㅠ」(これらも実質「i」の音から始まる)が直接続く場合(形式形態素の場合)、「ㄷ」は「ㅈ」「ㅌ」は「ㅊ」の音に変化します。

例:

  • 굳이 (クディ → クジ): 굳 (gud) + 이 (i) → [구지] (guji) – あえて
  • 같이 (カティ → カチ): 같 (gat) + 이 (i) → [가치] (gachi) – 一緒に
  • 미닫이 (ミダディ → ミダジ): 미닫 (midad) + 이 (i) → [미다지] (midaji) – 引き戸
  • 붙여요 (プテョヨ → プチョヨ): 붙 (but) + 여요 (yeoyo) → [부처요] (bucheoyo) – 付けます

7. ㅎの発音変化

パッチム「ㅎ」は、後ろに来る音によって様々な変化を起こします。

ㅎの主な変化:

  • 激音化: 前述の通り、ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ と結合して ㅋ, ㅌ, ㅍ, ㅊ になる。
  • 母音の前で脱落: 後ろに母音(ㅇで始まる音節)が続くと、「ㅎ」の音は発音されなくなることが多い(連音化しない)。
    • 例: 좋아 [조아] (チョア) – いいね
    • 例: 싫어 [시러] (シロ) – いやだ
    • 例: 넣어요 [너어요] (ノオヨ) – 入れます
  • ㄴ の前で ㄴ になる: 後ろに ㄴ が続くと、ㅎ が ㄴ の音になることがある。
    • 例: 놓는 [논는] (ノンヌン) – 置く(連体形)
  • 語末や子音の前では代表音 [t] になる (が、後続の子音次第で変化しやすい):
    • 例: 좋다 [조타] (チョタ) – 良い (ㄷ の前なので激音化)

これらの発音変化は最初は複雑に感じるかもしれませんが、多くの単語に触れ、声に出して読む練習を繰り返すうちに、自然と身についていきます。

日本語をハングルで書いてみよう

ハングルを覚えると、自分の名前や日本の地名などをハングルで表記したくなりますよね。ここでは、日本語をハングルで表記する際の基本的な対応と注意点を見ていきましょう。

日本語の五十音とハングルの対応

以下の表は、日本語の音をハングルで表記する際の一般的な対応を示したものです。(PDFの内容を基に整理)

ア段 イ段 ウ段 エ段 オ段
あ行 아 (a) 이 (i) 우 (u) 에 (e) 오 (o)
か行 가/카 (ka) 기/키 (ki) 구/쿠 (ku) 게/케 (ke) 고/코 (ko)
さ行 사 (sa) 시 (shi) 스 (su) 세 (se) 소 (so)
た行 다/타 (ta) 지/치 (ji/chi) 쓰 (sseu) 데/테 (te) 도/토 (to)
な行 나 (na) 니 (ni) 누 (nu) 네 (ne) 노 (no)
は行 하 (ha) 히 (hi) 후 (hu) 헤 (he) 호 (ho)
ま行 마 (ma) 미 (mi) 무 (mu) 메 (me) 모 (mo)
や行 야 (ya) 유 (yu) 요 (yo)
ら行 라 (ra) 리 (ri) 루 (ru) 레 (re) 로 (ro)
わ行 와 (wa) 오 (o) を使う
ㄴ (n) パッチムを使うのが基本 (例: 혼다 – ホンダ)

※濁音(が行、ざ行、だ行、ば行)、半濁音(ぱ行)は、対応するハングルの平音(ㄱ, ㅈ, ㄷ, ㅂ)や激音(ㅍ)を使います。

きゃ行 갸/캬 (kya) 규/큐 (kyu) 교/쿄 (kyo)
しゃ行 샤 (sha) 슈 (shu) 쇼 (sho)
ちゃ行 자/차 (cha) 주/추 (chu) 조/초 (cho)
にゃ行 냐 (nya) 뉴 (nyu) 뇨 (nyo)
ひゃ行 햐 (hya) 휴 (hyu) 효 (hyo)
みゃ行 먀 (mya) 뮤 (myu) 묘 (myo)
りゃ行 랴 (rya) 류 (ryu) 료 (ryo)

日本語表記の際の注意点

日本語の音をハングルで表す際には、いくつか注意すべき点があります。

  • 清音と濁音の使い分け (か行、た行など): 一般的に、語頭では濁らない音 (ㄱ[k], ㄷ[t]) を使い、語中・語末では濁る音に近い表記 (ㅋ, ㅌなど激音や、文脈によってはㄱ, ㄷ) を使うことがあります。しかし、外来語表記のルールは必ずしも一貫していないため、慣例に従うことが多いです。
    • 例: 다나카 (田中 – Tanaka) – 語頭はㄷ, 語中はㅋ
  • 「つ (tsu)」の音: ハングルには「つ」に直接対応する音がないため、쓰 (sseu) や 츠 (cheu) で代用されます。例: 쓰나미 (津波 – Tsunami)
  • 促音「っ」: 小さい「っ」は、後ろの子音を濃音にするか、パッチム「ㅅ」を使って表現します。
    • 例: 삿포로 (札幌 – Sapporo) – パッチムㅅを使用
    • 例: 닛산 (日産 – Nissan) – パッチムㅅを使用
  • 撥音「ん」: 基本的にパッチム「ㄴ (n)」を使います。ただし、後続の音によっては「ㅁ (m)」や「ㅇ (ng)」の音に近くなる場合でも、表記上は「ㄴ」を使うことが多いです。
    • 例: 곤니치와 (こんにちは – Konnichiwa)
    • 例: 신주쿠 (新宿 – Shinjuku)
    • 例: 덴푸라 (天ぷら – Tempura) (発音は[ㅁ]に近いがㄴで表記)
  • 長音「ー」: 日本語の伸ばす音(長音符号「ー」)は、基本的にハングルでは表記しません。母音を重ねて書くことは稀です。
    • 例: 도쿄 (東京 – Tokyo) (トーキョーとは書かない)
    • 例: 오사카 (大阪 – Osaka) (オーサカとは書かない)
    • 例: 라멘 (ラーメン – Ramen)
  • 地名などの漢字語: 日本の地名でも、漢字で表記されるものは、韓国語での漢字の読み方(漢字音)で読まれることがあります。
    • 例: 동경 (東京 – Donggyeong) – 日本語読みに近い 도쿄 と併用される
    • 例: 북해도 (北海道 – Bukhaedo) – 홋카이도 と併用される

これらのルールは外来語表記法としてある程度定められていますが、実際には慣用的な表記が優先されることもあります。

ハングル学習の次のステップ

ハングルの文字と発音の基本、そして発音変化のルールを理解したら、いよいよ本格的な韓国語学習のスタートラインです。ここからは、覚えた知識を活かして、さらにステップアップしていくためのヒントをご紹介します。

1. 単語やフレーズの学習

文字が読めるようになったら、次は意味のある単語や簡単なフレーズを覚えていきましょう。

  • 挨拶: 안녕하세요 (アンニョンハセヨ – こんにちは), 감사합니다 (カムサハムニダ – ありがとうございます) など。
  • 簡単な自己紹介: 저는 [名前]입니다 (チョヌン [名前]イムニダ – 私は[名前]です) など。
  • 身の回りの物の名前: 책 (チェク – 本), 물 (ムル – 水), 친구 (チング – 友達) など。
  • よく使う動詞・形容詞: 가다 (カダ – 行く), 먹다 (モクタ – 食べる), 예쁘다 (イェップダ – きれいだ) など。

単語帳アプリや教材、フラッシュカードなどを活用して、語彙力を増やしていくことが大切です。覚えた単語を使って簡単な文を作る練習も効果的です。

2. おすすめの学習方法

ハングルの読み書きに慣れ、語彙を増やすための効果的な学習方法はたくさんあります。

  • 音声教材の活用: ネイティブの発音を聞きながら、文字と音を結びつける練習をしましょう。シャドーイング(音声に続いて真似して発音する)も有効です。
  • 好きなコンテンツで学ぶ: K-POPの歌詞、ドラマのセリフ、好きな俳優のインタビューなど、興味のある題材を使うと楽しく学習を続けられます。歌詞カードを見ながら歌ったり、簡単なセリフを書き取ってみたりしましょう。
  • 書く練習: 実際に手を動かしてハングルを書くことで、文字の形や構造が記憶に定着しやすくなります。ノートに繰り返し書いたり、日記を簡単な韓国語でつけてみるのも良いでしょう。
  • 韓国語学習アプリ・サイト: ゲーム感覚で単語や文法を学べるアプリや、初心者向けのオンライン講座など、様々なツールを活用しましょう。
  • 交流の機会を持つ: もし可能であれば、韓国語教室に通ったり、言語交換パートナーを見つけたりして、実際に韓国語を使う機会を持つと、モチベーション維持に繋がります。

大切なのは、焦らず、楽しみながら、毎日少しずつでも継続することです。

まとめ: ハングルをマスターして韓国語の世界を広げよう!

この記事では、ハングルの基本となる母音・子音から、合成母音、濃音、そして複雑なパッチムと発音変化のルール、さらに日本語のハングル表記まで、幅広く解説してきました。

今回のポイント:

  • ハングルは子音と母音を組み合わせる合理的な文字である。
  • 基本母音(10個)、基本子音(14個)、合成母音(11個)、濃音(5個)を区別して覚えることが重要。
  • パッチムは音節の最後に来る子音で、7つの代表音に集約される。
  • 連音化、濃音化、激音化、鼻音化、流音化などの発音変化ルールを理解すると、より自然な発音に近づける。
  • 日本語をハングルで表記する際は、促音・撥音・長音などの扱いに注意が必要。
  • ハングルを覚えたら、単語やフレーズ学習に進み、継続して学習することが大切。

ハングルが読めるようになると、韓国の文化に触れるのがもっと楽しくなります。看板が読める、メニューがわかる、好きなアイドルの名前が書ける…。できることが増える喜びを感じながら、ぜひ韓国語学習を続けてみてください。

この完全ガイドが、あなたのハングル学習の一助となれば幸いです。 화이팅! (ファイティン! – 頑張って!)

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ソヨン (서연) この記事を書いた人

講師歴20年超、ソウル出身のネイティブスピーカー。延世大学卒業後、明治大学で学ぶ。大阪朱友外語学院、アイザック外国語学校、龍谷大学外国語文化センター等での豊富な講師経験に加え、同時通訳経験も有する。
ネイティブならではの綺麗な標準語の発音指導。初級からビジネス、通訳レベルまで、学習者のレベルと目標に合わせた体系的かつ実践的なレッスン構築。
長年の指導経験に基づき、多くの学習者を目標達成(試験合格、流暢な会話力習得など)に導く。「使える」韓国語を確実に習得させる指導力に定評がある。

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