韓国語の一人称「私」を徹底解説!나(ナ)と저(チョ)の使い分け、助詞変化、例文まで網

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【完全版】韓国語の一人称「私」を徹底解説!나(ナ)と저(チョ)の使い分け、助詞変化、例文まで網羅

韓国語の勉強を始めたばかりの方、あるいはある程度学習が進んでいる方でも、意外と迷いがちなのが一人称「私」の使い方ではないでしょうか? 日本語には「私」「僕」「俺」「わたくし」など様々な一人称がありますが、韓国語の基本は「나(ナ)」「저(チョ)」の2つです。しかし、この2つをいつ、どのように使い分けるのか、そして助詞が付くと形が変わるルールなど、正確に理解するのは簡単ではありません。

「友達には『』を使うって習ったけど、バイト先の先輩にはどっち?」
「『私が』って言いたい時、『나가』じゃないの?」
「K-POPアイドルはよく『』って言ってるけど、あれは何?」

こんな疑問を持ったことはありませんか? 韓国語では、相手との関係性や状況に合わせて一人称を正しく使い分けることが、円滑なコミュニケーションのための非常に重要な鍵となります。間違った使い方をしてしまうと、意図せず相手に失礼な印象を与えてしまう可能性もあるのです。

この記事では、韓国語学習者が抱える一人称に関するあらゆる疑問を解消すべく、「나(ナ)」と「저(チョ)」の基本的な意味から、絶対にマスターしたい助詞との接続ルール、さらには豊富な例文や実践的な使い分けのヒントまで、文字通り「完全版」として徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って韓国語の一人称を使いこなせるようになっているはずです。

韓国語の「나」と「저」と書かれたフキダシで会話する様々な人々のイラスト

状況に合わせて「私」を使い分けるのが韓国語コミュニケーションの第一歩

目次

なぜ韓国語の一人称マスターが重要?コミュニケーション円滑化の鍵

まず、なぜ韓国語の一人称「나(ナ)」と「저(チョ)」の使い分けをしっかり学ぶ必要があるのでしょうか? それは、韓国が儒教文化の影響を色濃く受け継いでおり、年齢や社会的地位に基づく上下関係を重んじる文化があるからです。言葉遣い、特に敬語の使い方は、相手への敬意を示す上で非常に重要視されます。

日本語にも敬語がありますが、韓国語の敬語システムはより複雑で、一人称の使い分けもその一部です。相手に対して適切な一人称を選ぶことは、単に文法的に正しいだけでなく、相手との良好な関係を築くための礼儀として認識されています。

例えば、明らかに年上の方や初対面の人、社会的地位が高い人に対して、友達に使うような「나(ナ)」を使ってしまうと、「礼儀を知らない」「馴れ馴れしい」といったネガティブな印象を与えかねません。逆に、親しい友人に対して常に「저(チョ)」を使うと、よそよそしく、壁を作っているように感じさせてしまうかもしれません。

このように、一人称の選択は、あなたの韓国語能力だけでなく、社会性や相手への配慮を示す指標ともなり得ます。だからこそ、基本となる「나(ナ)」と「저(チョ)」の意味と使い方を正確に理解し、状況に応じて適切に使い分けるスキルを身につけることが、韓国語でのコミュニケーションを円滑に進める上で不可欠なのです。

韓国語の「私」基本の2つ:「(ナ)」と「(チョ)」を完全理解

それでは、韓国語の一人称の基本となる「나(ナ)」と「저(チョ)」について、それぞれの意味とニュアンス、使い分けのポイントを詳しく見ていきましょう。

(ナ)」とは? – 親しい間柄で使う「私・僕・俺」を深掘り

「나(ナ)」は、主に自分と同い年か年下の相手、あるいは非常に親しい間柄の年上の人(家族、恋人、長年の友人など)に対して使う一人称です。日本語の「私」「僕」「俺」などに相当しますが、性別に関係なく使われます。

特徴としては、丁寧さの度合いが低く、くだけた、親密なニュアンスを持ちます。そのため、公的な場面やビジネスシーン、目上の人に対して使うのは基本的に不適切です。友人との日常会話、家族とのやり取り、独り言などで最もよく使われます。

  • 使う相手: 友達、同級生、後輩、弟妹、恋人、親しい先輩(許可があれば)、家族など
  • 使う場面: 日常会話、プライベートなやり取り、SNSの投稿(親しいフォロワー向け)など
  • ニュアンス: 親密的、くだけた、対等、カジュアル
  • 日本語訳の例: 私、僕、俺、自分

例:
배고파. (ナ ペゴパ / 私、お腹すいた。)」- 友人に対して
먼저 갈게! (ナ モンジョ カルケ! / 僕、先に帰るね!)」- 同僚(タメ口が許される関係)に対して
「이거 혼자 다 먹었어. (イゴ ナ ホンジャ タ モゴッソ / これ、俺一人で全部食べたんだ。)」- 弟に対して

(チョ)」とは? – 丁寧な場面での「わたくし・私」を深掘り

「저(チョ)」は、自分より年上の相手、初対面の人、社会的地位が高い人、公的な場面などで使う一人称です。日本語の「わたくし」や、丁寧語としての「私」に相当します。こちらも性別に関係なく使われます。

나(ナ)」とは対照的に、相手への敬意や謙譲の意を示す、丁寧な言葉遣いです。ビジネスメール、プレゼンテーション、面接、店員さんとの会話、先生や上司との会話など、フォーマルな場面や、相手に敬意を払うべき場面で使われます。

  • 使う相手: 年上の人、先輩、上司、先生、初対面の人、顧客、店員など
  • 使う場面: ビジネスシーン、公的な場、フォーマルな会話、敬語を使うべき相手とのやり取り
  • ニュアンス: 丁寧、謙譲、フォーマル、敬意
  • 日本語訳の例: わたくし、私(丁寧)

例:
는 김민지라고 합니다. (チョヌン キムミンジラゴ ハムニダ / わたくしはキム・ミンジと申します。)」- 初対面の挨拶
, 질문 있습니다. (チョ、チルムン イッスムニダ / あの、質問があります。)」- 授業中や会議で
는 괜찮습니다. 신경 써주셔서 감사합니다. (チョヌン ケンチャンスムニダ. シンギョン ソジュショソ カムサハムニダ / 私は大丈夫です。お気遣いありがとうございます。)」- 目上の人に対して

日本語の一人称(私、僕、俺、わたくし)との違いと共通点

日本語では話者の性別や年齢、キャラクターによって「私」「僕」「俺」「わたくし」「うち」「自分」など多様な一人称を使い分けますが、韓国語の基本は「나(ナ)」と「저(チョ)」の2つであり、性別による区別はありません。男性も女性も、状況に応じてこの2つを使い分けます。

共通点としては、どちらの言語も相手との関係性や場面のフォーマルさによって一人称を使い分けるという点が挙げられます。日本語の「私/わたくし」と「僕/俺」の使い分けの感覚と、韓国語の「저(チョ)」と「나(ナ)」の使い分けの感覚は、完全に一致するわけではありませんが、「丁寧さ・フォーマルさ」の度合いで使い分けるという基本原則は似ています。

韓国語 主な日本語訳 丁寧さ 主な使用場面
나 (ナ) 私、僕、俺 低い(カジュアル) 友人、家族、年下、親しい間柄、プライベート
저 (チョ) わたくし、私(丁寧) 高い(フォーマル) 年上、初対面、上司、先生、公的な場、ビジネス

(ナ)」vs「(チョ)」使い分けの絶対ルール – 相手と状況を見極める

使い分けの最も重要な判断基準は、「相手」と「状況」です。

  1. 相手との関係性(年齢・親しさ):
    • 自分より明らかに年上、または社会的地位が上の人: 原則として「저(チョ)」を使います。たとえ親しくなったとしても、基本的な敬意を示すために「저(チョ)」を使い続けることが多いです(相手から「나(ナ)でいいよ」と言われない限り)。
    • 同い年または年下: 基本的に「나(ナ)」を使います。ただし、初対面の場合は、相手が年下であっても最初は「저(チョ)」を使い、徐々に打ち解けてから「나(ナ)」に移行するのが無難な場合もあります。
    • 親しい年上の人(家族、恋人、非常に親しい先輩など): 関係性によっては「나(ナ)」を使うこともあります。ただし、相手との合意や、そのコミュニティでの慣習によります。
  2. 状況のフォーマルさ:
    • 公的な場面、ビジネスシーン、フォーマルな場: 相手が誰であれ、基本的に「저(チョ)」を使います。プレゼンテーション、会議、面接、顧客対応などが該当します。
    • 私的な場面、カジュアルな場: 相手との関係性に応じて「나(ナ)」または「저(チョ)」を使い分けます。友人との食事、家族との会話などは「나(ナ)」が中心になりますが、例えば友人の両親に会う場合などは「저(チョ)」を使います。

迷った時の原則: 迷ったら、まずは(チョ)」を使うのが最も安全です。「나(ナ)」を使うべき相手に「저(チョ)」を使っても失礼にはなりませんが、逆の場合は失礼にあたる可能性があるからです。会話を進める中で、相手の言葉遣いや雰囲気を見て、徐々に適切な表現に調整していくのが良いでしょう。

シーソーで「나」と「저」の使い分けを示す図解。友人側が「나」、上司側が「저」。

相手と状況に応じて「나」と「저」を使い分けるバランス感覚が大切

【要注意】失礼にならないために!使い分けミスの具体例と影響

もし使い分けを間違えると、具体的にどのような問題が起こりうるのでしょうか? いくつか例を見てみましょう。

  • 例1:アルバイトの面接で…

    面接官:「自己紹介をお願いします。」
    応募者:「는 성실하고 책임감이 강합니다! (ナヌン ソンシラゴ チェギムガミ カンハムニダ! / 俺は真面目で責任感が強いです!)」 (誤り)

    問題点: 面接というフォーマルな場で、面接官(目上)に対して「나(ナ)」を使っているため、非常に失礼で馴れ馴れしい印象を与えます。常識がない、あるいは韓国語能力が低いと判断される可能性があります。
    正しい例: 「는 성실하고 책임감이 강합니다. (チョヌン ソンシラゴ チェギムガミ カンハムニダ / わたくしは真面目で責任感が強いです。)

  • 例2:初めて会った語学学校のクラスメイト(明らかに年上)に…

    あなた:「는 일본에서 왔어. 이름이 뭐야? (ナヌン イルボネソ ワッソ. イルミ モヤ? / 私は日本から来たんだ。名前は何?)」 (誤り)

    問題点: 初対面で、しかも相手が年上である可能性が高い状況で「나(ナ)」とタメ口を使っています。相手は不快に感じるかもしれません。
    正しい例: 「는 일본에서 왔어요. 성함이 어떻게 되세요? (チョヌン イルボネソ ワッソヨ. ソンハミ オットケ ドェセヨ? / 私は日本から来ました。お名前は何とおっしゃいますか?)」 (より丁寧な表現)

  • 例3:親しい韓国人の友人に対して、いつまでも…

    友人:「今日、映画でもどう?」
    あなた:「는 오늘 약속이 있어서요… (チョヌン オヌル ヤクソギ イッソソヨ… / わたくしは今日、約束がありまして…)」 (状況によっては不自然)

    問題点: 親しい友人に対して常に「저(チョ)」を使うと、距離を置いている、よそよそしいという印象を与える可能性があります。関係性によっては「나(ナ)」を使う方が自然です。
    より自然な例: 「 오늘 약속 있는데… 미안! (ナ オヌル ヤクソク インヌンデ… ミアン! / 私、今日約束あるんだ… ごめん!)

このように、一人称の使い分けは、単なる言葉の選択ではなく、相手への敬意や関係性の表現に直結します。正しい使い分けを意識することが、韓国語でのスムーズな人間関係構築の第一歩となるのです。

最重要ポイント!助詞接続による一人称の形変化パーフェクトガイド

韓国語の一人称「나(ナ)」と「저(チョ)」は、日本語の「私」のように、それだけで文中で使われることは少なく、通常は「~は」「~が」「~の」などの助詞と一緒に使われます。そして、ここが韓国語学習者にとって一つの山場なのですが、接続する助詞によって「나/저」の形が変わったり、特別な形になったりすることがあるのです!

ここからは、主要な助詞(は、が、の、を、に、と)が「나(ナ)」と「저(チョ)」に付く際の形と、その縮約形、使い方、注意点を徹底的に解説していきます。例文も豊富に紹介するので、一つずつ確実にマスターしていきましょう。

「나」と「저」を中心に、助詞と変化形が繋がったマインドマップ風の図解

助詞が付くとこう変わる!一人称の格変化を一覧でチェック

1. 「~は」: 저는(チョヌン) / 나는(ナヌン) – 自己紹介と基本文

まず基本中の基本、「~は」を表す助詞「는(ヌン)/은(ウン)」です。「나(ナ)」と「저(チョ)」はどちらも母音で終わるため、「는(ヌン)」が付きます。

  • 저 + 는 → 저는 (チョヌン) : 「わたくしは」「私は」(丁寧)
  • 나 + 는 → 나는 (ナヌン) : 「私は」「僕は」「俺は」(カジュアル)

これらは自己紹介や、自分について何かを説明する際の基本形となります。

例文:

저는 학생입니다.
(チョヌン ハクセンイムニダ) / 私は学生です。 – 丁寧
나는 학생이야.
(ナヌン ハクセンイヤ) / 私は学生だよ。 – カジュアル
저는 매운 음식을 잘 못 먹어요.
(チョヌン メウン ウムシグル チャル モンモゴヨ) / 私は辛い食べ物があまり得意ではありません。 – 丁寧
나는 매운 거 잘 못 먹어.
(ナヌン メウンゴ チャル モンモゴ) / 僕は辛いのが苦手なんだ。 – カジュアル
저는 김 대리님께 보고서를 제출했습니다.
(チョヌン キム デリニムケ ポゴソルル チェチュレッスムニダ) / 私はキム代理に報告書を提出しました。 – ビジネス
나는 어제 친구랑 영화 봤어.
(ナヌン オジェ チングラン ヨンファ バッソ) / 私は昨日友達と映画を見たよ。 – 日常会話

縮約形「(チョン) / (ナン)」のニュアンスと会話での使われ方

日常会話では、「저는(チョヌン)」と「나는(ナヌン)」はよく縮約(短縮)されて使われます。特に話し言葉で非常に頻繁に登場します。

  • 저는 → 전 (チョン)
  • 나는 → 난 (ナン)

これらの縮約形は、元の形よりもやや colloquial (口語的) で、テンポが良い印象を与えます。ただし、丁寧さの度合いは元の形(저는/나는)と基本的には変わりません。「전(チョン)」は丁寧な場面でも、「난(ナン)」はカジュアルな場面で非常によく使われます。

例文 (縮約形):

전 괜찮아요. 먼저 드세요.
(チョン ケンチャナヨ. モンジョ トゥセヨ) / 私は大丈夫です。お先にどうぞ。 – 丁寧
난 이제 가야 돼.
(ナン イジェ カヤ デェ) / 僕はもう行かなきゃ。 – カジュアル
전 이만 실례하겠습니다.
(チョン イマン シルレハゲッスムニダ) / わたくしはこれで失礼いたします。 – フォーマルな場での退席
난 네가 좋아!
(ナン ニガ チョア!) / 俺は君が好きだ! – 親しい相手への告白
전 아직 한국어가 서툴러서 죄송합니다.
(チョン アジク ハングゴガ ソトゥルロソ チェソンハムニダ) / 私はまだ韓国語が未熟で申し訳ありません。
난 그냥 집에서 쉴래.
(ナン クニャン チベソ シルレ) / 私はただ家で休むよ。

K-POPの歌詞などでも「난(ナン)」は非常によく耳にする表現ですね。

2. 「~が」: 제가(チェガ) / 내가(ネガ) – 最も間違いやすい要注意変化!

ここが最重要ポイントであり、多くの学習者がつまずきやすい部分です。「~が」を表す助詞は「가(ガ)/이(イ)」ですが、「나(ナ)」と「저(チョ)」に付く場合は、特別な形に変化します。

  • 저 + 가 → 제가 (チェガ)저가 チョガ ではない!): 「わたくしが」「私が」(丁寧)
  • 나 + 가 → 내가 (ネガ)나가 ナガ ではない!): 「私が」「僕が」「俺が」(カジュアル)

「私がやります」「私が言いました」のように、主語を強調したり、誰がその動作をするのかを明確にしたりする際に使われます。絶対に「저가(チョガ)」や「나가(ナガ)」とは言わないように、しっかりと覚えてください!

なぜ「저가(チョガ)/나가(ナガ)」は間違い?文法的理由を易しく解説

歴史的な経緯や発音の便宜性など、理由は複雑ですが、簡単に言えば「나(私)」と「너(君/お前)」、「저(私)」と「누구(誰)」などが、主格助詞「가」が付く際に特別な形を取るという、韓国語の文法規則だからです。これは理屈で覚えるよりも、「『私が』は『제가/내가』」と、決まった形として丸ごと暗記するのが最も効果的です。

(※参考:너(ノ) + 가(ガ) → 네가(ネガ)/니가(ニガ) – 君が/お前が)

제가/내가」を使うべき具体的なシチュエーション分析

제가(チェガ)」と「내가(ネガ)」は、以下のような状況で特に使われます。

  • 誰がやったのかを明確にする時:

    「이거 누가 했어요? (イゴ ヌガ ヘッソヨ? / これ誰がやりましたか?)」

    → 「제가 했습니다. (チェガ ヘッスムニダ / 私がやりました。)」

    「이거 누가 했어? (イゴ ヌガ ヘッソ? / これ誰がやったの?)」

    → 「내가 했어. (ネガ ヘッソ / 俺がやったよ。)」
  • 自分が何かをすることを申し出る時:

    제가 도와드릴까요? (チェガ トワドゥリルカヨ? / 私がお手伝いしましょうか?)」

    내가 할게! (ネガ ハルケ! / 僕がやるよ!)」
  • 自分の意見や考えを強調する時:

    제가 보기에는 이것이 최선입니다. (チェガ ポギエヌン イゴシ チェソニムニダ / 私が見るには、これが最善です。)」

    내가 생각하기엔 좀 달라. (ネガ センガカギエン チョム タルラ / 私が思うには、ちょっと違うな。)」
  • 何かを尋ねられた時に、自分が該当する場合:

    「혹시 김민수 씨 아시는 분? (ホクシ キムミンス シ アシヌン ブン? / もしかしてキム・ミンスさんをご存知の方?)」

    → 「아, 제가 김민수입니다. (ア、チェガ キムミンスイムニダ / あ、私がキム・ミンスです。)」

豊富すぎる例文!「제가/내가」を使いこなす実践練習

さらに多くの例文で感覚を掴みましょう。

제가 먼저 연락 드리겠습니다.
(チェガ モンジョ ヨルラク トゥリゲッスムニダ) / 私から先にご連絡いたします。
그건 제가 처리하겠습니다.
(クゴン チェガ チョリハゲッスムニダ) / それは私が処理いたします。
제가 잘못했습니다. 죄송합니다.
(チェガ チャルモテッスムニダ. チェソンハムニダ) / 私が悪かったです。申し訳ありません。
제가 알기로는 그분은 오늘 휴가입니다.
(チェガ アルギロヌン クブヌン オヌル ヒュガイムニダ) / 私が知る限りでは、その方は今日休暇です。
내가 어제 너한테 전화했잖아!
(ネガ オジェ ノハンテ チョナヘッチャナ!) / 俺が昨日お前に電話したじゃん!
이 케이크, 내가 만들었어. 맛있지?
(イ ケイク, ネガ マンドゥロッソ. マシッチ?) / このケーキ、私が作ったんだ。美味しいでしょ?
걱정 마. 내가 있잖아.
(コクチョン マ. ネガ イッチャナ) / 心配しないで。僕がいるじゃないか。
뭐 먹고 싶어? 내가 사줄게.
(モ モッコ シポ? ネガ サジュルケ) / 何食べたい?私が奢るよ。

【リスニング注意】「네가(ネガ)=君が」と「내가(ネガ)=私が」の聞き分け方

韓国語学習者を悩ませるもう一つのポイントが、カジュアルな「私が」の「내가(ネガ)」と、カジュアルな「君が/お前が」の「네가(ネガ)」の発音が非常に似ている(しばしば区別なく発音される)ことです。

네가(ネガ/ニガ)」は「너(ノ) + 가(ガ)」が変化した形です。ソウルなど標準語地域では本来「네가(ネガ)」と発音しますが、「내가(ネガ)」との混同を避けるため、会話ではしばしば「니가(ニガ)」と発音されます。

  • 내가 좋아 (ネガ チョア) – 私が好き / 僕が好き
  • 네가/니가 좋아 (ネガ/ニガ チョア) – 君が好き / お前が好き

文脈で判断できる場合が多いですが、聞き取りや会話では注意が必要です。自分が「君が」と言いたい時は、混同を避けるために「니가(ニガ)」を使うのが親切かもしれません。

3. 「~の」: 저의(チョエ) / 나의(ナエ) – 所有・所属を示す表現

「~の」という所有や所属を表す助詞は「의(エ/ウィ)」です。「나(ナ)」と「저(チョ)」に付くと以下のようになります。

  • 저 + 의 → 저의 (チョエ) : 「わたくしの」「私の」(丁寧)
  • 나 + 의 → 나의 (ナエ) : 「私の」「僕の」「俺の」(カジュアル)

「私の名前」「私の家族」「私の意見」など、何かと自分を結びつける時に使います。

例文:

저의 이름은 다나카입니다.
(チョエ イルムン タナカイムニダ) / 私の名前は田中です。
이것은 저의 작은 성의입니다.
(イゴスン チョエ チャグン ソンイイムニダ) / これは私のささやかな誠意です。
저의 가족은 모두 건강합니다.
(チョエ カジョグン モドゥ コンガンハムニダ) / 私の家族は皆元気です。
나의 꿈은 세계 여행이야.
(ナエ クムン セゲ ヨヘンイヤ) / 僕の夢は世界旅行だよ。
이건 나의 책이야. 만지지 마.
(イゴン ナエ チェギヤ. マンチジ マ) / これは俺の本だ。触るな。
나의 살던 고향은 꽃피는 산골~
(ナエ サルドン コヒャンウン コッピヌン サンコル~) / 私の住んでいた故郷は花咲く山里~ – 有名な童謡の一節

日常会話の主役!縮約形「(チェ) / (ネ)」を徹底マスター

「~は」や「~を」と同様に、「~の」も会話では縮約形が圧倒的に多く使われます。これは必ず覚えましょう!

  • 저의 → 제 (チェ)
  • 나의 → 내 (ネ)

特に「제(チェ)」と「내(ネ)」は、日常会話で「저의」「나의」よりも遥かに頻繁に使われます。書き言葉や少し改まった言い方では「저의/나의」も使われますが、会話ではまず「/」を使いこなせるようになることが重要です。

例文 (縮約形):

제 가방 어디 있는지 아세요?
(チェ カバン オディ インヌンジ アセヨ?) / 私のカバンがどこにあるかご存知ですか?
제 생각은 조금 다릅니다.
(チェ センガグン チョグム タルムニダ) / 私の考えは少し違います。
제 소개를 하겠습니다.
(チェ ソゲルル ハゲッスムニダ) / 私の紹介をさせていただきます。
이분이 제 어머니입니다.
(イブニ チェ オモニイムニダ) / こちらが私の母です。
내 이름은 민준이야.
(ネ イルムン ミンジュニヤ) / 僕の名前はミンジュンだよ。
이거 내 커피 아니야?
(イゴ ネ コピ アニヤ?) / これ、私のコーヒーじゃない?
내 동생은 아직 고등학생이야.
(ネ トンセンウン アジク コドゥンハクセンイヤ) / 俺の弟はまだ高校生なんだ。
내 말 좀 들어봐!
(ネ マル チョム トゥロボァ!) / 私の話をちょっと聞いてよ!

내가(ネガ)=私が」と「내(ネ)=私の」は形が似ているので混同しないように注意しましょう。

「의(エ)」の発音、実は難しい? ネイティブに近づくコツ

助詞「의」の発音は、実は複数のパターンがあります。

  1. 単語の最初に来る場合: 原則通り「의(ウィ)」に近い発音(例:의사 (ウィサ) – 医者)
  2. 単語の2番目以降に来る場合: 「이(イ)」に近い発音(例:회의 (フェイ) – 会議)
  3. 助詞として使われる場合: 「에(エ)」と発音(例:저의 (チョエ)、나의 (ナエ))

したがって、「저의」は「チョウィ」ではなく「チョエ」、「나의」は「ナウィ」ではなく「ナエ」と発音するのが自然です。縮約形の「/」を使うことが多いですが、元の形を使う際はこの発音ルールを知っておくと良いでしょう。

4. 「~を」: 저를(チョルル) / 나를(ナルル) – 目的語としての「私」

「~を」という目的語を示す助詞は「를(ルル)/을(ウル)」です。「나(ナ)」と「저(チョ)」は母音で終わるため、「를(ルル)」が付きます。

  • 저 + 를 → 저를 (チョルル) : 「わたくしを」「私を」(丁寧)
  • 나 + 를 → 나를 (ナルル) : 「私を」「僕を」「俺を」(カジュアル)

「私を見てください」「私を助けてください」など、自分が動作の対象となる場合に使います。

例文:

저를 기억하십니까?
(チョルル キオカシムニカ?) / 私を覚えていらっしゃいますか?
저를 용서해 주십시오.
(チョルル ヨンソヘ ジュシプシオ) / 私をお許しください。
선생님께서 저를 부르셨습니다.
(ソンセンニムケソ チョルル プルショッスムニダ) / 先生が私をお呼びになりました。
나를 따라와!
(ナルル タラワ!) / 俺についてこい!
아무도 나를 이해 못 해.
(アムド ナルル イヘ モッテ) / 誰も私のことを理解してくれない。
네가 나를 어떻게 생각해?
(ニガ ナルル オットケ センガッケ?) / 君は僕をどう思う?

会話がスムーズに!縮約形「(チョル) / (ナル)」の活用法

こちらも会話では縮約形がよく使われます。

  • 저를 → 절 (チョル)
  • 나를 → 날 (ナル)

特に「날(ナル)」は歌の歌詞などで頻繁に登場しますね。「절(チョル)」も丁寧な会話で自然に使われます。

例文 (縮約形):

절 도와주셔서 감사합니다.
(チョル トワジュショソ カムサハムニダ) / 私を助けてくださりありがとうございます。
절 믿어주세요.
(チョル ミドジュセヨ) / 私を信じてください。
다음에는 절 꼭 불러 주세요.
(タウメヌン チョル コク プルロ ジュセヨ) / 次回は私を必ず呼んでください。
날 좋아한다고? 진짜?
(ナル チョアハンダゴ? チンチャ?) / 私のことが好きだって?本当?
제발 날 내버려 둬!
(チェバル ナル ネボリョ ドォ!) / どうか俺を放っておいてくれ!
오늘 날 보러 와줘서 고마워.
(オヌル ナル ポロ ワジョソ コマウォ) / 今日、私に会いに来てくれてありがとう。

5. 「~に」: 저에게(チョエゲ) / 나에게(ナエゲ) など – 対象・方向を示す重要助詞

「~に」という、動作の対象や方向を示す助詞には、主に「에게(エゲ)」「한테(ハンテ)」の二種類があります。どちらも「나(ナ)」と「저(チョ)」に付きます。

  • 저 + 에게 → 저에게 (チョエゲ) : 「わたくしに」「私に」(丁寧、書き言葉でも使う)
  • 나 + 에게 → 나에게 (ナエゲ) : 「私に」「僕に」「俺に」(カジュアル、書き言葉でも使う)
  • 저 + 한테 → 저한테 (チョハンテ) : 「わたくしに」「私に」(丁寧、主に話し言葉)
  • 나 + 한테 → 나한테 (ナハンテ) : 「私に」「僕に」「俺に」(カジュアル、主に話し言葉)

「私にください」「私に教えてください」「私にとって」などの意味で使われます。

「에게(エゲ)」と「한테(ハンテ)」の違いを完全理解

「에게(エゲ)」と「한테(ハンテ)」はどちらも人や動物(活動体)に対して「~に」という意味で使われますが、ニュアンスと使われる場面が少し異なります。

  • 에게 (エゲ):
    • 比較的フォーマルなニュアンス。
    • 書き言葉でも話し言葉でも使われる。
    • 丁寧な場面や文章で好まれる傾向がある。
  • 한테 (ハンテ):
    • 比較的カジュアルなニュアンス。
    • 主に話し言葉で使われる。(書き言葉ではあまり使われない)
    • 日常会話で非常に頻繁に使われる。

丁寧な相手に話す場合でも、会話では「저한테(チョハンテ)」がよく使われます。「저에게(チョエゲ)」は少し硬い印象を与えることもあります。一方、カジュアルな相手には「나한테(ナハンテ)」が非常に一般的です。「나에게(ナエゲ)」も使われますが、少し詩的・文学的な響きを持つこともあります。

省略形「제게(チェゲ) / 내게(ネゲ)」はいつ使う?

「에게(エゲ)」が付く場合も、縮約形が存在します。

  • 저에게 → 제게 (チェゲ)
  • 나에게 → 내게 (ネゲ)

これらは「저에게/나에게」と同様に、比較的フォーマルな場面や書き言葉で使われることがあります。「한테(ハンテ)」には通常、縮約形はありません。

「私にください」「私に教えて」「私にとって」…에게/한테使い分け例文集

例文で使い分けの感覚を掴みましょう。

저에게 기회를 주시면 감사하겠습니다.
(チョエゲ キフェルル チュシミョン カムサハゲッスムニダ) / 私に機会をいただければ幸いです。 – 에게, フォーマル
궁금한 점이 있으면 저한테 물어보세요.
(クングマン チョミ イッスミョン チョハンテ ムロボセヨ) / 気になる点があれば私に聞いてください。 – 한테, 丁寧な会話
이 선물은 제게 너무 과분합니다.
(イ ソンムルン チェゲ ノム クァブンハムニダ) / このプレゼントは私にはもったいないです。 – 제게, 丁寧/やや硬い
저한테는 조금 어려운 문제입니다.
(チョハンテヌン チョグム オリョウン ムンジェイムニダ) / 私にとっては少し難しい問題です。 – 한테 + 는 (強調)
나에게 힘이 되어줘서 고마워.
(ナエゲ ヒミ トェオジョソ コマウォ) / 私にとって力になってくれてありがとう。 – 에게, カジュアル/やや詩的
무슨 일 있으면 나한테 바로 연락해!
(ムスン イル イッスミョン ナハンテ パロ ヨルラッケ!) / 何かあったら僕にすぐ連絡して! – 한테, カジュアルな会話
내게 거짓말하지 마.
(ネゲ コジンマルハジ マ) / 俺に嘘をつくな。 – 내게, カジュアル/命令
친구가 나한테 이걸 줬어.
(チングガ ナハンテ イゴル チョッソ) / 友達が私にこれをくれたんだ。 – 한테, 日常会話

6. 「~と」: 저하고(チョハゴ) / 나하고(ナハゴ) など – 一緒に・並べて示す表現

最後に、「~と」を表す助詞です。これには複数の種類があり、それぞれニュアンスが異なります。

  1. 하고 (ハゴ):
    • 話し言葉で最も一般的に使われる。
    • 書き言葉でも使われるが、やや口語的な印象。
    • 丁寧さの度合いは中立的。
    • 저 + 하고 → 저하고 (チョハゴ)
    • 나 + 하고 → 나하고 (ナハゴ)
  2. 와 (ワ) / 과 (クァ):
    • 比較的フォーマルで、書き言葉でよく使われる。
    • 前の名詞が母音で終わる場合は「와(ワ)」、子音で終わる場合は「과(クァ)」が付く。
    • / は母音終わりなので「와(ワ)」が付く。
    • 저 + 와 → 저와 (チョワ)
    • 나 + 와 → 나와 (ナワ)
  3. 랑 (ラン) / 이랑 (イラン):
    • カジュアル話し言葉で非常によく使われる。
    • 前の名詞が母音で終わる場合は「랑(ラン)」、子音で終わる場合は「이랑(イラン)」が付く。
    • / は母音終わりなので「랑(ラン)」が付く。
    • 저 + 랑 → 저랑 (チョラン)
    • 나 + 랑 → 나랑 (ナラン)

「하고/와(과)/랑(이랑)」のニュアンスの違いと使い分けマップ

助詞 丁寧/フォーマル度 主な使用場面 付いた形 (나/저)
하고 (ハゴ) 話し言葉 (頻繁), 書き言葉 (可) 나하고 / 저하고
와/과 (ワ/クァ) 書き言葉 (頻繁), フォーマルな話し言葉 나와 / 저와
랑/이랑 (ラン/イラン) カジュアルな話し言葉 (頻繁) 나랑 / 저랑

会話では「하고」と「랑/이랑」が圧倒的に多く使われます。「저랑(チョラン)」は丁寧な相手との会話でも非常によく使われる柔らかい表現です。「저하고(チョハゴ)」も丁寧な会話で使われます。「나하고(ナハゴ)」や「나랑(ナラン)」は友人や親しい人との会話で使います。「와/과」は、ニュース記事や論文、公的なスピーチなどでよく見られます。

「私と一緒に」「私とあなた」「コーヒーと私」…多様な「~と」例文解説

例文で違いを確認しましょう。

저하고 같이 가시겠어요?
(チョハゴ カチ カシゲッソヨ?) / 私と一緒に行かれますか? – 하고, 丁寧な会話
저와 같은 생각을 하시는군요.
(チョワ カトゥン センガグル ハシヌングニョ) / 私と同じ考えをお持ちなのですね。 – 와, ややフォーマル/書き言葉的
저랑 잠깐 이야기 좀 하실 수 있을까요?
(チョラン チャムカン イヤギ チョム ハシル ス イッスルカヨ?) / 私と少しお話しいただけますでしょうか? – 랑, 丁寧で柔らかい会話
저하고 부장님만 회의에 참석했습니다.
(チョハゴ プジャンニムマン フェイエ チャムソケッスムニダ) / 私と部長だけが会議に出席しました。
나하고 같이 영화 볼래?
(ナハゴ カチ ヨンファ ボルレ?) / 僕と一緒に映画見ない? – 하고, カジュアルな会話
나와 너, 우리의 이야기.
(ナワ ノ, ウリエ イヤギ) / 私と君、私たちの物語。 – 와, 詩的/文学的
나랑 사귈래?
(ナラン サグィルレ?) / 俺と付き合わない? – 랑, カジュアルな会話 (告白など)
점심 나랑 같이 먹자!
(チョムシム ナラン カチ モクチャ!) / 昼ごはん、私と一緒に食べようよ! – 랑, 日常会話

これで主要な助詞との接続パターンは網羅できました! 最初は覚えることが多くて大変かもしれませんが、例文を通して繰り返し練習することで、自然と身についていきます。

【状況別】もう迷わない!「/」使い分け実践トレーニング

理屈は分かっても、実際の会話で瞬時に判断するのは難しいものです。ここでは、具体的なシチュエーションを想定して、「나(ナ)」と「저(チョ)」のどちらを使うべきか、そしてどのような表現が適切かをトレーニングしてみましょう。

シーン1:アルバイト初日!店長や先輩への挨拶

  • 相手: 店長(明らかに年上、上司)、先輩アルバイト(年上)
  • 状況: 初めての挨拶、仕事の説明を受ける
  • 使うべき一人称: 저 (チョ)
  • 使うべき助詞との形: 저는(チョヌン), 제가(チェガ), 저의/제(チョエ/チェ), 저를/절(チョルル/チョル), 저에게/저한테(チョエゲ/チョハンテ), 저하고/저랑(チョハゴ/チョラン)

挨拶例:
「안녕하세요! 오늘부터 아르바이트하게 된 타나카 유키라고 합니다. 는 일본에서 왔고, 아직 한국어가 부족하지만 열심히 하겠습니다. 모르는 것이 많으니 제가 실수하면 꼭 알려주세요. 앞으로 잘 부탁드립니다!」
(アンニョンハセヨ! オヌルブト アルバイトハゲ ドェン タナカ ユキラゴ ハムニダ. チョヌン イルボネソ ワッコ, アジク ハングゴガ プジョカジマン ヨルシミ ハゲッスムニダ. モルヌン ゴシ マヌニ チェガ シルスハミョン コク アルリョジュセヨ. アプロ チャル プタットゥリムニダ!)
「こんにちは!今日からアルバイトさせていただくことになった田中由紀と申します。私は日本から来ました。まだ韓国語が未熟ですが一生懸命頑張ります。分からないことが多いので、私が間違えたらぜひ教えてください。これからよろしくお願いいたします!」

シーン2:韓国人の友達ができた!カフェでの会話

  • 相手: 新しくできた同い年の韓国人の友達
  • 状況: カフェでお互いのことを話している
  • 使うべき一人称: 나 (ナ) (相手と合意の上でタメ口を使う場合)
  • 使うべき助詞との形: 나는/난(ナヌン/ナン), 내가(ネガ), 나의/내(ナエ/ネ), 나를/날(ナルル/ナル), 나에게/나한테(ナエゲ/ナハンテ), 나하고/나랑(ナハゴ/ナラン)

会話例:
友人A:「유키는 취미가 뭐야? (ユキヌン チミガ モヤ? / 由紀は趣味は何?)」
あなた:「? K팝 듣는 거 좋아해. 특히 BTS! 너는?」
(ナ? ナン ケイパプ トゥンヌン ゴ チョアヘ. トゥキ BTS! ノヌン?)
「私?私はK-POP聴くのが好きだよ。特にBTS!君は?」
友人A:「진짜? 나도 BTS 완전 좋아하는데! 최애는 누구야? (チンチャ? ナド BTS ワンジョン チョアハヌンデ! チェエヌン ヌグヤ? / 本当?私もBTSめっちゃ好きなんだ!推しは誰?)」
あなた:「 최애는 정국! 내가 왜 좋아하는지 알려줄까?」
(ネ チェエヌン ジョングク! ネガ ウェ チョアハヌンジ アルリョジュルカ?)
「私の推しはジョングク!私がなぜ好きなのか教えてあげようか?」

(※初対面に近い場合や、相手がまだ敬語を使っている場合は、こちらも「저(チョ)」を使うのが無難です。)

シーン3:取引先とのオンライン会議での自己紹介

  • 相手: 取引先の担当者(年齢・役職不明または上)
  • 状況: オンライン会議の冒頭での自己紹介
  • 使うべき一人称: 저 (チョ)
  • 使うべき助詞との形: ほぼ「저는(チョヌン)」が中心。「제가(チェガ)」「저의/제(チョエ/チェ)」も使う可能性あり。

自己紹介例:
「안녕하십니까? ABC사의 다나카입니다. 는 이번 프로젝트의 담당자입니다. 오늘 회의에서는 제가 먼저 저희 회사의 제안에 대해 설명드리겠습니다. 잘 부탁드립니다.」
(アンニョンハシムニカ? ABCサエ タナカイムニダ. チョヌン イボン プロጀクトゥエ タムダンジャイムニダ. オヌル フェイエソヌン チェガ モンジョ チョヒ フェサエ チェアネ テヘ ソルミョンドゥリゲッスムニダ. チャル プタットゥリムニダ.)
「こんにちは。ABC社の田中です。私は今回のプロジェクトの担当者です。本日の会議では、私がまず弊社の提案についてご説明いたします。よろしくお願いいたします。」

シーン4:SNSでのコメントやメッセージ

  • 相手: フォローしているアイドル、親しい友人、知らない人など様々
  • 状況: アイドルの投稿へのコメント、友人へのDM、公開コメントなど
  • 使うべき一人称: 状況と相手による
    • アイドルや公人へのコメント: 基本的に 저 (チョ) を使うのが無難。「저는 팬이에요!(チョヌン ペニエヨ! / 私はファンです!)」
    • 親しい友人へのDMやコメント: 나 (ナ) を使う。「 이거 봤어! ㅋㅋ (ナ イゴ バッソ! ㅋㅋ / 私これ見たよ!笑)」
    • 知らない人への公開コメント(丁寧な場合): 저 (チョ) を使う。「저도 그렇게 생각해요. (チョド クロッケ センガッケヨ / 私もそう思います。)」
    • 知らない人への公開コメント(カジュアルな場合/匿名性が高い場合): 나 (ナ) を使う人もいるが、丁寧さを欠くと受け取られる可能性も。「 반대인데 (ナン パンデインデ / 俺は反対だけど)」

SNSでは相手が見えないことも多いため、特に不特定多数が見る場では、丁寧な言葉遣いを心がけるのが一般的です。

シーン5:道に迷った!現地の人に尋ねる時

  • 相手: 道行く見知らぬ人(年齢不明)
  • 状況: 地図を見ながら困っている、道を尋ねたい
  • 使うべき一人称: 저 (チョ)
  • 使うべき助詞との形: 제가(チェガ)が中心。「저(チョ)」自体を使うことは少ないかも。

尋ね方例:
「저기요, 말씀 좀 묻겠습니다. 제가 지금 길을 잃어서 그런데요, 혹시 이 근처에 있는 OO역으로 가려면 어떻게 가야 하나요?」
(チョギヨ, マル씀 チョム ムッケッスムニダ. チェガ チグム キルル イロソ クロン데요, ホクシ イ クンチョエ インヌン OOヨグロ カリョミョン オットケ カヤ ハナヨ?)
「すみません、ちょっとお尋ねします。私が今道に迷ってしまったのですが、もしかしてこの近くにある〇〇駅へ行くにはどう行けばいいでしょうか?」

このように、様々な状況をシミュレーションしてみることで、適切な一人称を選ぶ感覚が養われます。

K-POP・韓ドラから学ぶ!生きた「/」の使い方実例集

教科書だけでは学べない、リアルな韓国語に触れるには、K-POPや韓国ドラマが最高の教材になります。特に一人称の使い方は、歌詞やセリフの中にたくさん登場し、そのニュアンスを感じ取る絶好の機会です。

BTS、BLACKPINK…人気アイドルの歌詞に見る「나/내/난」表現

K-POPの歌詞では、恋愛や自己表現、友情などをテーマにしたものが多く、親しい間柄で使われる「나(ナ)」「내(ネ)」「난(ナン)」が頻繁に登場します。

  • 例1 (BTS – Dynamite): “Cause I-I-I’m in the stars tonight / So watch me bring the fire and set the night alight”

    歌詞自体は英語ですが、彼らが自分たちのことを語る歌では、韓国語なら「 오늘 밤 별들 속에 있어 / 그러니 내가 불을 붙여 밤을 밝히는 걸 지켜봐」のように「난/내가」が使われるでしょう。
  • 例2 (BLACKPINK – Lovesick Girls): “We are the lovesick girls / 멋대로 사랑을 끝낼 순 없어” (ニ モッテロ ネ サランウル クンネル スン オプソ / あなたの맘通りに私の愛を終わらせることはできない)

    ここでは「내 사랑 (ネ サラン / 私の愛)」という形で「내(ネ)」が使われています。
  • 例3 (IU – Palette): “I got this, I’m truly fine / 이제 조금 알 것 같아 ” (イジェ チョグム アル ゴッ カタ ナル / もう少し分かりそう 私を)

    ここでは「날 (ナル / 私を)」という縮約形が使われています。

好きな曲の歌詞を和訳と照らし合わせながら、「나/내/난/날」がどのように使われているかを探してみると、楽しく学習できます。

「愛の不時着」「梨泰院クラス」…名作ドラマのセリフから学ぶ「저/제/제가

韓国ドラマでは、様々な人間関係が描かれるため、「나(ナ)」と「저(チョ)」の両方の使い方が学べます。特に、社会的地位の違いや初対面のシーン、ビジネスシーンなどでは「저(チョ)」「제(チェ)」「제가(チェガ)」が重要な役割を果たします。

  • 例1 (愛の不時着): 北朝鮮の将校リ・ジョンヒョクが、韓国から来たユン・セリに対して(最初は警戒しつつも丁寧)、あるいは部下に対して話す場面と、セリが会社の代表として話す場面など、立場による使い分けが見られます。

    セリが会社で:「 의견은 다릅니다. (チェ ウィギョヌン タルムニダ / 私の意見は違います。)」
  • 例2 (梨泰院クラス): 主人公パク・セロイが、宿敵である長家(チャンガ)の会長に対して話す時や、自分の店「タン밤」の従業員に対して話す時の言葉遣いの違いに注目です。

    セロイが会長に:「제가 원하는 것은… (チェガ ウォナヌン ゴスン… / 私が望むことは…)」

ドラマのキャラクターの年齢、社会的地位、関係性の変化に注目しながら、一人称の使い分けを観察すると、より深く理解できます。

韓国バラエティから盗む!自然な一人称の使い分けテクニック

台本が少ないとされる韓国のバラエティ番組は、より自然な日常会話に近い言葉遣いを学ぶのに最適です。出演者同士の年齢や親しさによって、「나(ナ)」と「저(チョ)」が目まぐるしく使い分けられる様子が見られます。

  • 年下のアイドルが、大先輩のMCに対しては常に「저(チョ)」を使う。
  • 同年代の親しいメンバー同士では「나(ナ)」を使う。
  • ゲームなどで真剣になったり、感情的になったりすると、つい「나(ナ)」が出てしまう。
  • ゲストとして登場した俳優が、最初は「저(チョ)」で話していたが、MCと打ち解けて「나(ナ)」を使い始める。

このようなリアルな言葉遣いに触れることで、テキストだけでは分からない微妙なニュアンスや、関係性による言葉の変化を肌で感じることができます。

まとめ:今日から自信を持って使える!韓国語一人称マスターの道

今回は、韓国語の一人称「나(ナ)」と「저(チョ)」について、その基本的な意味から、助詞との接続による複雑な変化、そして実践的な使い分けまで、徹底的に解説してきました。

重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 韓国語の一人称の基本は「나(ナ)」(カジュアル)「저(チョ)」(丁寧)の2つ。
  • 使い分けは相手との関係性(年齢・親しさ)状況のフォーマルさで判断する。迷ったら「저(チョ)」が無難。
  • 助詞が付くと形が変わることがある。特に「~が」は「내가(ネガ)/제가(チェガ)」となる点に最注意!
  • 縮約形(/, /, /, 내게/제게, 나랑/저랑 など)は会話で非常に頻繁に使われるのでマスター必須。
  • 「~に」には「에게/한테」、「~と」には「하고/와(과)/랑(이랑)」があり、ニュアンスが異なる。
  • K-POPやドラマ、バラエティは生きた使い方を学ぶ最高の教材。

最初は難しく感じるかもしれませんが、韓国語のコミュニケーションにおいて、一人称の正しい使い分けは避けて通れない道です。今日学んだ知識を基に、実際の会話やコンテンツに触れる中で意識的に使い分けを練習していけば、必ず自然に身についていきます。

自信を持って「저는…」「나는…」「제가…」「내가…」と言えるようになれば、あなたの韓国語はさらにレベルアップし、韓国の人々とのコミュニケーションもよりスムーズで豊かなものになるでしょう。

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Q&A:韓国語一人称に関するよくある質問

Q1: 男性が「(ナ)」を使うのは普通ですか? 日本語の「僕」「俺」のような区別は?
A1: はい、普通です。韓国語の「나(ナ)」と「저(チョ)」は性別に関係なく使われます。男性も女性も、親しい相手には「나(ナ)」、丁寧な場面では「저(チョ)」を使います。日本語のような性別による一人称の区別は基本的にありません。
Q2: 年上の友人には「(ナ)」と「(チョ)」、どちらを使うべきですか?
A2: 関係性の深さによります。知り合って間もない場合や、相手が常に敬語を使っている場合は「저(チョ)」を使うのが無難です。しかし、非常に親しくなり、お互いにタメ口(반말 / パンマル)で話すようになった場合は、「나(ナ)」を使うこともあります。相手の言葉遣いや、「편하게 말 놓으세요 (ピョナゲ マル ノウセヨ / 気軽にタメ口で話してください)」のような言葉があったかどうかが判断基準になります。
Q3: 「내가(ネガ)」と「네가(ネガ/ニガ)」の発音が聞き分けられません。
A3: これは多くの学習者が苦労する点です。文脈で判断するのが基本ですが、会話では「君が/お前が」の意味で「니가(ニガ)」と発音されることが多いです。自分が話す際には、混同を避けるために「니가(ニガ)」を使うことを意識するのも良いでしょう。
Q4: 縮約形(, , など)は失礼にあたりますか?
A4: いいえ、縮約形自体が失礼なわけではありません。「저는」の縮約形「」や、「저의」の縮約形「」などは、丁寧な会話でもごく普通に使われます。同様に、「나는」の縮約形「」もカジュアルな会話では非常に一般的です。元の形(저는/나는など)よりも少し口語的な響きになりますが、丁寧さのレベルは基本的に維持されます。重要なのは、縮約形を使うかどうかではなく、「」系列を使うか「」系列を使うかの選択です。
Q5: いつも「(チョ)」を使っていれば問題ないですか?
A5: 失礼にはなりませんが、状況によっては不自然に聞こえる可能性があります。特に親しい友人や家族に対して常に「저(チョ)」を使うと、距離を置いている、よそよそしいという印象を与えかねません。相手との関係性に応じて、「나(ナ)」も適切に使えるようになるのが理想的です。

この記事が、あなたの韓国語学習の一助となれば幸いです!

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ソヨン (서연) この記事を書いた人

講師歴20年超、ソウル出身のネイティブスピーカー。延世大学卒業後、明治大学で学ぶ。大阪朱友外語学院、アイザック外国語学校、龍谷大学外国語文化センター等での豊富な講師経験に加え、同時通訳経験も有する。
ネイティブならではの綺麗な標準語の発音指導。初級からビジネス、通訳レベルまで、学習者のレベルと目標に合わせた体系的かつ実践的なレッスン構築。
長年の指導経験に基づき、多くの学習者を目標達成(試験合格、流暢な会話力習得など)に導く。「使える」韓国語を確実に習得させる指導力に定評がある。