韓国で店員さんを呼ぶコツ:韓国人風の「이모」の使い方とその魅力を学ぼう!

  1. 韓国歴史・文化

韓国で店員さんを呼ぶ際には様々な表現方法があり、今回は韓国人風の呼び方「이모」の使い方とその魅力について詳しく解説します。

一般的な呼び方や会話例も交えながら、韓国でスムーズかつ自然なコミュニケーションが取れるように学びましょう。

韓国で店員さんを呼ぶコツ:韓国人風の「이모」の使い方とその魅力を学ぼう!

韓国で店員を呼ぶ一般的な方法

韓国にも「おもてなし」の文化はありますが、日本ほど丁寧で繊細な感じではありません。

日本では相手との距離を適切に保ちつつも、丁寧で節度のある態度が重視されています。一方韓国では、美味しく良い気持ちで食事をするには、店員さんとお客さんがどれだけ親しくできるかがポイントになることもあるのです。

日本でお洋服を買いに行ったりご飯を食べに行ったり、どんなお店でも店員さんを呼びたいとき、一般的には“すみませ~ん”といいますよね。店内で物を探している際や食事を注文したいときなど、何かしら店員のサポートが必要な場面でよく使われるでしょう。

この言葉は丁寧な表現であり、相手に対する敬意を示しながら、自分の要望を伝える手段としても機能しています。

저기요~(チョギヨ~)

これを韓国語で言うと“저기요~(チョギヨ~)”になります。“저기요”はお店で店員さんを呼ぶときだけでなく、街なかで人に声を掛ける時や、電車やエレベーターで間を通りたい時にもよく使われる表現です。

何らかの理由で見知らぬ人に声をかける時に使うという点で共通しています。そして、“저기요”の“”をとって“저기”と言うと、「あの〜」というニュアンスになります。

여기요~(ヨギヨ~)

この他にも“여기요~(ヨギヨ~)”という呼び方もあります。これは「여기 보세요 (ヨギ ポセヨ)」の省略形で、「こっちを見てください」という意味の言葉です。

저기요”も“여기요”もかなり似ている言葉ですが、微妙にニュアンスの異なる違う言葉です。“저기요”と言って店員さんがどこかを探しているときに、“여기요”と言って「ここにいる」ということを示すようなイメージで覚えておきましょう。

これらの表現はかなり多くの韓国人が実際に使っており、旅行に行った時にも食堂や道で使われるのを聞くことができるでしょう。耳を澄ませて、それぞれどんなときに使われているか聞き取れると、実践的な学習になりますよ。

韓国料理レストランで、空の皿が置かれたテーブルを背景に、クリップボードを持った人がメモ帳に書き込み、別の人がメニューを見ている。

会話

では、最も韓国人っぽく店員さんを呼びたいときにはどんな表現を使えばいいのでしょうか。会話の例を見てみましょう。

【냉면집 冷麺屋さん】

점원 아주머니 : 어서오세요~(オソオセヨ~)

店員のおばさん : いらっしゃいませ~

아영 : 민지야, 뭐 먹을래?(ミンジヤ、モ モグルレ?)

ミンジちゃん、何食べる?

민지 : 난 물냉!(ナン ムルネン)

私は水冷麺!

아영 : 그래, 그럼 난 비냉 먹어야지~(グレ、クロム ナン ビネン モゴヤジ~)

オッケー、 じゃあ、私はビビン冷麺食べよ~

이모~ 여기 물냉 하나랑 비냉 하나요~(イモ~ ヨギ ムルネン ハナラン ビネン ハナヨ~)

おばさん~、水冷麺一つとビビン冷麺一つください~

점원 아주머니 : 네~(ネ~)

は~い

韓国人っぽく店員さんを呼ぶ方法

韓国人っぽく店員さんを呼ぶ方法にはいくつか種類があります。それぞれどんな意味があってどのように使われるのか、詳しく解説していきます。

親戚の叔母さん

上で紹介した会話では、アヨンとミンジの二人が暑い夏を迎えて冷麺を食べに食堂に来ていますね。ここで注目してもらいたいのはアヨンが冷麺屋のおばさんを呼んだ時の呼び方です。

이모(イモ)とは、血のつながっている親戚のおばさん、その中でも自分のお母さんの女兄弟を示す言葉になります。

でも、冷麺屋のおばさんはアヨンと親戚関係ではないはずです。どうしてアヨンは店員さんをそう呼んだのでしょう。これは韓国の食堂などでよく見られる光景です。

日本とは異なり、韓国では呼び方によって家族のような関係性を築くことができます。“저기요”と呼んだ時には比較的堅い関係が感じられますが、韓国人風の呼び方「이모」や「언니」を使うと、お互いに家族のような感覚で接し、親しみを示すことができるのです。

食堂だけでなく、友人の家に遊びに行った際に友人のお母さんを「이모」と呼ぶこともできます。

イモとオンニ、アジュンマ

韓国では、店員さんが40代のお母さんくらいの方である場合は이모(イモ)と呼んだり、自分と同じか年下である場合は언니(オンニ)と呼んだり、場合や見た目の年齢によって使い分けることが一般的です。

日本人の感覚であれば「失礼にならないか」と不安になってしまうかもしれません。しかし、逆にそうすることで店員さんとお客さんの距離をぐっと縮めることができるのです。

呼ばれた店員さんも気分を悪くしたりすることなく、それまでよりももっと親しく接してくれます。おかずを少し多めにくださいねと愛嬌を混ぜたり、もうちょっと安く値切ってもらったりすることだってできるかもしれませんよ。

아줌마(アジュンマ)

イモやオンニの他に、아줌마(アジュンマ)という呼び方もあります。

아줌마は日本語で「おばさん」という意味の言葉です。日本語で「おばさん」と一口に言っても、親戚のおばさんだったり、近所のおばさんだったり、その人との関係性は色々ですよね。しかし韓国語の아줌마は、親族のおばさんを呼ぶときには使われません。

日本語では、両親の女兄弟や男兄弟の妻にあたる人を「伯母さん/叔母さん」と呼びますが、韓国語では、親族のおばさんの場合には아줌마とは別の呼び方があります。それぞれの呼び方は、日本語に比べて少しややこしいので、それはまた別の機会に説明したいと思います。

아줌마も近所のおばさんや知り合いのおばさん、友達のお母さんや食堂の店員さんを呼ぶときにも結構使われます。

韓国では「結婚しているかどうか、子供がいるかどうか」という点を基準に아줌마を使うかどうかを判断することがあります。そのため、たとえ20代でも아줌마と呼ぶことがあるようです。

韓国ドラマのなかでも아줌마と呼ばれた女性が「まだ아줌마じゃないわよ!!」と怒るシーンもあるようですよ。

白いシャツとエプロンを着た女性が、「おかえりなさい」や「営業中」と書かれた看板が掲げられた、歓迎の雰囲気を醸し出す韓国風カフェの入り口の前で腕を組んで立っている。

呼び方で家族の距離に

저기요~(チョギヨ~)”と呼んだ時には固く感じるお互いの関係が、お客さんの一言で、まるで本当の家族のようになれるといえます。これは他の国よりも他人との距離が近く、そして家族をとても大事にする、韓国人の特徴がよく出ている表現なのかもしれません。

お客さんが家族を呼ぶ時と同じ呼び名で店員さんを呼ぶことで、店員さんもお客さんのことを自分の家族のように思うことができ、お客さんの言う通りにしてあげたくなっちゃうんです。とっても温かい文化ですよね。

イモとコモ

韓国語の親戚の呼び名は日本よりも数多くありますが、その中でおばさんを呼ぶ方法は二つあります。先ほど紹介した이모(イモ)ともう一つは고모(コモ)です。

どれも自分の親の女兄弟を示していて、이모(イモ)はお母さんの女兄弟、고모(コモ)はお父さんの女兄弟、という違いがあります。ちょっとややこしいですよね。

私は今まで見た中では、ほとんどが이모(イモ)と呼んでいて、고모(コモ)と呼ぶ人は見たことがありません。

サジャンニム

これまで女性の店員を呼ぶときの方法をご紹介しましたが、男性にも使える表現はないのでしょうか。実は意外な呼び方があり、それは사장님(サジャンニム、社長)です。

「店員のその人が社長なのかなんてわからないのでは?」と思うかもしれません。しかし、その使い方は日本の「社長」とは少し異なります。

韓国では、사장님は一般的に会社や組織のリーダーや経営者、あるいは店のオーナーなど、ある程度の地位や権限を持つ方に対して使われます。

相手に対する尊敬や丁重な態度を示すために、ごくごく一般的に使われる言葉です。その時間帯に店を回していて、かつ年上そうな人がいたら、사장님と呼んで問題ないでしょう。

使い方の例を紹介しましょう。

【삼겹살집 サムギョプサル屋さん】

점원 아저씨 : 어서오세요~(オソオセヨ~)

店員のおじさん : いらっしゃいませ~

아영 : 민지야, 우리 삼겹살 몇인분 먹을 수 있을까??(ミンジヤ、ウリ サムギョプサル ミョディンブン モグル ス イッスルッカ?)

ミンジちゃん、私たちサムギョプサル何人前食べられるかな?

민지 :  3인분은 무조건 먹을 수 있을 것 같아. 꼭 식후에는 냉면이 먹고 싶어!(3インブヌン ムジョッコン モグル ス イッスル ゴ ガッタ. コッ シクフエヌン ネンミョニ モッゴ シッポ!)

3人前は絶対に食べられると思う。絶対食後には冷麺が食べたい!

아영 : 그래, 그럼 주문할게~(グレ、クロム チュムンハルッケ~)

オッケー、 じゃあ、注文するね~

사장님~ 여기 삼겹살 3인분 주세요~(イモ~ ヨギ サムギョプサル 3インブン チュセヨ~)

社長、サムギョプサル3人前ください~

점원 아저씨 : 네~(ネ~)

は~い

黄色い背景に、中に黒い感嘆符が入った白い吹き出しが表示され、韓国のデザインの影響が感じられます。

韓国の食堂・レストランでの注意点

店員の呼び方の他にも、日本と韓国の食堂やレストランで異なる文化が多くあります。

【カトラリー入れ】

韓国の食堂に行くと、店員さんがスプーンやお箸をくれない時があります。だからといって、卓上にあるわけでもない。「声をかけないといけないのかな?」と戸惑う方も多いはずです。

そんな時は、まずは食卓の横に引き出しがあるかを確認してみましょう。引き出しの中には、スプーンやお箸、ティッシュなどが入っているはずです。

一昔前は「수저통」という、スプーンとお箸を入れる筒が置いてありましたが、現在はほとんどの韓国の食堂で、横に引き出しがついている食卓を導入しています。

【無料のおかず】

韓国の食堂やレストランで料理が出てくると「あれ?これ頼んだ覚えがないです!」となったことはありませんか?しかもその出てくるスピードの早いこと。注文をする前からどんどんおかずが出てくる場合もあるかもしれません。

日本ではおかず一品一品を自分で頼む必要がありますが、韓国では基本的におかずがいくつも無料で出てくるのが一般的です。

何も知らないまま初めて韓国旅行に行ったら「お通しがこんなに出てきて、一体いくら請求されるの?」と心配にもなりますが、韓国では基本的にお通しという概念はありませんので、ご安心を。

日本ではメイン料理として出てくる「찌개(チゲ)」や「(チヂミ)」などが無料のおかずとして出てくる場合もあるので、なんだかちょっと得した気分になるかもしれません。

【お店の休憩時間】

飲食店によっては「브레이크타임(break time)」と言って、お店の休み時間がある場合があります。店舗やお店によって異なりますが、大体3時から5時までの間が大半だそう。

この「브레이크타임」には、従業員たちがお昼ご飯を済ませたり、夜の営業時間に必要な材料を買い出しに行ったりします。

お店に入店自体できない場合がほとんどですが、アットホームな食堂だと「브레이크타임」であっても、入れてくれる場合があります。

急ぎの場合は一度「지금 식사 돼요?(今、食事できますか?)」「지금 영업해요?(今、営業していますか?)」などと尋ねてみるのも良いでしょう。

まとめ

韓国での店員さんの呼び方を例と一緒に学びました。一般的な方法や韓国人風の呼び方「이모」の使い方についても詳しく解説しましたが、それ以外の呼び方もあるのでぜひ一緒に覚えてみてくださいね。

日本では店員がどんな人なのかによって呼び方を変えることがほとんどなく、ただ「すみません」と呼ぶことが多いと思います。日本と韓国のそれらの違いには、お客さんと店員との距離感の捉え方が関係していたんですね。

日本とは異なる文化や習慣に触れながら、韓国語学習をより楽しく効果的に進めてください。日本とは異なる表現方法や親しみやすい呼び方「이모」の使い方をマスターし、韓国で滞在中や観光中でも円滑な会話を楽しめるようにしましょう。

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