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皆さん、こんにちは。どの言語でも様々な感情を端的に表す言葉があります。韓国語だとまさに「アイゴー」が端的に様々な感情を表してくれる感嘆詞です。今回は、この「アイゴー」について学んでみましょう。
『アイゴー』って何?韓国の日常会話で使える感嘆詞
韓国語の아이고(アイゴー)の意味
아이고(アイゴー)は、韓国語においてよく使われる言葉の一つです。様々な場面で多様な意味を持ち、感情を表す言葉として用いられる表現で、主に日常会話の中でよく使われます。
日本語に直訳することば極めて難しいのですが、強いて言えば「なんと」「え~」「まぁ」の意味に近いといえます。
この아이고(アイゴー)は、驚いた時・がっかりした時・悲しい時・辛い時によく使われます。
아이고(アイゴー)の由来と本来の使い方
아이고(アイゴー)の明確な由来は知られていません。知られているのは、아이고(アイゴー)は漢字語ではなく、純粋な韓国語として昔から使われていたことです。
아이고(アイゴー)は、元々泣き声としてよく使われた言葉です。特に葬式が終わり埋葬地まで棺を運ぶ際に、棺運びの先頭に立つ人が悲しみながら「아이고(アイゴー)、아이고(アイゴー)」と声を出して泣きくときに使う言葉でした。
そんな아이고(アイゴー)ですが、現在の韓国では悲しい時だけではなく、驚いた時・辛い時など様々な場面で使える言葉になりました。
아이고(アイゴー)の類似語と違い
ここでは아이고(アイゴー)の意味に類似している言葉と、それぞれの違いについて紹介していきます。
아이구(アイグ)
아이고(アイゴー)の末尾が変形した感嘆詞で、아이고(アイゴー)と同じ意味を持ちます。日本語に訳すと「なんと」、「え~」、「まぁ」という意味です。
어머나(オモナ)
主に女性が使う感嘆詞の一つです。日本語に訳すと「あら」「あらま」という意味です。
맙소사(マッソサ)
唖然とした時やとても驚いた時に使う感嘆詞です。日本語に訳すと「なんと」という意味です。
어휴(オヒュ)
ため息の擬音語です。日本語に訳すと「はぁ」という意味に近いですね。
【韓国語会話事例】
それでは、아이고(アイゴー)、어머나(オモナ)、어휴(オヒュ)などを使った韓国語会話事例をいくつか見ていきましょう。
딸: 엄마, 선생님이 교통사고 당하셨다는데 들었어?
娘:母さん、先生が交通事故に遭ったって聞いた?
엄마: 아이고, 그 분 나이도 많으신 데 그게 무슨 일이라니.
母さん:あらま、あの方ってもう年寄りなのになんて災難なのかしら。
딸: 내일 전화라도 드릴까 해.
明日電話でもしてみようかなと思うんだ。
민지: 어제 새 핸드폰 샀어. 이거 봐!
昨日、新しい携帯電話を買ったんだ。これ見て!
하연: 어머나, 너무 예쁘다! 부럽다~
あらま、本当可愛いね!羨ましい~
민지: 고마워, 이번에는 오랫동안 잘 써야지.
ありがとう、今後はちゃんと長く使わないとね。
선생님: 어제 말했던 준비물은 잘 챙겨왔니?
先生:昨日お伝えした準備物はちゃんと持ってきたの?
학생: 아이구, 깜빡했어요! 죄송해요!
生徒:えっ、うっかりしました!すみません!
선생님: 에휴, 또 깜빡하고 안가져왔니?
はぁ、またうっかりして持って来なかったの?
민영: 과장님이랑 팀장, 둘이 사귄다더라.
課長とチームリーダー、二人付き合っているみたいだよ。
형준: 맙소사, 믿을 수가 없군. 그게 정말이야?
なんと、信じられないな。それって本当なの?
민영: 맞아. 앞에서는 맨날 싸우더니 알고 보니 사귄다더라.
そう。人の前では毎日口げんかしていたくせに本当は付き合っているらしい。
아이고(アイゴー)で分かる韓国人の感情表現
아이고(アイゴー)は本来、棺運びの時に人が亡くなったことを悲しみながら声を出して泣くときに使う感嘆詞です。
「声を出して泣く」ということがポイントで、悲しくて아이고(アイゴー)と言う時は悲しみを我慢せずできるだけ大声で泣きます。
もちろん人が亡くなるということはとても悲しいことです。日本の葬式でもその悲しみに耐えられず泣いてしまうことがたくさんありますよね。
【悲しみは思い切り吐き出す】
日本人の場合は、悲しい気持ちが我慢できずどうしてもにじみ出てしまうのに近いのですが、韓国人の場合はあえて大きな声を出して泣くということに違いがあります。
人が亡くなった悲しみを我慢するより、葬式の3日間ずっと声を出して泣き続けるのが葬式での遺族の役割でもあります。いっそのこと涙が出なくなるまで泣き続け、葬式が終わる同時に亡くなった人は心に埋めて、生きている人は生き続けていくという考え方なのです。
これは韓国の葬式だけではなく日常生活においても同じで、悲しい時や辛い時・怒った時にはその感情を隠さずむしろ出し切ることが多いです。
みなさんは韓国ドラマや映画・韓国からのニュースを見て「韓国人は感情を包み隠さない」と感じる瞬間はありませんでしたか。
韓国の芸能人が自分の家庭環境の話を話しながら号泣したり、ドラマや映画の中で不幸な事故に遭った時に大声を出して泣いたり、怒鳴るシーンをよく見ます。
このように良くない感情を出し切り、その後は心に埋めるというのは、日本とは違う韓国特有の文化といっても過言ではないです。
韓国の若者たちは아이고(アイゴー)を使わない
아이고(アイゴー)という言葉は確かに韓国で広く使われている感嘆詞ですが、実は若い世代ではあまり使われない言葉になっています。아이고(アイゴー)は年配の人、主におばさんやお婆さんがよく使う言葉というイメージがあります。
若い世代は아이고(アイゴー)よりは아이구(アイグ)をよく使っています。아이구(アイグ)の原型は아이고(アイゴー)なのですが、아이고(アイゴー)の語尾がソウル方言化し、고(ゴ)が구(グ)に変わりました。
これがテレビなどを通じて全国に広まることになり、今は若い世代の中では全国的に使われています。この아이구(アイグ)をもっと縮めた에구(エグ)も、よく使われます。
아이고(アイゴー)の反対語として使われる感嘆詞
아이고(アイゴー)は悲しい時や辛い時などに使う言葉ですので、基本ポジティブな場面では使われません。それではポジティブな場面、楽しい時や嬉しい時はどんな感嘆詞を使うのでしょうか。
ここでは아이고(アイゴー)の反対語として用いられる感嘆詞をご紹介します。
앗싸(アッサ)
日本語に訳すと「やった!」に該当する言葉です。すごく嬉しい時によく使われます。
으쌰으쌰(ウシャウシャ)
日本語に訳すと「よいしょよいしょ」、または「頑張る」に該当する言葉です。何かをコツコツと頑張る様を表す言葉です。
아자아자(アジャアジャ)
日本語の「よっしゃ」「よし」に近い意味を持つ言葉です。気合を入れる時によく使う言葉です。
영차영차(ヨンチャヨンチャ)
こちらも日本語に訳すと「よいしょよいしょ」に該当する言葉です。綱引きのときの掛け声としてよく使われます。
【韓国語会話事例】
それでは、앗싸(アッサ)、으쌰으쌰(ウシャウシャ)、아자아자(アジャアジャ)などを使った韓国語会話事例をいくつか見ていきましょう。
준하: 시험 본거 같이 답 맞춰보자.
テストのやつ一緒に答え合わせしてみよう。
윤지: 그래. 여기 내 시험지 보면 돼. 나 이번 시험 100점이었거든.
分かった。これ私のテスト用紙見ればいいよ。私今回のテスト100点だったんだ。
준하: 앗싸! 나도 너랑 답이 똑같네. 나도 100점이야!
やった!僕も君と同じ回答だったよ。僕も100点だ!
진주: 나 이번에 공무원 시험에서 떨어졌어. 너무 속상해.
私、今回の公務員試験落ちてしまった。とても悔しい。
연지: 괜찮아. 너라면 다음 번 시험에선 꼭 붙을 거야! 같이 으쌰으쌰하자!
大丈夫。あなたなら次の試験で必ず受けるはずよ!一緒に頑張ろう!
진주: 고마워, 다음 시험에선 같이 합격하자.
ありがとう、次の試験では一緒に合格しよう。
아들: 그럼, 면접 보고 올게요!
息子:それでは、面接行ってきます。
아버지: 그래, 너라면 잘 할 거라고 믿는다.
お父さん:分かった、お前ならうまくできると信じてるよ。
아들: 감사합니다. 아버지.
ありがとうございます。お父さん。
아버지: 아자아자, 파이팅!
よし、ファイト!
윤기: (줄다리기를 하며) 영차영차, 좀 만 더 당겨봐!
(綱渡りをしながら)よいしょよいしょ、もうちょっと引っ張ってみて!
민아: 다들 조금만 더 힘내자! 영차영차!
みんなもうちょっと頑張ろう!よいしょよいしょ!
윤기: 조금만 더 하면 된다! 아자아자!
あともう少しだ!よいしょよいしょ!
韓国語のその他の感嘆詞
韓国語にも日本語のように会話中に間が空いてしまった時や感心した時に使う感嘆詞があります。ここでは番外編として会話中に有効活用できる感嘆詞をご紹介します。
저…(ジョ…), 저기… (ジョギ…)
日本語に訳すと「あの…、えっと…」に該当する言葉です。会話中、言葉に詰まってしまった時や間が空いた時によく使います。日本語の「あの…」と使い方が同じなので、他の人に声を掛ける時にも使います。
그…(グ…), 그게… (クゲ…)
日本語に訳すと「その…」に該当する言葉です。この言葉も会話中、言葉に詰まってしまった時や間が空いた時によく使います。日本語の「その…」と使い方が同じなので、上記の「저…, 저기…」のように会話中、言葉に詰まってしまった時や間が空いた時によく使います。
우와!(ウワ!)
日本語の「わーい」に近い意味を持ち、何か嬉しい時やすごいものを見た時によく使われる言葉です。
이야~(イヤ~)
日本語の「素晴らしい」という意味を持つ感嘆詞です。日本語でいう「いや」だとネガティブな表現ですが、韓国語だと이야~(イヤ~)と末尾を伸ばすことで「わお」「素晴らしい」という意味を持つ感嘆詞になります。
【韓国語会話事例】
それでは、上記で紹介した感嘆詞を使った韓国語会話事例をいくつか見ていきましょう。
희주: 저.. 이야기 좀 할 수 있을까?
あの…ちょっと話せるかしら?
영하: 응? 무슨 이야기?
うん?何の話?
희주: 그게… 진영이한테 이 편지 좀 전해줄래?
その…ちょっとジンヨンにこの手紙を渡してくれる?
신지: 저것 좀 봐 봐! 정말 예쁘다!
ちょっとあれみて!とてもきれいだよ!
준연: 이야~ 진짜 멋진 불꽃이네!
わお、本当素晴らしい花火だな!
신지: 우와! 정말 커다란 불꽃이다!
わーい!本当に大きな花火だね!
아연: 어제 갔던 카페 말이야, 그… 이름이 뭐였더라?
昨日行ったカフェって、あの…名前なんだっけ?
형진: 어제 갔던 곳은 오설록이라는 이름이야.
昨日行ったところはオソロックって名前だよ。
아연: 맞다! 고마워!
そうだった!ありがとう!
韓国語で感嘆詞を使う時の注意点
それではこれまで紹介してきた感嘆詞を使う時の注意点についてお伝えします。
それぞれの感嘆詞には嬉しい感情や悲しい感情など、それぞれの言葉が意味している感情表現があります。使おうとする感嘆詞が持っている感情をしっかり覚え、時と場面に合った言葉を使うことが大切です。
例えば悲しい時、어머나(オモナ)を使うのは不適切だったりします。このようにそれぞれの用法をしっかり理解し、正しく使いましょう。
その他に注意しなければならないのは、感嘆詞をビジネスの場で頻繁に使わないことです。韓国語の感嘆詞のほとんどが感情表現を目的とする言葉であるため、ビジネスの場で頻繁に使ってしまうと信頼を失う恐れもあります。
まとめ
ここまで韓国語の感嘆詞について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
このような感嘆詞は感情を表現するために適切に使っていくと、日頃の会話がより豊かになります。もちろんビジネスシーンではNGだったり、間違った表現を使ってしまい誤解される可能性もなくはないですが、それでも躊躇わず韓国語会話の中で積極的に取り入れていきましょう。
特に아이고(アイゴー)のような韓国特有の感嘆詞を有効に使うと、相手の韓国人もあなたにより親近感を覚えるかもしれません。ぜひ今回ご紹介した韓国語の表現を積極的に活用してみてください。
それでは、みなさんの韓国語学習の役に立つことを祈っております。
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韓国語の「アイゴー」とは?韓国人っぽい感情表現と使い方を解説
こちらの記事では、「アイゴー」の使い方やそのニュアンス、類似の表現との違いについて解説しています。日常生活での具体的な会話例を通して、アイゴーの使用方法を学べます。