韓国語で家族を呼ぶ方法:お父さん・お母さんの呼び方と文化

  1. 韓国語単語・意味

日本では家族の呼び方にバリエーションがあります。「お母さん」「おふくろ」「かあちゃん」などでしょうか。同じように韓国にも両親の呼称がいくつかあります。

韓国ドラマに馴染み深い方には当たり前のこととして身についているかもしれません。

韓国語で家族を呼ぶ方法:お父さん・お母さんの呼び方と文化

韓国の家族に関する文化の紹介

韓国の家族に関する文化には、伝統的な価値観や現代の変化を通じた豊かな特徴があります。日本に似たものも、逆に全く異なるものもあるのが面白いですよ。早速日本の場合と比べてみましょう。

尊敬と孝行(효도)

韓国において子どもたちは、両親や祖父母を尊敬し、親孝行をすることが日本よりも特に重要視されます。これは「효도」と呼ばれる概念であり、家族の結びつきを強める要素とされています。

特に行事のシーンでの親孝行の意味は日本と比べると大きく異なり、嫁姑問題が生まれるイベントの一つともなっています。

家族の一体感

韓国の家族は、単なる個々のメンバーの集まり以上のものとして捉えられています。家族はお互いに支え合い、共に喜びや悲しみを分かち合う一体感を重視します。これは日本よりも中国に近い考え方といえるでしょう。

祝祭と行事

韓国では、家族が集まる祝祭や行事が重要な役割を果たします。特に、旧正月(설날)や秋夕(추석)といった伝統的な行事では、遠く離れている家族が帰郷し、家族の絆を再確認する機会となります。

「尊敬と孝行」にて紹介した孝行が発揮される場面の一つでもあり、男女によって苦労が異なるのも特徴です。

男女の役割

伝統的な韓国文化では、男女の役割が明確に分かれていることがあります。代表的なものに、秋夕の食事の準備があります。決まって女性がするもので、何世代もの特に長男の嫁がこの仕事にあたります。

香りの良いお餅のソンピョンや様々な野菜と組み合わせて作るジョン(チヂミ)、ごま油の香りが香ばしいチャプチェや日本でも馴染みのあるプルコギなど、豪勢な料理が並びます。

食事と共有

韓国の家族は食事を通じて団結感を作り上げます。一緒に食卓を囲み、料理を分かち合いながら家族の絆を深める習慣があります。

ドラマを見ていると、時々姑が手作りのおかずやキムチをタッパーに入れて、息子夫婦に差し入れをするシーンを見ることもあるでしょう。ごく一般的なことで、家族によるお裾分けの文化がより浸透していることの表れです。

親が子どものスプーンにおかずをたくさん載せてあげるシーンも多いと思います。「많이 먹고(マニモゴ)」といって、たくさんのご飯を食べさせるのが親の努めでもあるんですね。

家族のために努力する文化

韓国の文化では、個人の成功や幸福だけでなく、家族全体のために努力する姿勢が重要視されます。子どもたちは教育や将来の成功を通じて家族に誇りをもたらすことを期待され、家族のために頑張る姿勢が一般的です。古くからの連帯感を重んじる文化が今でも根強く残っているのです。

ご紹介したこれらの要素が韓国の家族に関する文化の一部を形成しています。ただし上記でも説明したように、韓国社会も変化しており、伝統と現代のバランスを取りながら家族の価値観が進化していることに留意することも大切です。

また家族によって付き合いや親密度にも濃淡がありますので、この通りではないことも心に留めておきましょう。

韓国でソファに座りながら息子をおんぶしている男性。

韓国語での「お父さん」の呼び方

韓国でのお父さんの呼び方には、メジャーなものだと아버지(アボジ)、아빠(アッパ)、아버님(アボニム)といったものがあり、ドラマにもよく登場しますので聞いたことがある方がほとんどでしょう。

正式な呼び方: 아버지(アボジ)

아버지は韓国語で「父」や「お父さん」といった意味の言葉です。一般的には子どもたちが自分の親のうち、男性の親を指すために使用される言葉です。家族の一員として、父親は子育てや指導、保護などさまざまな役割を果たす重要な存在です。

この言葉は社会的および文化的な文脈によって、さまざまなニュアンスや感情を表現することができます。日本語の「お父さん」「親父」といった呼び方に似たニュアンスで使われますので、難しくはないでしょう。

親しみやすい呼び方: 아빠(アッパ)

아빠」は韓国語で「お父さん」や「パパ」といった意味の言葉です。子どもたちが男性の親を指す際によく使われます。

親しい関係を持つ場面で使用されることが多く、愛情や親しみを込めて呼ぶことが一般的です。日本語と同じ「お父さん」や「パパ」といった呼び方に似たニュアンスで使われます。

使い分けと文化的背景

韓国では年長者に対して敬意を示すことが重要とされています。そのため、親や祖父母など年上の家族に対しても適切な尊敬語や敬称を使用することが一般的です。

それを重んじた結果、「아빠」という砕けた表現以外に、特に公共の場やフォーマルな状況では「아버지」という言葉をよく使う風習が残っているのです。

아버지는 매일 아침 일찍 일어나셔서 일을 하십니다.

父は毎朝早く起きて仕事をされています。

아버지께서는 항상 저에게 조언을 해주십니다.

お父さんはいつも私にアドバイスをくれます。

아빠! 이번 주말에 같이 축구 보러 가자!

お父さん!今週末一緒にサッカーを見に行こうよ!

아빠랑 엄마가 항상 행복했으면 좋겠다.

お父さんとお母さんがいつも幸せならいいな。

2人の女性がキッチンで一緒に韓国料理を準備しています。

韓国語での「お母さん」の呼び方

韓国語での「お母さん」の呼び方には엄마 (オンマ)や어머니 (オモニ)、어머님(オモニム)などといったものがあります。場合によって使い分けを行いますので、覚えていきましょう。

正式な呼び方: 어머니(オモニ)

より正式な表現で、公式な場面や目上の人物との会話など、敬意を示す場面で使われることが多いです。フォーマルな印象を与えるため、文章や演説などでよく用いられます。

親しみやすい呼び方: 엄마(オンマ)

엄마」は日常的な会話や、家庭内でのコミュニケーションでよく使用されます。子どもたちが自分の母親に呼びかける際に使用されることが一般的です。

親しい友人間の会話でも「엄마」はカジュアルな言葉として使用され、友人たちがお互いの家庭の話題を共有する際などに使われることがあります。

엄마」は比較的カジュアルな表現であり、フォーマルな場面や敬意を示す場面に比べて、親しい関係性を強調する際に使用されます。

総じて「엄마」は親子関係や親しいコミュニケーションの中で、愛情や親子の絆を表現するためによく使用される言葉です。

使い分けと文化的背景

一般的でカジュアルな言い方な家庭内や友人との会話では「엄마」。よりフォーマルで敬意を表したり、公式な場面や目上の人物との会話では「어머니」を使います。

日本語とニュアンスが似ているので、使い分けに困ることはあまりないかもしれませんが「어머니」の方を使うシーンが少ないので忘れないようにしましょう。

어머니의 노력으로 우리 가족은 항상 행복한 시간을 보냈습니다.

お母さまの努力のおかげで、私たちの家族はいつも幸せな時間を過ごしました。

이번 행사에 어머니께서도 참석하시어 많은 분들에게 감동을 주셨습니다.

今回のイベントにもお母さまが参加されて、多くの方々に感動を与えました。

엄마, 먹을까요?

お母さん、何を食べましょうか?

엄마, 고마워요. 항상 저를 지켜주셔서 감사해요.

お母さん、ありがとうございます。いつも私を守ってくださって感謝しています。

韓国で年配の男性と一緒にソファに座る人々のグループ。

実際の会話例で学ぶ

お父さんとお母さんの呼び方をいくつかご紹介しました。頭ではわかっていても、実際の使われるシーンがわからないと、実際にどう呼んだらいいのか迷ってしまいそうです。

実際の会話の中でどのように使われるのか、いくつかのシチュエーション別に学習していきましょう。

【家族で】

:안녕하세요! 엄마, 아빠, 이번 주말에 가족 모두 함께 식사하러 가실 생각 있으신가요?

おはよう!ママ、パパ、今週末家族みんなで食事に行くのはどうですか?

:네, 좋은 생각이네. 그럼 할머니랑 할아버지에게도 연락해봐야겠어. 그리고 형이랑 동생한테도 연락해두는 게 좋을 것 같아.

はい、いい考えね。 では、おばあちゃんとおじいちゃんにも連絡してみよう。 そして兄と弟にも連絡しておいたほうが良さそう。

:그래요. 할머니랑 할아버지도 오시면, 가족 모두가 함께할 수 있겠네. 할아버지는 항상 재미있는 이야기를 해주시고, 할머니는 맛있는 과자를 가지고 오셔서, 분명 모두가 기뻐하실 거예요.

そうね。おばあちゃんとおじいちゃんもいらっしゃれば、家族みんなで一緒にいられるね。おじいちゃんはいつも面白い話をしてくれて、祖母はおいしいお菓子を持ってきてくれて、きっとみんな喜んでくれるでしょう。

【会社で】

:아버지랑 어머니는 어디에 살고 계신가요?

お父さんとお母さんはどちらに住んでいらっしゃるんですか?

:지금은 대구에 강아지와 함께 살고 있습니다. 제가 집을 나와서도 둘이서 사이좋게 살고 계세요.

今は大邱に犬と一緒に住んでいます。私が家を出てからも二人で仲良く住んでいらっしゃいますよ。

:아주 좋은 곳이네요. 이번 여름에는 만나러 가나요?

とても良いところですね。この夏は会いに帰るんですか?

:네, 그럴 예정입니다.

はい、そうする予定です。

お父さん・お母さんのその他の呼び方

これまで紹介したもの以外に、両親の呼び方も存在します。

부모님(プモニム)

부모님」(プモニム)は、韓国語で「お父さん・お母さん」や「両親」という意味を持つ敬意を込めた呼び方です。これは両親に対する尊敬と感謝を示すために使用されます。

부모님은 건강하신가요?

お父さん・お母さんは健康ですか?

부모님께서는 어떻게 지내시나요?

お父さん・お母さんはどうお過ごしですか?

韓国の両親の日:어버이날(オボイナル)

韓国の両親の日は、毎年5月8日に祝われます。この日は両親への感謝の意を表現し、親子の絆を深める機会とされています。両親への感謝の気持ちを表現し、家族と一緒に過ごす特別な日です。

韓国では両親の日は祝日とされており、学校や企業が休業となることが多いです。この日を通じて、家族が一緒に過ごす時間を大切にする機会が提供されているのです。

子どもたちは両親への感謝を込めて、贈り物をすることが一般的です。花や手作りのカード、アクセサリー、家庭用品など、様々なアイテムが贈られます。親に対する感謝の言葉を伝える手紙も人気です。日本と似たような文化ですね。

一緒に住んでいる場合や少し離れて住んでいる場合でも、家族が集まって一緒に食事をすることが多く、特に母親が休む日とされているため、家族が母親を労いながら食事を共にします。レストランやカフェで特別なメニューが提供されることもあります。

家族で公園へ行ったり、家で一緒に過ごす時間を大切にしたりする家族も多いです。家族みんなで楽しい時間を過ごすことで、親子の絆を深めることができます。

両親の日は韓国の家族文化において、親子の絆と感謝の気持ちを大切にする日となっており、日本の母の日や父の日よりも重要なイベントとして位置づけられています。

子どもたちは両親に対する感謝の意を表現し、家族全体が幸せなひとときを共有することで、愛情を深める機会とされています。

まとめ

韓国における「お父さん」「お母さん」の呼び方を学習しましたが、いかがでしたでしょうか。日本よりも両親への尊敬の意や、感謝の意味を込めた呼び方であることがわかりましたよね。

両親の日は特別なイベントとして家族で過ごすことも、日本とは少し違う部分かもしれません。

現代の家族はかつてほどかしこまらず、友達のような関係性であることも多いですが、家族の連帯感はいつになっても失われずに残るでしょう。

百聞は一見にしかず。みなさんも、韓国に行ったら家族の姿を見て日本と比べてみてはいかがでしょうか。ドラマでは誇張して表現されており、日本と韓国で大きく違うようにも見えますが、実際はどのような違いがあるのか確認してみてください。

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