韓国語の学習を進める中で、「どれでもいいよ」「何でも大丈夫!」といった、選択肢の広さや許容範囲を示す表現を使いたい場面がありますよね。以前「아무 ~(이)나」(どんな~でも)という表現を学びましたが、今回はそれに似た、しかしニュアンスの異なる重要な文法「~(이)든지」(~でも)に焦点を当てます。
この「~(이)든지」は、疑問詞(何、いつ、どこ、誰など)と結びつくことで「何でも」「いつでも」「どこでも」「誰でも」といった意味を表し、非常に便利な表現です。この記事では、「~(이)든지」の基本的な使い方から、様々な疑問詞との組み合わせ、さらには類似表現「아무 ~(이)나」との違いまで、豊富な例文とともに徹底的に解説していきます。最後まで読めば、「~(이)든지」を自由自在に使いこなせるようになるはずです!
【例文豊富】韓国語「~(이)든지」完全マスター!何でも・いつでも・どこでも自由自在

目次
「~(이)든지」の基本的な意味と使い方
「~(이)든지」は、主に名詞や疑問詞の後ろに付き、「~でも」「~であろうと」という意味を表します。提示された選択肢の中からどれを選んでも構わない、あるいは全ての選択肢を含む、といったニュアンスを持ちます。特に疑問詞と結びつくことで、「全て」や「無選択」を強調する働きをします。
名詞 + (이)든지 の接続方法
名詞に接続する場合、その名詞の最後の文字にパッチムがあるかないかで形が変わります。
- 最後の文字にパッチムがある名詞 + 이든지 (例: 책 → 책이든지)
- 最後の文字にパッチムがない名詞 (母音で終わる名詞) + 든지 (例: 커피 → 커피든지)
また、「~(이)든지」は会話などで「~(이)든」と省略されることも非常に多いです。意味は同じなので、どちらの形も覚えておきましょう。
커피든지 주스든지 아무거나 주세요. (커피든 주스든)
コーヒーでもジュースでも、何でもください。
받침 있는 명사이든지 없는 명사이든지 규칙은 같아요. (명사이든 없는 명사든)
パッチムのある名詞であろうとない名詞であろうと、規則は同じです。
疑問詞別「~(이)든지」の詳細解説
ここからは、「~(이)든지」が様々な疑問詞と結びついた場合の具体的な意味と使い方を、例文を交えて詳しく見ていきましょう。
무슨/어떤/어느 名詞+(이)든지「何の/どんな/どの~でも」
「무슨」(何の)、「어떤」(どんな)、「어느」(どの)といった連体詞の後ろに名詞を置き、「~(이)든지」を付ける形です。「何の~でも」「どんな~でも」「どの~でも」という意味になります。これも名詞のパッチムの有無で「이든지」か「든지」かが決まります。
무슨 일이든지 열심히 하겠습니다. (무슨 일이든)
どんな仕事でも頑張ります。
어떤 선물이든지 다 좋아할 거예요. (어떤 선물이든)
どんなプレゼントでも、きっと喜びますよ。
어느 나라 사람이든지 환영합니다. (어느 나라 사람이든)
どの国の人でも歓迎します。
무엇이든지/뭐든지(何でも)
事柄や物について尋ねる疑問詞「무엇」(何)に「~(이)든지」が付くと「무엇이든지」(何でも)となります。これはパッチムがあるので「이든지」が付きますね。話し言葉では、これを縮約した「뭐든지」が非常によく使われます。「뭐」は「무엇」の縮約形です。
궁금한 것이 있으면 무엇이든지/뭐든지 물어보세요.
気になることがあれば、何でも聞いてください。
A: 뭐 먹을래?
B: 난 뭐든지 괜찮아.A: 何食べる?
B: 僕は(私は)何でも大丈夫だよ。한국 음식이면 뭐든지 좋아요.
韓国料理なら何でもいいです。
언제든지(いつでも)
時を尋ねる疑問詞「언제」(いつ)に「~(이)든지」が付くと「언제든지」(いつでも)になります。「언제」は母音で終わるので「든지」が付きます。これも会話で「언제든」と省略可能です。
지수:내일 전화해도 돼요?
明日電話してもいいですか?
승연:네, 언제든지/언제든 괜찮아요.
はい、いつでも大丈夫ですよ。
민준 : 도움이 필요하면 말해 주세요.
手伝いが必要なら言ってください。
서연 : 고마워요. 언제든지 부탁할게요.
ありがとうございます。いつでもお願いしますね。

어디든지(どこでも)
場所を尋ねる疑問詞「어디」(どこ)に「~(이)든지」が付くと「어디든지」(どこでも)になります。「어디」も母音終わりなので「든지」が付きます。省略形は「어디든」です。
A: 어디로 갈까요?
B: 저는 어디든지/어디든 좋아요.A: どこに行きましょうか?
B: 私はどこでもいいですよ。인터넷만 있으면 어디든지 일할 수 있어요.
インターネットさえあれば、どこでも仕事ができます。
그녀는 어디든지 혼자 여행을 잘 다녀요.
彼女はどこへでも一人で旅行によく行きます。
누구든지(誰でも)
人について尋ねる疑問詞「누구」(誰)に「~(이)든지」が付くと「누구든지」(誰でも)になります。「누구」も母音終わりなので「든지」が付き、省略形は「누구든」です。
이 설명서를 읽으면 누구든지/누구든 쉽게 할 수 있어요.
この説明書を読めば、誰でも簡単にできます。
관심 있는 사람이라면 누구든지 참가할 수 있습니다.
関心のある人なら誰でも参加できます。
이 문제는 누구든 풀기 어려울 거예요.
この問題は誰でも解くのが難しいでしょう。
人に関しては、「어떤 사람이든지」(どんな人でも)や、前回の記事で学んだ「아무나」(誰でも)も使えますが、ニュアンスが少し異なります。「누구든지」は「例外なく全ての人」というニュアンスが強いです。違いについては後ほど詳しく説明します。
어떻게든지(どうにかしてでも、何とかして)
方法や状態について尋ねる副詞「어떻게」(どのように)に「~(이)든지」が付くと「어떻게든지」(どのようにしてでも、どうにかこうにか)という意味になります。これは通常、省略せずに使われることが多いです。手段や方法を選ばない、という強い意志を表すことがあります。
어떻게든지 그 문제를 해결해야 해요.
何とかしてその問題を解決しなければなりません。
시간이 없지만 어떻게든지 해 볼게요.
時間がないけど、どうにかやってみます。
그는 어떻게든지 성공하고 싶어 했어요.
彼は何としてでも成功したがっていました。

얼마든지(いくらでも)
数量や程度、価格を尋ねる疑問詞「얼마」(いくら)に「~(이)든지」が付くと「얼마든지」(いくらでも)という意味になります。量や程度に制限がないことを表します。省略形は「얼마든」です。
부족하면 얼마든지/얼마든 더 가져가세요.
足りなければ、いくらでももっと持って行ってください。
케이크가 많이 있으니까 얼마든지 먹어도 돼요.
ケーキがたくさんあるから、いくらでも食べていいですよ。
궁금한 점은 얼마든지 질문하세요.
気になる点はいくらでも質問してください。
몇 助数詞+(이)든지「何~でも」
数を尋ねる連体詞「몇」(何~)の後ろに助数詞(~個、~冊、~人など)を置き、「~(이)든지」を付けると「何(助数詞)でも」という意味になります。助数詞のパッチムの有無で接続が変わります。
책은 몇 권이든지 빌려 가세요. (몇 권이든)
本は何冊でも借りていってください。(권: 冊 – パッチムあり)
사진은 몇 장이든지 찍어도 괜찮아요. (몇 장이든)
写真は何枚でも撮って大丈夫ですよ。(장: 枚 – パッチムあり)
사람은 몇 명이든지 올 수 있어요. (몇 명이든)
人は何人でも来られますよ。(명: 名 – パッチムあり)
맥주는 몇 잔이든지 무료입니다. (몇 잔이든)
ビールは何杯でも無料です。(잔: 杯 – パッチムあり)
【応用編】動詞・形容詞の語幹 + -든지
「~(이)든지」は名詞や疑問詞だけでなく、動詞や形容詞の語幹にも接続することができます。この場合は「-든지」の形で付き、パッチムの有無に関係なく接続します。「~しようが~しまいが」「~くても~くなくても」のように、対立する状況や選択肢のどちらであっても構わない、あるいはどちらの結果になっても変わらない、といった意味を表します。
- 動詞の語幹 + 든지 (例: 가다 → 가든지, 먹다 → 먹든지)
- 形容詞の語幹 + 든지 (例: 예쁘다 → 예쁘든지, 좋다 → 좋든지)
特に「-든지 말든지」(~しようがしまいが、~してもしなくても)の形でよく使われます。
네가 오든지 말든지 나는 갈 거야.
君が来ようが来まいが、私は行くよ。
비가 오든지 눈이 오든지 경기는 계속될 겁니다.
雨が降ろうと雪が降ろうと、試合は続行されるでしょう。
그 사람이 좋든지 싫든지 같이 일해야 해요.
その人が好きだろうと嫌いだろうと、一緒に働かなければなりません。
【応用編】選択肢を示す「A든지 B든지」
「~(이)든지」を二つ以上並べて使うと、「AでもBでも」「AであろうとBであろうと」のように、複数の選択肢の中からどれを選んでも良い、あるいはどちらの状況でも構わないという意味を表します。名詞、動詞、形容詞のいずれにも接続できます。
밥이든지 빵이든지 아침은 꼭 먹어요.
ご飯であろうとパンであろうと、朝食は必ず食べます。
전화하든지 문자를 보내든지 연락 주세요.
電話するなりメールを送るなり、連絡ください。
덥든지 춥든지 매일 산책을 해요.
暑くても寒くても、毎日散歩をします。

「~(이)든지」と「아무 ~(이)나」の違いを徹底解説
さて、ここで多くの学習者が混同しやすい「~(이)든지」と「아무 ~(이)나」の違いについて、詳しく見ていきましょう。どちらも「~でも」と訳せることがありますが、ニュアンスが異なります。
「아무 ~(이)나」のニュアンス
「아무 ~(이)나」は、「たくさんある選択肢の中から、どれか一つを特に区別なく選ぶ」というニュアンスが強いです。「特にこだわりはない」「どれでも構わない」という気持ちを表します。
- 아무거나 주세요. (何でも(特定せずどれか一つ)ください。)
- 아무 때나 괜찮아요. (いつでも(特定の時間にこだわらず)大丈夫です。)
- 아무나 들어올 수 없어요. (誰でも(不特定多数の人が)入ることはできません。) ※否定文でよく使われる
「~(이)든지」のニュアンス
一方、「~(이)든지」は、「提示された選択肢のすべてを含む、あるいはどれを選んでも許容する」というニュアンスです。「例外なく」「どんな種類のものでも」という包括的な意味合いが強くなります。
- 뭐든지 물어보세요. (何でも(どんな質問でも例外なく)聞いてください。)
- 언제든지 연락 주세요. (いつでも(どんな時間帯でも都合の良い時に)連絡ください。)
- 누구든지 환영합니다. (誰でも(どんな人でも例外なく)歓迎します。)
使い分けのポイントと比較例文
ポイント:「아무 ~(이)나」は不特定の一つ、「~(이)든지」は全ての選択肢を含む、あるいは選択肢の区別をしない、と考えると分かりやすいでしょう。
例1:飲み物を選ぶとき
A: 뭐 마실래요? 커피? 주스? (何飲みますか?コーヒー?ジュース?)
B-1: 아무거나 괜찮아요. (どれでも(特にこだわりなく一つ)大丈夫です。)
B-2: 커피든지 주스든지 다 좋아요. / 뭐든지 좋아요. (コーヒーでもジュースでも(どちらの種類でも)いいです。/何でも(種類を問わず)いいです。)
例2:質問を受け付けるとき
(선생님) 뭐든지 질문하세요. ((どんな内容でも)何でも質問してください。) – 先生が生徒に言う場合。どんな質問も受け付けるという包括的なニュアンス。
(친구에게) 아무거나 물어봐. ((特に内容を決めずに)何か聞いてみて。) – 友達同士で気軽に言う場合。特定の質問ではなく、何か一つ、というニュアンス。
このように、似ているようで微妙なニュアンスの違いがあります。文脈に合わせて使い分けることが大切です。
「~(이)든지」を使った応用表現・会話例
最後に、実際の会話の中で「~(이)든지」がどのように使われるか、もう少し見てみましょう。
会話例1:週末の予定
A: 주말에 뭐 할까요? 영화 볼까요? 쇼핑 갈까요? (週末何をしましょうか?映画を見ますか?ショッピングに行きますか?)
B: 저는 영화든지 쇼핑이든지 다 좋아요. 아니면 집에서 쉬든지요. (私は映画でもショッピングでもどちらでもいいですよ。あるいは家で休むとかでも。)
A: 그럼 날씨 좋으면 나가고, 비 오면 집에서 영화나 봐요. (じゃあ天気が良ければ出かけて、雨が降ったら家で映画でも見ましょう。)
B: 네, 언제든지 맞춰 드릴게요. (はい、いつでも合わせますよ。)
会話例2:困っている友人へ
A: 요즘 힘든 일이 많아서 고민이야… (最近大変なことが多くて悩みだよ…)
B: 무슨 일이든지 나한테 말해봐. 들어줄게. (どんなことでも私に話してみて。聞いてあげるから。)
A: 고마워. 언제든지 너한테는 솔직하게 말할 수 있어. (ありがとう。いつでも君には正直に話せるよ。)
B: 응, 어떻게든지 같이 해결 방법을 찾아보자. (うん、何とかして一緒に解決方法を探してみよう。)
まとめ
今回の記事では、「~(이)든지」(~でも)という韓国語の重要な表現について、基本的な使い方から疑問詞との組み合わせ、動詞・形容詞への接続、類似表現「아무 ~(이)나」との違いまで、詳しく解説しました。
「~(이)든지」は、選択肢の広さや許容、包括的な意味合いを表すのに非常に便利な表現です。特に疑問詞と組み合わせることで、「何でも」「いつでも」「どこでも」「誰でも」「いくらでも」といった、日常会話やニュース、様々な場面で頻繁に使われるフレーズを作ることができます。
「아무 ~(이)나」とのニュアンスの違いを意識し、様々な例文を通して使い方に慣れていくことが重要です。難しく考えすぎず、まずは「뭐든지 좋아요」(何でもいいです)、「언제든지 괜찮아요」(いつでも大丈夫です)といった簡単なフレーズから、自信を持ってどんどん使ってみてくださいね!