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たかがチョコパイ、されどチョコパイ。韓国ではチョコパイがあるものの象徴になっているようです。
いったいそれは何でしょうか?
韓国人が大好きなチョコパイ!その消費量と意外な事実を大公開!
韓国人にとってチョコパイはどんな存在?
韓国のチョコパイ
チョコパイが某ドラマの小道具として使われたことにより、チョコパイの売上が39%も上がったという話を聞いたNさんは、「韓国人にとってチョコパイはどんな存在ですか?」という質問をしてきました。
その場では、ピンとくるような答えを返すことができなかった私は、チョコパイが登場する映画やドラマをくまなく探して調査します。
韓国の代表菓子
その結果、Nさんの質問は、韓国を代表するお菓子がチョコパイであることを鋭く指摘していたという事実を知りました。
『共同警備区域JSA』、『マラソン』、『卑劣な街』、『おばあちゃんの家』、『ありがとうございます』、『私の名前はキム・サムスン』等々。
情の媒体
様々な映画やドラマに小道具として登場するチョコパイは、単なる子どものおやつではなく、「情の媒体」としての地位を30年間、守ってきた長寿商品です。
「言わなくても分かります~」で始まるCMソングによってより有名になったチョコパイは、郵便配達人、警備員、小さな駅の駅員さん等、平凡な人物が登場、隣人との間の素朴な情を表現したCMにより韓国人にとって代表的な「情の媒体」として認知されてきました。
北朝鮮のチョコパイ
またチョコパイは北朝鮮の開城工団では資本主義の象徴です。
チョコパイは成果に対する手当として、開城工団の労働者に支給されているのだが、1日に2~3個支給されていたチョコパイの数が最近では5~6個に増えたそうですよ。
残業をすると、2個追加支給されるが、仕事が殺到して工場が昼夜問わず稼働したため、残業時のおやつ兼手当として労働者に支給するチョコパイの数も一気に増えたようです。
(チョコパイ1個は北朝鮮では2食分の食事代に相当し、かなりのお値段だそうです)。
言わなくても分かります~の歌
以心伝心とチョコパイ
「以心伝心」という言葉がありますね。
言葉や文章を介さなくても、心と心は通じ合うという意味です。
「言わなくても分かります~」という歌が流れると、韓国人は反射的に「チョコパイ情」を思い浮かべます。
チョコパイのCM
最初の「チョコパイ情」のCMは受験生篇だったが、試験会場に入るひとりの学生のところに友達がやってきて、友達は試験を受ける友達にチョコパイを差し出します。
チョコパイの包装紙に書かれている「情」の文字がクローズアップされ、「正解だけ書けよ」と受験生の友達を激励します。
CMの中の受験生もそのCMを見る視聴者も思わず「なんだよ~」とつっこみを入れたくなってしまうのですが、その中に友達のまごころが感じられるとても温かみのあるCMです。
チョコパイ消費量
韓国内でいままで販売されたチョコパイの数は140億個。国民1人当たり食べたチョコパイの数を計算してみると、280個に上るそうです。
このようにチョコパイが韓国人から愛された理由は、味だけでなく、CM効果のためだと言えるでしょう。
「チョコパイ情」は物質文明の発達により、人間固有の価値である感性を失った社会の中で、誰もが共感できる「情」を強調しました。
CMとあわせて小学校の「机と椅子交換キャンペーン」を行ったり、IMFで落ち込んだ韓国社会の雰囲気の中、国民を励ますキャンペーン等を計画、実行しながら、「チョコパイ情」は韓国民にとってお菓子である以前に、心を表現するひとつの手段と位置づけられるようになりました。
「先生の日」(5月15日)になるときまって登場するチョコパイケーキがその代表的な例と言えるでしょう。
今日の韓国語表現
웬 초코파이?(ウェン チョコパイ) なんでチョコパイ?
이심전심이잖아.힘내(イシムジョンシミジャナ.ヒムネ) 以心伝心じゃない。頑張って
(試験会場に入るソンガンの前にチョコパイをもって現れたミレ)
성광:어,니가 여기 웬일이야?(オ ニガ ヨギ ウェンイリヤ?)
ソンガン: あれ、おまえがここに何の用?
미례:자,받아.(チャ、パダ)
ミレ: さぁ、受け取って。
성광:웬 초코파이?(ウェン チョコパイ?)
ソンガン: なんでチョコパイ?
미례:이심전심이잖아.힘내!!(イシム ジョンシミジャナ ヒムネ)
ミレ: 以心伝心じゃない。頑張って!!