肝臓は、たんぱく質や糖の代謝、解毒作用など様々な働きをしていますね。日本には肝臓つまり「肝」に関する慣用句が複数存在していますが、韓国にも「간」という言葉を使った成句が多々あります。
今回は肝に関する韓国語の慣用表現の一部をご紹介いたします。
韓国語の慣用表現:肝臓編
肝に知らせも行かない?
「간에 기별도 안 가다」(肝に知らせも行かない)とは、食べた量がとても少ないので、食べた気がしないという意味です。
「기별」とは漢字で「奇別」と書きますが、消息や便りのことを指します。
では例文を見てみましょう。
지우:점심 먹었어?
昼ご飯食べた?
유리:응. 삼각김밥 먹었어. 근데 간에 기별도 안 가. 배고파.
うん。おにぎり食べたよ。でも肝に知らせも行かない。お腹すいた。
上記の例文に出てきた「삼각김밥」とは直訳すると「三角海苔巻き」ですが、「おにぎり」のことを言います。
肝が豆粒くらいになる?
「간이 콩알만 해지다」(肝が豆粒くらいになる)は、すごく怖くなることを意味します。
日本語の慣用句「肝を冷やす」と同様の意味ですね。
서연:어제 그 드라마 봤어요?
昨日あのドラマ見ましたか?
단비:앞부분만 봤는데 간이 콩알만 해져서 금방 껐어요.
最初の部分だけ見たんですが、肝が豆粒くらいになって、すぐに消しました。
例文の中にあった文法「~는/(으)ㄴ/인데」(~だが)は状況を説明するときの表現です。
ここでは「見る」という意味の動詞「보다」と、過去形「~았/었/였다」、そして「~는데」を組み合わせて「봤는데」となっています。
また「끄다」(消す)は으変則活用する動詞です。으変則活用とは、語幹の後ろに母音で始まる語尾が来ると、으が脱落するというものです。
例文中の「껐어요」は「끄다」に、インフォーマルな場で用いられる丁寧語の過去形「~았/었/였어요」(~でした、~ました)が付いた形です。
この過去形を作る際「끄다」のように語幹が一文字の場合は「~었어요」が付きます。
語幹が二文字以上の場合は、一つ前の母音がㅏかㅗのときには「~았어요」が、ㅏとㅗ以外のときには「~었어요」が付きます。
肝が腫れる?
「간이 붓다」(肝が腫れる)とは何ものをも恐れず、非常に大胆な言動をすることを表し、皮肉を込めて用いられます。
나나:아까 신입사원이 팀장님께 대드는 걸 보고 얼마나 놀랐는지 몰라요.
さっき新入社員がチーム長に楯突くのを見て、どんなに驚いたことか。
미나:글쎄 말이에요. 팀장님께 대들다니 완전히 간이 부었네요.
そうですよね。チーム長に楯突くなんて、完全に肝が腫れましたね。
文法「얼마나 ~는/(으)ㄴ지 모르다」(どれほど~かわからない)は「とても~だ」という意味を強調する感情表現です。
例文中では動詞「놀라다」(驚く)の語幹に過去形「~았/었/였다」、そして「~는지」が付いています。
また「붓다」(腫れる)はㅅ変則活用をする動詞です。それで語幹の後ろに母音で始まる語尾が来るとㅅが脱落しますので、注意が必要です。
この例文では「붓다」に過去形「~았/었/였다」と感嘆の表現「~(이)네요」(~ですね、~ますね)が組み合わさって「부었네요」となっています。
まとめ
今回は「간」(肝)を含んだイディオムをいくつか取り上げてみましたが、いかがでしたか?
ことわざや慣用句を知っていると、ネイティブスピーカーから一目置かれやすいですよ。この機会にぜひ覚えてくださいね。