生きていくのに欠かせないものと言えば、水ですね。韓国には「水」という意味の「물」という単語が含まれている慣用句やことわざが数多くあります。
今回は水に関する韓国語の慣用表現の一部を例文と一緒にご紹介したいと思います。
韓国語で「水」を使った慣用句「ムル물」の意味!
水を渡る?
「물 건너가다」(水を渡る)は、もうこれ以上取り返しがつかないということを意味し、日本語では「もう終わりだ」とか「もうダメだ」などと訳されます。
この言葉は、あの世とこの世の境目にある三途の川を渡れば、もう二度と現世に戻ってくることはできないという仏教に基づく伝説に由来しています。
では、この慣用句を使った会話の例文を見ていきましょう。
나나:이번 학기 장학금은 물 건너간 것 같아. 오늘 시험에서 두 과목을 완전히 망쳐 버렸어.
今学期の奨学金は水を渡ったみたい。今日、試験で二つの科目を完全に台無しにしてしまったよ。
유미:아직 기말고사가 남았잖아. 그 때 잘 보면 되지.
まだ期末テストが残っているじゃない。そのとき頑張ればいいでしょ。
「버리다」には元々「捨てる」という意味がありますが、「~아/어 버리다」(~してしまう)は行動がすでに終わり、その結果残念な気持ちになったり逆に負担が減ったりしたことを表す際に用います。
動詞の語幹の最後の母音がㅏかㅗの場合は「~아 버리다」を、ㅏとㅗ以外の場合は「~어 버리다」を付けます。
「하다」を用いる語幹の場合は「~여 버리다」を付けますが、「해 버리다」の形で使うことが多いです。
冷水も上下がある?
「찬물도 위아래가 있다」(冷水も上下がある)には、どんなことにも順序があるので、その順序に従わなければならないという意味があります。
冷たい水を飲むときも目上の人から順番に飲むという、上下関係を重んじる韓国ならではの言葉ですね。
선배:네가 먼저 얘기해.
あんたが先に話して。
후배:찬물도 위아래가 있는 법인데 어떻게 제가 먼저 합니까? 선배님이 먼저 후배들한테 좋은 말씀 좀 해 주세요.
冷水も上下があるものなのに、どうして私が先に話すんですか?先輩が先に後輩たちに良いお話をちょっとしてください。
「법」には「道理」という意味がありますが、「~(으)ㄴ/는 법이다」(~するものだ)は、動作や状態が当然であることを表す文法表現です。
動詞と存在詞の語幹には「~는 법이다」を付けます。
形容詞の場合、基本的には語幹の最後にパッチムがあれば「~은 법이다」を使い、語幹の最後にパッチムがなければ「~ㄴ 법이다」を使います。
まとめ
今回は「물」(水)という単語が入ったイディオムをご紹介いたしました。
水に関する慣用表現には他にも、
染まるという意味の「물이 들다」(水が入る)、
うまくいきつつある事柄に関わって良い雰囲気を壊したりケチをつけて邪魔したりすることを意味する「찬물을 끼얹다」(冷水を浴びせる)、
抜け目なく徹底していることを表す「물 샐 틈이 없다」(水の漏れる隙がない)など様々なものがあります。
これらのことわざや慣用句をうまく使いこなして、ネイティブスピーカーから「おっ!」と思われるようになりたいものですね。