韓国には、「手」という言葉が含まれている慣用句がたくさんあります。その多くは、仕事を行ったり約束をしたり何かをつかんだりすることに関連する語として使われています。
今回は手にまつわる面白い慣用句をいくつかご紹介したいと思います。
手に関する韓国語の慣用表現
손이 발이 되도록 빌다⇒手が足になるくらい謝る?
韓国ドラマで手を擦り合わせながら、しきりに謝っているシーンを見た経験はありませんか?
「손이 발이 되도록 빌다」(手が足になるくらい謝る)とは、過ちを犯したときに許してほしいと必死に謝るという意味の慣用句です。
「手」と「足」が逆になった「발이 손이 되도록 빌다」(足が手になるくらい謝る)という慣用句もあり、同じ意味で使います。
それでは例文を見てみましょう。
미나:엄마에게 거짓말을 한 것이 들통이 나는 바람에 엄마가 화가 많이 났는데 어떡하지?
お母さんに嘘をついたのがばれて、お母さんがすごく怒っているんだけど、どうすればいい?
유리:그럼 손이 발이 되도록 빌어야겠다.
それなら手が足になるくらい謝らなくちゃいけないね。
この例文では「~しなくてはならない」という意味の「~아/어야겠다」を「빌다」の語幹に加えました。
「~아/어야겠다」は最後の母音がㅏまたはㅗの語幹には「~아야겠다」、それ以外の語幹には「~어야겠다」を付け、「하다」は「해야겠다」の形で用います。
「빌다」の語幹「빌」の母音はㅣなので、「빌어」となっています。
ちなみに「들통이 나다」とは秘密や過ちが「ばれる」ことを言います。
また、「~는 바람에」とは「~したせいで」という意味の、予期していなかったことが理由で否定的な結果になったときに使う表現です。
손을 씻다⇒手を洗う?
「손을 씻다」(手を洗う)とは、良くない事柄との関係を切るという意味です。日本で、悪いことをやめるときに「足を洗う」と言うのと似ていますね。
지우:그는 지금도 교도소에 수감되어 있어요?
彼は今も刑務所に収監されているんですか?
서연:아뇨. 그는 교도소에서 다녀온 후에 손을 씻고 열심히 살고 있어요.
いいえ。彼は刑務所に行って戻ってきた後に手を洗って、一生懸命生きています。
上記の例文では「씻다」の語幹の後ろに、二つの事柄を並べるときの表現「~고」を付けました。
「교도소」とは漢字で「矯導所」と書きますが、「刑務所」という意味です。
また「通う」という意味の「다니다」と、「来る」という意味の「오다」を合わせた「다녀오다」は「行ってくる」という意味です。
손이 맵다⇒手が辛い?
辛い韓国料理を食べるとヒリヒリした痛みを感じるときがありますね。
「손이 맵다」(手が辛い)にはいくつか意味があるのですが、その一つは手で叩かれて痛いという意味です。
また「손이 맵다」は手際が良いとか手先が器用だといった意味でも使われます。
同じ意味で「손」の代わりに「손끝」を使って「손끝이 맵다」(指先が辛い)と言う場合もあります。
지우:그 미용실에 갔죠? 어땠어요?
あの美容室に行ったんでしょう?どうでしたか?
서연:좋았어요. 원장님 손이 매워서 두피마사지 너무 시원했어요.
良かったですよ。院長の手が辛いから、頭皮マッサージがとても気持ち良かったです。
今回の例文では「맵다」に理由を表す表現「~아/어서」を付けてみました。
「맵다」は語幹の最後の母音がㅏまたはㅗ以外ですので「~어서」が付きますが、ㅂ変則活用をしますのでㅂパッチムが워になり「매워서」という形になります。
まとめ
いかがでしたか?皆さんも手に関する慣用句を覚えて、使ってみてくださいね。