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勇ましく見える韓国人がこわがるものが二つあります。それは、혼술(혼자 마시는 술:ひとりで飲むお酒)と혼밥(혼자 먹는 밥:ひとりで食べるご飯)。
韓国若者が「ひとり焼肉」「ひとり酒」を楽しむ理由とは?
韓国のひとり飯族、ひとり酒族
昔の韓国では?
けれども、それも昔の話になりました。昔は、コンビニや学生食堂の隅っこで、隠れるようにひとり飯を食べていたものです。
今では一人焼肉、一人刺身など、自分だけのクオリティーある時間を追求するひとつの文化として定着しています。
メニューの量も問題だった
サムギョプサル、カムジャタン、タッカンマリ、ポッサム等、韓国料理自体がもともと何人かで食べるメニュー、何人かで食べる量なので、ひとり飯をすることはそう簡単ではありませんでした。
ひとりは針のむしろ
そのため、ひとり飯やひとり酒をする人を見ると、必然的に「外国人?あるいは失恋した人だろう!」という先入観も高いハードルでした。
「すみません、中生ひとつください!」と注文した途端、東西南北から一斉に刺すような視線が浴びせられます。
ひとり酒は「楽しむ」というよりは「針のむしろ」といった表現がぴったりな雰囲気でした。
最近はひとりがハッピー
しかし、最近はひとり飯、ひとり酒に対するネガティブな考えよりも、「ハッピーで、楽しくて、楽だ」というポジティブな考えをもつ人がグンと増えました。
ひとり暮らしをする人が増え、ひとりで遊ぶ方法が進化するにつれて、ひとりのための酒の席を好んでもつ現代人が増えたのです。
ひとり焼肉が人気
特にひとり飯族、ひとり酒族の憩いの場として定着したソウルの「남고집」(남자가 고기를 구워 주는 집:男性がお肉を焼いてくれる店)という熟成ステーキの店がひとり客に大人気です。
入口には「今日もお疲れさま」というネオンサインの文字がお客さんたちを温かく迎えてくれます。
深夜になると、テーブルはひとり酒をする人でぎっしり埋まり、店員と気軽に談笑する姿も見られます。
何よりも他人の目を気にせず、ただ食べることに集中できるので、ひとり酒を好む男女に人気爆発のお店です。
ドラマで見るひとり酒
このようなひとり飯、ひとり酒旋風に乗って誕生したドラマが「혼술남녀:ひとり酒男女」です。
ひとりだけのクオリティーある時間を楽しむために、最高級のつまみでひとり酒を楽しむ人と、お金も友達もなく、かっぱえびせん一袋でわびしくひとり酒をする人の夢と愛と友情を描いたドラマです。
単調なストーリーにもかかわらず、お茶の間に笑いと感動を届けました。
飲食業界に変化も
ひとり飯、ひとり酒旋風にのって、酒類業界とコーヒー業界にも大きな変化の風が吹いています。
ひとり酒族をターゲットにした酒類業界では、ひとり酒の流行に合わせてカクテルのレシピとレモンシロップを一緒に提供する少量パック(200ml)を発売しました。
また、コーヒー業界では혼커족(혼자 커피를 마시는 사람:ひとりでコーヒーを飲む人)をターゲットにコーヒーと一緒に食事の代わりに食べられる多様なメニューを開発しています。
そして、勉強する人のために席ごとにコンセントやスタンドを設置するなどして、30%以上売り上げをアップしたりもしました。
個人主義とひとり酒文化
このような社会の雰囲気が、個人主義を蔓延させるのではないかという心配の声もあるようです。
その中で「自分だけの時間を楽しむことも尊重されるべき」と堂々と主張するマンゴー世代の「わたしひとりの」シングルライフが新しいひとり飯、ひとり酒文化を生み出しています。
ひとり飯レベルテスト
ひとりでどこまでやってみましたか?
レベル1:コンビニでラーメンとキンパッ
レベル2:ファーストフード店で、ひとりバーガーセット
レベル3:トッポッキ、ラーメン等の粉もの店でひとり粉もの
レベル4:中華料理や冷麺専門店にひとりで入る
レベル5:有名なデートコースやおいしい店にひとりで入る
レベル6:ファミレスにひとりで入る
レベル7:人で賑わう刺身屋や焼肉屋をひとりで楽しむ
レベル8:大きな居酒屋でひとり酒
一人を楽しみ始めた韓国人
지우: 오늘도 혼자 마시니?
ジウ: 今日もひとりで飲むの?
민우: 혼술이 편해.
ミヌ:ひとり酒が楽だよ。
지우: 그래도 좀 청승맞잖아.
でも、ちょっとみすぼらしいじゃない。
민우: 청승맞긴. 나만의 퀄리티 있는 시간을 즐길 수 있어 좋아.
何がみすぼらしいんだよ。自分だけのクオリティーある時間を楽しめていいよ。
지우: 난 혼밥은 하겠는데 혼술은 못하겠더라.
私はひとり飯はできそうだけど、ひとり酒はだめだな。
민우: 나도 혼술족이 된지 얼마 안됐어.
ぼくもひとり酒族になったばかりだよ。
지우: 나도 너처럼 사람들 의식하지 않고 왁자지껄한 고깃집에서 혼자 혼술 한번 해 보고 싶다.
私もミヌみたいに人を意識しないで、ガヤガヤした焼肉屋でひとり酒1度してみたい。