【ハングル読み方 完全ガイド】初心者でもスラスラ読める!一覧表・パッチム・連音化を徹底解説

  1. 韓国語初心者

【ハングル読み方 完全ガイド】初心者でもスラスラ読める!一覧表・パッチム・連音化を徹底解説

「韓国ドラマのセリフが聞き取れたら…」「好きなK-POPアイドルの名前をハングルで書きたい!」「韓国旅行でもっと現地の人と話したい!」そんな思いから韓国語学習に興味を持ったものの、最初の壁となるのがハングル文字ではないでしょうか。

一見すると複雑な記号のようで、「難しそう…」「覚えられる気がしない…」と挫折しそうになるかもしれません。でも、ちょっと待ってください! 実はハングルは、世界中の文字の中でも非常に科学的で合理的に作られた、驚くほど学びやすい文字なのです。

日本語のようにひらがな、カタカナ、漢字と複数の文字を覚える必要はありません。ハングルはたった一つの文字体系で、その基本的な仕組みさえ理解すれば、まるでパズルを解くようにスラスラと読めるようになります。英語のアルファベットよりも覚えるパーツは少し多いですが、その組み合わせルールはとてもシンプルです。

この「ハングル読み方 完全ガイド」を読めば、あなたは…

  • ハングルの基本的な仕組み(子音と母音)がしっかり理解できます。
  • 「ローマ字読み」の要領でハングルを読む簡単なルールがわかります。
  • ハングル一覧表(反切表)の見方と使い方をマスターできます。
  • 初心者最大の難関「パッチム」の読み方ルールを基礎から学べます。
  • ネイティブのような自然な発音に欠かせない「連音化」の法則が理解できます。
  • ハングル学習を効率的に進めるコツと便利なリソースを知ることができます。
  • 「ハングル、読めるかも!」という自信がつき、韓国語学習がもっと楽しくなります!

もう「ハングルは難しい」と諦める必要はありません。この記事を読んで、一緒にハングルの読み方を完全攻略しましょう!

目次

なぜハングルは難しく見える? でも実は「科学的で合理的」な文字なんです!

ハングルが難しく見える原因の一つは、私たちが見慣れたアルファベットや漢字とは形が大きく異なることでしょう。カクカクした線や丸が組み合わさり、まるで暗号のように感じられるかもしれません。

しかし、ハングルは15世紀に世宗大王(セジョンデワン)という王様が、民衆が簡単に読み書きできるようにと創製した文字です。そこには、驚くほど科学的で合理的な設計思想が隠されています。

  • 発音器官の形を模倣: 基本的な子音の形は、その音を発音する時の舌や唇、喉の形を模して作られています。(例:ㄱは舌の根が喉を塞ぐ形)
  • 天地人を象徴する母音: 基本的な母音は、「・(天)」「ㅡ(地)」「ㅣ(人)」という哲学的な概念を基にした単純な要素の組み合わせで作られています。
  • 音節単位のブロック構造: ハングルは、子音と母音を組み合わせて一つの音節(発音のまとまり)を作り、それを一つの文字ブロックとして表記します。この構造が、読み書きのしやすさに繋がっています。

このように、ハングルは見た目の印象とは裏腹に、非常に論理的で学びやすい体系を持っています。その秘密を解き明かしていけば、ハングルへの苦手意識はきっとなくなるはずです。

ハングルの子音と母音のブロック

ハングルは子音と母音のパーツを組み合わせる

ハングルの超基本構造:子音と母音の組み合わせというシンプルな仕組み

ハングル文字は、基本的に子音(Consonant)母音(Vowel)のパーツを組み合わせて作られます。これは、英語のアルファベットの単語が子音と母音の組み合わせでできているのと同じ考え方です。

まずは、ハングルの「部品」となる基本の母音と子音を覚えましょう。これがハングル読み方の第一歩です。

ハングルの心臓部!基本母音10個【ㅏㅑㅓㅕㅗㅛㅜㅠㅡㅣ】 – 発音と形をマスター

母音は、日本語の「あいうえお」に相当する音の基本です。ハングルにはまず覚えるべき10個の基本母音があります。

ハングル 読み方 (カナ目安) 発音のポイント
口を大きく開けて「ア」
「イ」の口から素早く「ア」へ。「ィヤ」
「ア」の口の形で「オ」と発音。日本語の「オ」より口を縦に開ける。
「イ」の口から素早く「ㅓ」の音へ。「ィヨ」(「ㅓ」の発音で)
唇を丸くすぼめて「オ」。日本語の「オ」よりはっきり唇を丸める。
「イ」の口から素早く「ㅗ」の音へ。「ィヨ」(「ㅗ」の発音で)
唇を丸く突き出して「ウ」。日本語の「ウ」よりはっきり唇を突き出す。
「イ」の口から素早く「ㅜ」の音へ。「ィユ」
口を横に「イー」と引いた形で「ウ」と発音。日本語にない音。
口を横に引いて「イ」。日本語の「イ」に近い。

注意: カタカナはあくまで目安です。特に「ㅓ」と「ㅗ」、「ㅡ」と「ㅜ」は日本語の「オ」「ウ」とは異なる音なので、音声を聞いてしっかり区別できるように練習しましょう。

発音の骨格!基本子音14個【ㄱㄴㄷㄹㅁㅂㅅㅇㅈㅊㅋㅌㅍㅎ】 – 読み方と役割を理解

子音は、母音と組み合わさって具体的な音を作る、骨格のような役割を果たします。基本となる子音は14個です。

ハングル 名称 (読み方) 主な読み方 (ローマ字目安) 簡単な説明
キヨ k / g 語頭で「カ」行、語中で「ガ」行に近い音
ニウン n 「ナ」行の音
ティグ t / d 語頭で「タ」行、語中で「ダ」行に近い音
リウ r / l 語頭で「ラ」行(R)、語中やパッチムで「L」に近い音
ミウム m 「マ」行の音
ピウ p / b 語頭で「パ」行、語中で「バ」行に近い音
シオ s / sh 基本「サ」行。「ㅣ, ㅑ, ㅕ, ㅛ, ㅠ」の前では「シャ、シ」系の音
イウン (無音) / ng 母音の前に付く場合は発音しない。パッチム(後述)では[ŋ](ングのン)の音。
チウ j / ch 語頭で「チャ」行、語中で「ジャ」行に近い音
チウ ch 息を強く出す「チャ」行(激音)
キウ k 息を強く出す「カ」行(激音)
ティウ t 息を強く出す「タ」行(激音)
ピウ p 息を強く出す「パ」行(激音)
ヒウ h 「ハ」行の音。喉から出す摩擦音。

子音にも、日本語にはない発音や、単語の中の位置によって発音が変わるものがあります。最初はローマ字読みで大まかに掴み、徐々に正確な発音に近づけていくのが良いでしょう。

ハングルの読み方はローマ字と同じ?!驚くほど簡単な仕組みを図解

さて、基本の子音と母音を覚えたら、いよいよハングル文字の読み方の核心です。そのルールは、驚くほど「ローマ字の読み方」と似ています

パターン1:子音+母音 = 1つの音(例:가 = k + a)

最も基本的なパターンは、子音パーツと母音パーツを左右、または上下に組み合わせて1つの文字(音節ブロック)を作ることです。読み方は、それぞれのパーツの音を単純に繋げるだけ。

  • (k/g) + (a) → (ka/ga) 「カ/ガ」
  • (n) + (a) → (na) 「ナ」
  • (t/d) + (a) → (ta/da) 「タ/ダ」
  • (r/l) + (a) → (ra/la) 「ラ」

母音が縦長の「ㅏ, ㅑ, ㅓ, ㅕ, ㅣ」の場合は、子音を左に書きます。

パターン2:上下組み合わせのパターン(例:고 = k + o)

母音が横長の「ㅗ, ㅛ, ㅜ, ㅠ, ㅡ」の場合は、子音を上に書きますが、読み方のルールは全く同じです。

  • (k/g) + (o) → (ko/go) 「コ/ゴ」
  • (n) + (o) → (no) 「ノ」
  • (t/d) + (u) → (tu/du) 「トゥ/ドゥ」
  • (m) + (eu) → (meu) 「ム」(「ㅡ」の音で)

どうでしょう? まるでローマ字のように、パーツの音を組み合わせるだけで読めることがわかりますね!

「ㅇ」の特別な役割:子音がない場合とパッチムの場合

子音パーツの「ㅇ」は少し特別です。

  1. 母音の前に付く場合(音節の初声): この「ㅇ」は発音しません。母音だけで音を構成する場合に、形を整えるために付けられます。いわば「無音の子音」のような役割です。
    • (無音) + (a) → (a) 「ア」
    • (無音) + (o) → (o) 「オ」
  2. パッチムとして付く場合(音節の終声): 文字の下に「ㅇ」が付く場合は、[ŋ](ングの「ン」)という鼻にかかる音になります。これは後ほど「パッチム」で詳しく説明します。
    • 例: (gang) 「ガン(グ)」

この「ㅇ」の二つの役割をしっかり区別することが大切です。

ハングル一覧表(反切表)を指差す手

反切表でハングルの全体像を掴もう

これで完璧!ハングル読み方一覧表(反切表)の見方と完全マスター

ハングルの基本的な組み合わせルールがわかったところで、全ての組み合わせとその読み方を確認できる「ハングル一覧表」、通称「反切表(パンジョルピョ / 반절표)」を見ていきましょう。日本語の五十音図のようなものです。

反切表(パンジョルピョ)とは? – ハングル全文字の読み方を一望

反切表は、縦軸に子音、横軸に母音を配置し、それぞれの交差するマスに子音と母音を組み合わせたハングル文字とその読み方を示した表です。これを参照することで、知らないハングル文字でも読み方を推測することができます。

基本母音・子音の反切表(カタカナ読み付き)- まずはここから!

まずは、基本母音10個と基本子音14個の組み合わせを見てみましょう。カタカナ読みも併記しますが、前述の通り、あくまで目安として捉えてください。

↓子音/母音→
(a)

(ya)

(eo)

(yeo)

(o)

(yo)

(u)

(yu)

(eu)

(i)

(k/g)


キャ


キョ


キョ


キュ



(n)


ニャ


ニョ


ニョ


ニュ



(t/d)


ティヤ


ティヨ


ティヨ

トゥ

テュ

トゥ

ティ

(r/l)


リャ


リョ


リョ


リュ



(m)


ミャ


ミョ


ミョ


ミュ



(p/b)

パ/バ

ピャ/ビャ

ポ/ボ

ピョ/ビョ

ポ/ボ

ピョ/ビョ

プ/ブ

ピュ/ビュ

プ/ブ

ピ/ビ

(s/sh)


シャ


ショ


ショ


シュ



(無音)











(j/ch)

チャ/ジャ

チャ/ジャ

チョ/ジョ

チョ/ジョ

チョ/ジョ

チョ/ジョ

チュ/ジュ

チュ/ジュ

チュ/ジュ

チ/ジ

(ch)

チャ

チャ

チョ

チョ

チョ

チョ

チュ

チュ

チュ


(k)


キャ


キョ


キョ


キュ



(t)


ティヤ


ティヨ


ティヨ

トゥ

テュ

トゥ

ティ

(p)


ピャ


ピョ


ピョ


ピュ



(h)


ヒャ


ヒョ


ヒョ


ヒュ


【重要】カタカナ読みの限界と注意点 – ネイティブ発音を目指すために

反切表にカタカナ読みを併記しましたが、これはあくまで学習初期の補助として考えてください。韓国語には、日本語にはない発音が多く存在します。

  • 「オ」の区別:ㅓ (eo) と ㅗ (o) は、カタカナではどちらも「オ」になりがちですが、実際は異なる発音です。ㅓは口を縦に開け、ㅗは唇を丸めます。
  • 「ウ」の区別:ㅜ (u) と ㅡ (eu) も同様です。ㅜは唇を突き出し、ㅡは口を横に引いて発音します。
  • 激音・濃音:ㅋ (k), ㅌ (t), ㅍ (p), ㅊ (ch) の激音(息を強く出す音)や、ㄲ (kk), ㄸ (tt), ㅃ (pp), ㅆ (ss), ㅉ (jj) の濃音(息を抑えて喉を緊張させる音)は、カタカナでは正確に表現できません。
  • ㄹ (r/l) の発音: 語頭と語中/パッチムで発音が異なります。
  • パッチムの発音: 後述するパッチム(終声子音)は、日本語にはない概念であり、カタカナ表記が非常に難しいです。

ハングルの読み方を正確にマスターするには、カタカナに頼りすぎず、早い段階から実際の音声を聞き、発音記号を参考にしたり、ネイティブスピーカーの発音を真似たりする練習が不可欠です。

ステップアップ①:激音【ㅋㅌㅍㅊ】と濃音【ㄲㄸㅃㅆㅉ】の読み方

基本子音に加えて、韓国語には「激音」と「濃音」と呼ばれる子音があります。

  • 激音 (격음): ㅋ, ㅌ, ㅍ, ㅊ の4つ。対応する基本子音(ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ)よりも息を強く、激しく出して発音します。
    • 카 (カ!), 타 (タ!), 파 (パ!), 차 (チャ!) のように、息の音が聞こえるイメージです。
  • 濃音 (경음/된소리): ㄲ, ㄸ, ㅃ, ㅆ, ㅉ の5つ。対応する基本子音(ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅅ, ㅈ)の音を、息をほとんど出さずに喉を緊張させて強く発音します。日本語の促音(っ)の後のような詰まった音に近いイメージです。
    • 까 (ッカ!), 따 (ッタ!), 빠 (ッパ!), 싸 (ッサ!), 짜 (ッチャ!) のような感じです。

これらは発音の区別が難しく、聞き取り・発話ともに練習が必要です。激音は息を出す、濃音は息を止める、と意識するところから始めましょう。

ステップアップ②:合成母音【ㅐㅒㅔㅖㅘㅙㅚㅝㅞㅟㅢ】の読み方

基本母音を組み合わせて作られる母音を「合成母音(複合母音)」と呼びます。これも読み方を覚えていきましょう。

ハングル 読み方 (カナ目安) 構成 発音のポイント
ㅏ + ㅣ 日本語の「エ」に近い。口をやや広めに開ける。
イェ ㅑ + ㅣ 「イ」から素早く「ㅐ」の音へ。
ㅓ + ㅣ 「ㅐ」よりも口の開きが狭い「エ」。最近は区別が曖昧に。
イェ ㅕ + ㅣ 「イ」から素早く「ㅔ」の音へ。
ㅗ + ㅏ 「オ」(ㅗ)から「ア」(ㅏ)へ滑らかに。「オァ」→「ワ」
ウェ ㅗ + ㅐ 「オ」(ㅗ)から「エ」(ㅐ)へ。「オェ」→「ウェ」
ウェ ㅗ + ㅣ 本来は「オ」(ㅗ)の口で「イ」だが、現代では「ㅙ」と同じ「ウェ」発音が多い。
ウォ ㅜ + ㅓ 「ウ」(ㅜ)から「オ」(ㅓ)へ。「ウオ」→「ウォ」
ウェ ㅜ + ㅔ 「ウ」(ㅜ)から「エ」(ㅔ)へ。「ウエ」→「ウェ」。「ㅙ」「ㅚ」と同じ発音になる傾向。
ウィ ㅜ + ㅣ 「ウ」(ㅜ)の唇で「イ」。日本語の「ウィ」に近い。
ウィ/エ/イ ㅡ + ㅣ 基本は「ウ」(ㅡ)から「イ」。語頭では「ウィ」、助詞「の」では「エ」、子音につくと「イ」になることが多い。

特に「ㅐ」と「ㅔ」、「ㅙ」「ㅚ」「ㅞ」は現代ソウル標準語では発音の区別がほとんどなくなってきていますが、文字としては区別して覚える必要があります。

完全版ハングル反切表 – 全ての組み合わせを確認

基本子音、激音、濃音、そして基本母音、合成母音を組み合わせた完全な反切表は非常に大きくなりますが、構造を理解していれば、全ての文字はこれまでのルールの組み合わせで読めるはずです。必要に応じて、完全版の反切表(Web検索などで見つかります)を参照し、知らない文字の読み方を確認する練習をしましょう。

パッチムと連音化の図解

パッチムと連音化のルールを図で理解しよう

韓国語学習の最初の壁?「パッチム」の読み方ルールを徹底攻略!

ハングルの基本的な読み方をマスターした多くの学習者が次に直面するのが「パッチム」の壁です。日本語にはない概念のため難しく感じますが、ルールをしっかり理解すれば必ず克服できます!

パッチム(받침)とは? – 文字の下につく子音の正体と役割

パッチムとは、ハングルの音節ブロックの中で、一番下(最後)にくる子音のことです。「支えるもの」という意味の韓国語です。子音+母音の組み合わせの下に、さらに子音がくっつく形になります。

  • 例: (gim) → ㄱ(子音) + ㅣ(母音) + (パッチム)
  • 例:한국 (hanguk)
    • 한 → ㅎ(子音) + ㅏ(母音) + (パッチム)
    • 국 → ㄱ(子音) + ㅜ(母音) + (パッチム)

このパッチムがあることで、韓国語の音のバリエーションは豊かになりますが、日本人にとっては発音が難しいポイントとなります。

7つの代表的なパッチム発音 – これを覚えれば怖くない!

パッチムとして使われる子音はたくさんありますが、実際に発音される音(音節末での発音)は、以下の7種類に代表されます。どのパッチムがどの代表音になるかを覚えることが重要です。

[k̚] の発音:ㄱ, ㄲ, ㅋ

発音方法:舌の奥を上あごにつけて息を止める。「ッ」のように詰まる音。音は外に出さない。

該当パッチム: , ,

例: 학교 (hak̚kyo) ハキョ, 부엌 (bueok̚) プオ

[n] の発音:ㄴ

発音方法:舌先を上の歯茎につけて鼻から「ン」と発音。

該当パッチム:

例: 안녕 (annyeong) アンニョン, 돈 (don) トン

[t̚] の発音:ㄷ, ㅅ, ㅆ, ㅈ, ㅊ, ㅌ, ㅎ

発音方法:舌先を上の歯茎につけて息を止める。「ッ」のように詰まる音。音は外に出さない。

該当パッチム: , , , , , , (※ㅎは他の音と組み合わさると変化が多い)

例: 듣다 (deut̚da) トゥタ, 옷 (ot̚) オ, 있다 (it̚da) イタ, 낮 (nat̚) ナ, 꽃 (kkot̚) コ

[l] の発音:ㄹ

発音方法:舌先を上の歯茎あたりにつけたまま、舌の両脇から息を出す「ル/L」の音。

該当パッチム:

例: 말 (mal) マ, 서울 (seoul) ソウ

[m] の発音:ㅁ

発音方法:唇を閉じて鼻から「ム/ン」と発音。

該当パッチム:

例: 김 (gim) キ, 밤 (bam) パ

[p̚] の発音:ㅂ, ㅍ

発音方法:唇を閉じて息を止める。「ッ」のように詰まる音。音は外に出さない。

該当パッチム: ,

例: 밥 (bap̚) パ, 앞 (ap̚) ア

[ŋ] の発音:ㅇ

発音方法:舌の奥を上あごの奥(軟口蓋)につけて鼻から「ング」の「ン」の音を出す。

該当パッチム:

例: 강 (gang) カン(グ), 공항 (gonghang) コンハン(グ)

ポイントは、[k̚], [t̚], [p̚] は息を止める音で、はっきりと「ク」「ツ」「プ」と発音しないことです。この「詰まる音」が日本人には慣れないため、練習が必要です。

読むのが難しい?二重パッチム(複合パッチム)の読み方ルール【ㄳ, ㄵ, ㄶなど】

パッチムには、, , , , , , , , , , のように、子音が二つ重なった「二重パッチム」も存在します。

読むときは、原則としてどちらか一方の子音のみを発音します

  • 左側の子音を読むグループ(原則): ㄳ(k), ㄵ(n), ㄶ(n), ㄼ(l), ㄽ(l), ㄾ(l), ㅄ(p) など
    • 例:앉다 (anjda) → [안따/anta] アンタ, 없다 (eopsda) → [업따/eopta] オ
  • 右側の子音を読むグループ(例外): ㄺ(k), ㄻ(m), ㄿ(p)
    • 例:닭 (dalk) → [닥/tak] タ, 삶 (salm) → [삼/sam] サ

二重パッチムのルールは少し複雑ですが、単語ごとに出てきたときに確認していくのが効率的です。ただし、後に母音が続くと発音が変わる(連音化に関わる)場合があるので注意が必要です。

パッチム練習:簡単な単語で読んでみよう

実際にパッチムのある単語を読んでみましょう。代表音を意識してください。

  • (nun) [n] – ヌン (目、雪)
  • (son) [n] – ソン (手)
  • (bal) [l] – パ (足)
  • (ip̚) [p̚] – イ (口)
  • (ot̚) [t̚] – オ (服)
  • (bak̚k̚) [k̚] – パ (外)
  • (bang) [ŋ] – パン(グ) (部屋)

ネイティブ発音への近道!「連音化(リエゾン)」の法則をマスターしよう

パッチムの次に理解すべき重要な発音ルールが「連音化(ヨヌムァ / 연음화)」です。フランス語のリエゾンに似た現象で、これができると一気に韓国語らしい滑らかな発音に近づきます。

連音化(연음화)とは?音が繋がる滑らかな発音の秘密

連音化とは、パッチムの後に、母音(つまり、子音パーツが「ㅇ」で始まる音節)が続く場合、前のパッチムの音が、後ろの母音の「ㅇ」の位置に移動して発音される現象です。

文字通りには別々の音節でも、発音上は音が繋がって滑らかになります。

基本ルール:パッチム + ㅇ(母音) → パッチムが移動して発音

文字の綴り: [パッチムのある文字] + [ㅇ + 母音]

実際の髪音: [子音+母音] + [移動したパッチム + 母音]

連音化の例

  • 한국어 (韓国語)

    文字:한 (han) + 국 (guk) + 어 (eo)

    発音:[국] のパッチム [ㄱ] が [어] の [ㅇ] に移動 → [한구거] (hangugeo)

    カタカナ目安:ハングゴ
  • 음악 (音楽)

    文字:음 (eum) + 악 (ak)

    発音:[음] のパッチム [ㅁ] が [악] の [ㅇ] に移動 → [으막] (eumak)

    カタカナ目安:ウマク
  • 일본어 (日本語)

    文字:일 (il) + 본 (bon) + 어 (eo)

    発音:[본] のパッチム [ㄴ] が [어] の [ㅇ] に移動 → [일보너] (ilboneo)

    カタカナ目安:イルボノ
  • 월요일 (月曜日)

    文字:월 (wol) + 요 (yo) + 일 (il)

    発音:[월] のパッチム [ㄹ] が [요] の [ㅇ] に移動 → [워료일] (woryoil)

    カタカナ目安:ウォリョイル
  • 받아요 (もらいます)

    文字:받 (bat) + 아 (a) + 요 (yo)

    発音:[받] のパッチム [ㄷ] が [아] の [ㅇ] に移動 → [바다요] (badayo)

    カタカナ目安:パダヨ

このように、パッチムの音がそのまま次の音節の頭の音(初声)になります。パッチムの発音(代表音)ではなく、元のパッチムの子音の音が移動するのがポイントです。(例:옷 + 이 → [옫 + 이] ではなく [오시] osi となる)

連音化の具体例で学ぶ – 韓国人の名前や地名もスラスラ読める!

連音化は、人名、地名、日常会話で頻繁に起こります。

  • 설악산 (雪岳山 – ソラクサン):[설악] の [ㄱ] が [산] の前ではパッチム[k̚]のまま → [서락싼/seorakssan](濃音化も発生)。しかし、もし [설악] + [이] なら [서라기/seoragi] のように連音化。
  • 박은빈 (パク・ウンビン – 女優名):[박] の [ㄱ] が [은] と連音化 → [바근빈/bageunbin]
  • 깎아요 (カッカヨ – 깎다:削る/値切る の活用形):二重パッチム [ㄲ] が [아] と連音化 → [까까요/kkakkayo]
  • 앉으세요 (アンジュセヨ – 앉다:座る の活用形):二重パッチム [ㄵ] の [ㅈ] が [으] と連音化(ㄴは残る) → [안즈세요/anjeuseyo]

注意すべき連音化の例外(ㅎパッチムなど)

連音化にはいくつかの例外や、他の発音変化と組み合わさる場合があります。

  • ㅎパッチム: ㅎパッチムの後に母音が続くと、ㅎの音は非常に弱くなるか、発音されなくなることが多いです。例:좋아요 (チョアヨ – 좋다:良い) → [조아요/joayo]
  • ㅇパッチム: ㅇパッチム ([ŋ]) は連音化しません。例:강아지 (カンアジ – 子犬) → [강아지/gangaji] ([가아지/gaaji]にはならない)
  • 二重パッチム: 二重パッチムの後に母音が続く場合、原則として右側の子音が連音化します。例:읽어요 (イルゴヨ – 읽다:読む) → [일거요/ilgeoyo]

連音化は慣れるまで少し時間がかかりますが、意識して練習することで、聞き取り能力も発音も格段に向上します。

さらに自然な発音へ!知っておきたいその他の発音変化ルール入門

連音化以外にも、韓国語には隣り合う音の影響で発音が変化するルールがいくつかあります。ここでは代表的なものを簡単にご紹介します。これらを理解すると、よりネイティブに近い発音に近づけます。

鼻音化(비음화):パッチムの音がㄴ, ㅁに変化

特定のパッチム(ㄱ, ㄷ, ㅂ)の後に鼻音(ㄴ, ㅁ)が続くと、パッチムの音がそれぞれㅇ[ŋ], ㄴ[n], ㅁ[m]に変化します。

例:한국말 (ハングンマル – 韓国語) [k̚] + [m] → [ŋ] + [m] → [한궁말/hangungmal]

例:받는 (パンヌン – もらう) [t̚] + [n] → [n] + [n] → [반는/banneun]

例:밥물 (パンムル – ご飯とおかず) [p̚] + [m] → [m] + [m] → [밤물/bammul]

流音化(유음화):ㄴとㄹがㄹㄹに変化

パッチム「ㄴ」と「ㄹ」、または「ㄹ」と「ㄴ」が隣り合うと、両方とも「ㄹ」[l]の音に変化します。

例:신라 (シルラ – 新羅) [n] + [r] → [l] + [l] → [실라/silla]

例:칼날 (カルラル – 刃) [l] + [n] → [l] + [l] → [칼랄/kallal]

濃音化(경음화):音が硬く、濃くなる現象

特定のパッチム(ㄱ, ㄷ, ㅂ)の後に平音(ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅅ, ㅈ)が続くと、後ろの平音が濃音(ㄲ, ㄸ, ㅃ, ㅆ, ㅉ)に変化します。

例:학교 (ハッキョ – 学校) [k̚] + [k] → [k̚] + [kk] → [학꾜/hakkyo]

例:식당 (シクタン(グ) – 食堂) [k̚] + [t] → [k̚] + [tt] → [식땅/sikttang]

例:옆집 (ヨ – 隣の家) [p̚] + [ch] → [p̚] + [jj] → [엽찝/yeopjjip]

激音化(격음화):ㄱㄷㅂㅈとㅎがㅋㅌㅍㅊに変化

パッチム「ㅎ」の前後や、パッチム「ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ」の後に「ㅎ」が続くと、二つの音が合わさって激音(ㅋ, ㅌ, ㅍ, ㅊ)に変化します。

例:좋고 (チョコ – 良いし) [h] + [k] → [ㅋ/k] → [조코/joko]

例:입학 (イパク – 入学) [p̚] + [h] → [ㅍ/p] → [이팍/ipak]

口蓋音化(구개음화):ㄷㅌがㅈㅊに変化

パッチム「ㄷ, ㅌ」の後に母音「ㅣ」または半母音「ㅑ, ㅕ, ㅛ, ㅠ」が続くと、パッチムがそれぞれ「ㅈ, ㅊ」の音に変化して連音化します。

例:굳이 (クジ – あえて) [t̚] + [i] → [ㅈ/j] → [구지/guji]

例:같이 (カチ – 一緒に) [t̚] + [i] → [ㅊ/ch] → [가치/gachi]

これらの発音変化は複雑に見えますが、全てを一度に覚えようとせず、単語やフレーズに触れる中で少しずつ慣れていくのが現実的です。まずは連音化をしっかりマスターすることを目指しましょう。

【実践編】実際にハングルを読んでみよう!簡単な単語・挨拶フレーズ練習

ルールを学んだら、次は実践です!簡単な単語や挨拶を使って、ハングルの読み方を練習してみましょう。これまでに学んだルール(特にパッチムと連音化)を意識して読んでみてください。

基本単語で読み方チェック

  • 사랑 (sarang) [サラン] – 愛
  • 사람 (saram) [サラム] – 人
  • 시간 (sigan) [シガン] – 時間
  • 친구 (chingu) [チング] – 友達
  • 가족 (gajok̚) [カジョ] – 家族
  • (mul) [ム] – 水
  • (bap̚) [パ] – ご飯
  • (jip̚) [チ] – 家
  • 학교 (hak̚kyo) [ハキョ] – 学校
  • (kkot̚) [コ] – 花
  • (don) [トン] – お金
  • (chaek̚) [チェ] – 本
  • (ap̚) [ア] – 前
  • (yeop̚) [ヨ] – 横

短い挨拶フレーズを読んでみよう

連音化を意識して読んでみてください。

  • 안녕하세요 (annyeonghaseyo)

    発音: [안녕하세/annyeonghaseyo] – こんにちは
  • 감사합니다 (kamsahamnida)

    発音: [감사함니/kamsahamnida] (鼻音化) – ありがとうございます
  • 반갑습니다 (bangapseumnida)

    発音: [반갑씀니/bangapsseumnida] (鼻音化) – お会いできて嬉しいです
  • 이름이 뭐예요? (ireumi mwoyeyo?)

    発音: [이르 뭐예요?/ireumi mwoyeyo] – お名前は何ですか?
  • 잘 먹겠습니다 (jal meokgesseumnida)

    発音: [잘 먹씀니다/jal meokkketsseumnida] (濃音化、鼻音化) – いただきます
  • 괜찮아요 (gwaenchanayo)

    発音: [괜차요/gwaenchanayo] (ㅎパッチムの弱化/脱落 + 連音化) – 大丈夫です

K-POPの歌詞やドラマのセリフに挑戦?

基本的な読み方がわかってきたら、好きなK-POPの歌詞カードを見ながら歌ってみたり、ドラマの短いセリフを書き出して読んでみたりするのも、楽しく実践できる良い方法です。最初はゆっくりでも、読める文字が増えていく喜びを感じられるはずです。

ハングル学習を挫折しない!効率的に覚えるコツとおすすめリソース

ハングルの読み方を学ぶ上で、挫折しないためのコツと、学習に役立つリソースをご紹介します。

  • 毎日少しずつ触れる習慣を: 一度に完璧に覚えようとせず、毎日5分でも10分でもハングルに触れる時間を作りましょう。反切表を眺める、単語を数個覚える、など簡単なことでOKです。
  • 書いて覚える vs 読んで覚える: 人によって得意な覚え方は異なります。実際に手を動かして書くことで定着するタイプ、何度も声に出して読むことで覚えるタイプなど、自分に合った方法を見つけましょう。両方組み合わせるのが理想的です。
  • 反切表ポスターや単語カードの活用: 目につく場所に反切表を貼っておいたり、覚えたい文字や単語で自作のカードを作ったりするのも効果的です。
  • 便利な学習アプリ・Webサイト紹介:
    • Duolingo: ゲーム感覚で楽しく学べる言語学習アプリ。ハングルコースもあります。
    • Memrise: フラッシュカード形式で単語やフレーズを覚えるのに特化したアプリ。
    • Talk To Me In Korean (TTMIK): レベル別のレッスンや教材が豊富な人気の韓国語学習サイト・YouTubeチャンネル。
    • Papago: NAVERが提供する高精度な翻訳アプリ。読み上げ機能で発音確認もできます。
    • Forvo: ネイティブスピーカーによる単語の発音を検索・再生できるサイト。
  • 音声を聞きながら発音練習!: カタカナ読みの限界を補うため、アプリやサイトの音声、YouTubeの学習動画、CD付き教材などを活用し、必ずネイティブの発音を聞きながら練習しましょう。自分の声を録音して聞き比べてみるのも効果的です。
  • 楽しむことを忘れない!: 好きな歌、ドラマ、文化など、自分の興味と結びつけて学ぶことが、モチベーション維持の最大の秘訣です。

まとめ:ハングルは怖くない!正しいステップで楽しくマスターしよう!

ハングルの読み方、いかがでしたか? 一見複雑に見えるハングルも、その成り立ちや仕組みを理解すれば、決して難解な文字ではないことがお分かりいただけたかと思います。

重要なのは、正しいステップで学習を進めることです。

  1. 基本の子音・母音を覚える: まずはハングルの「部品」を知る。
  2. 組み合わせのルールを理解する: ローマ字のように単純に組み合わせるだけ。
  3. 反切表で全体像を掴む: 激音・濃音・合成母音も少しずつ覚える。
  4. パッチムのルールを学ぶ: 7つの代表音と発音方法をマスターする。
  5. 連音化の法則を理解する: より自然な発音への鍵。
  6. 音声を聞いて練習する: カタカナに頼らず、ネイティブの発音に近づける。
  7. 楽しみながら継続する: 興味関心と結びつけて学習意欲を維持する。

ハングルが読めるようになると、韓国語の世界は一気に広がります。看板の文字が読めたり、好きなアイドルのメッセージが理解できたり、ドラマのテロップが追えるようになったり… その喜びは、学習の大きなモチベーションになるはずです。

焦らず、一つ一つのステップを確実にクリアしていけば、あなたも必ずハングルをスラスラ読めるようになります。この記事が、あなたのハングル学習の第一歩を力強く後押しできれば幸いです。さあ、今日からハングルの世界を楽しみましょう! 화이팅! (ファイティン!)

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ソヨン (서연) この記事を書いた人

講師歴20年超、ソウル出身のネイティブスピーカー。延世大学卒業後、明治大学で学ぶ。大阪朱友外語学院、アイザック外国語学校、龍谷大学外国語文化センター等での豊富な講師経験に加え、同時通訳経験も有する。
ネイティブならではの綺麗な標準語の発音指導。初級からビジネス、通訳レベルまで、学習者のレベルと目標に合わせた体系的かつ実践的なレッスン構築。
長年の指導経験に基づき、多くの学習者を目標達成(試験合格、流暢な会話力習得など)に導く。「使える」韓国語を確実に習得させる指導力に定評があり、教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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