韓国語に「こんばんは」はない?夜の挨拶は안녕하세요(アンニョンハセヨ)?正しい使い方と関連フレーズ徹底解説!
韓国旅行の夜、レストランに入った時や、夜遅くにホテルに戻った時、現地の知り合いと夜に会った時…「こんばんは」って韓国語でなんて言うんだろう?と考えたことはありませんか? 日本語では当たり前に使う夜の挨拶ですが、実は韓国語には日本語の「こんばんは」にピッタリと当てはまる表現が存在しないのです!
「え、じゃあ夜はどう挨拶すればいいの?」と戸惑う方もいるかもしれません。でも大丈夫。韓国には、時間帯を気にせず使える便利な挨拶がありますし、夜特有の状況で使われる表現も存在します。
この記事では、「韓国語にこんばんはがない」という驚きの事実から始め、その理由、そして代わりに使われる定番挨拶「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」の正しい使い方、丁寧さのレベルに応じた使い分け、さらには夜の様々なシチュエーションで役立つ挨拶フレーズ、韓国独特の「ご飯食べた?」という挨拶文化まで、徹底的に解説していきます。これを読めば、もう夜の挨拶で迷うことはありません!
目次
衝撃の事実?韓国語に「こんばんは」は存在しない!
多くの日本人学習者が最初に驚くことの一つが、韓国語には日本語の「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」のような、時間帯によって明確に使い分けられる挨拶が基本的にない、ということです。特に「こんばんは」に直接対応する単語やフレーズは、日常会話レベルでは使われていません。
なぜ?日本語と韓国語の挨拶文化の違い
なぜ韓国語には時間帯別の挨拶がないのでしょうか? これには諸説ありますが、文化的な背景が関係していると考えられます。
- 「安寧」を問う文化: 韓国語の基本的な挨拶「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」は、「安寧(アンニョン)でいらっしゃいますか?」、つまり「お元気ですか?」「ご無事ですか?」と相手の状態を気遣う意味合いが根底にあります。この「安寧」を問う挨拶は、時間帯に関わらず使える普遍的なものであったため、時間帯別に挨拶を分ける必要性が低かったのかもしれません。
- 歴史的背景: かつては、朝に「밤새 안녕하셨습니까? (パムセ アンニョンハショッスムニカ? – 夜の間、ご無事でしたか?)」のような表現も使われたようですが、現代ではほとんど使われなくなりました。社会の変化とともに、よりシンプルで汎用性の高い「안녕하세요」が主流になったと考えられます。
- 効率性・簡便性: 時間帯を気にせず使える挨拶の方が、コミュニケーションにおいて効率的であるという側面もあるかもしれません。
理由はどうあれ、重要なのは「韓国語では時間帯によって挨拶を使い分ける必要は基本的にない」という事実です。
「こんばんは」の代わりに使う基本の挨拶とは?
では、「こんばんは」と言いたい時間帯には、どう挨拶すれば良いのでしょうか? 答えはシンプルです。韓国語の万能挨拶である「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」を使えばOKです!
万能選手!時間帯を問わない「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」
「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」は、韓国語を学び始めた人が最初に覚える挨拶の一つでしょう。これは日本語の「こんにちは」と訳されることが多いですが、実際には朝・昼・夜、時間帯を問わずに使える非常に便利な挨拶です。

時間を問わない万能挨拶「안녕하세요」
朝も昼も夜もOK!「アンニョンハセヨ」の正しい発音と使い方
基本の挨拶:안녕하세요 (アンニョンハセヨ)
안녕하세요
[アンニョンハセヨ]
直訳は「安寧(アンニョン)でいらっしゃいますか?」。相手の安否や健康を気遣う意味が込められています。日常会話で最も一般的に使われる丁寧な挨拶(ヘヨ体)です。
発音のポイント:
- 안녕 (アンニョン): 「안」のパッチム「ㄴ」と次の「녕」の初声「ㄴ」が繋がり、やや長めの「ン」のように聞こえます。「アンニョン」というイメージ。
- 하세요 (ハセヨ): 「하」の「ㅎ」の音は息をしっかり出す音ですが、リエゾン(連音化)により前の「녕」のパッチム「ㅇ」と繋がって、「アンニョンガセヨ」のように聞こえることもあります(ただし意識しすぎず自然に)。「세」は日本語の「セ」より少し息を強く出す感じで、「요」は軽く添えるように。
- アクセントは強く置かず、全体を滑らかに、語尾を少し上げるか平坦に終えるのが一般的です。
夜に誰かに会った時も、ためらわずに「안녕하세요!」と挨拶しましょう。相手も同じように返してくれるはずです。これが韓国のスタンダードな夜の挨拶です。
丁寧さレベル:안녕 (アンニョン) / 안녕하세요 (アンニョンハセヨ) / 안녕하십니까 (アンニョンハシムニカ)
「안녕하세요」は丁寧な表現ですが、相手との関係性によって、よりカジュアルな言い方や、よりフォーマルな言い方を使い分ける必要があります。
挨拶の丁寧さレベル
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タメ口 (パンマル): 안녕 (アンニョン)
親しい友人、恋人、年下の相手に対して使います。日本語の「やあ!」「よっ!」のようなカジュアルな挨拶。別れの挨拶「さよなら」としても使われます。
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丁寧語 (ヘヨ体): 안녕하세요 (アンニョンハセヨ)
日常会話で最も広く使われる丁寧な挨拶。初対面の人、店員さん、同僚、少し年上の人など、迷ったらこれを使えば間違いありません。
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最も丁寧 (ハムニダ体): 안녕하십니까 (アンニョンハシムニカ)
よりフォーマルでかしこまった挨拶。「いらっしゃいますか?」と疑問形になっているのが特徴です。ニュース、講演、式典、軍隊、非常に敬意を払うべき相手など、改まった場面で使われます。
発音: [アンニョンハシムニッカ] (ㅂ니다 が ㅁ に変化)
夜の挨拶でも、この丁寧さのレベルは同様に適用されます。親しい友達に夜会ったら「안녕!」、お店に入ったら「안녕하세요」、会社の重役に夜のパーティーで会ったら「안녕하십니까」といった具合です。
夜のシチュエーション別:使える韓国語挨拶フレーズ
「안녕하세요」が基本とはいえ、夜特有の状況で使える便利なフレーズもいくつかあります。
夜遅くに会った時:「늦은 시간에 죄송합니다 (ヌジュン シガネ チェソンハムニダ)」
夜遅い時間に誰かを訪ねたり、連絡したりする必要がある場合、挨拶の前に一言断りを入れるのが礼儀です。
늦은 시간에 죄송합니다/미안해요/미안.
[ヌジュン シガネ チェソンハムニダ / ミアネヨ / ミアン]
「遅い時間に申し訳ありません/ごめんなさい/ごめん」という意味です。相手への気遣いを示すことができます。
例: (電話で) 여보세요? 아, 〇〇 씨. 늦은 시간에 죄송합니다. 지금 통화 괜찮으세요? (ヨボセヨ? ア、〇〇ッシ。ヌジュン シガネ チェソンハムニダ。チグム トンファ ケンチャヌセヨ? – もしもし? あ、〇〇さん。遅い時間に申し訳ありません。今、通話大丈夫ですか?)
別れ際の挨拶:「안녕히 주무세요 (アンニョンヒ ジュムセヨ)」とおやすみ
夜に会って別れる際、相手がこれから寝るであろう状況なら、「おやすみなさい」という挨拶が使えます。
안녕히 주무세요 (アンニョンヒ ジュムセヨ)
最も丁寧な「おやすみなさい」。目上の人に使います。「安らかにお休みください」という意味。
잘 자요 (チャル ジャヨ)
一般的な丁寧語(ヘヨ体)の「おやすみなさい」。「よく寝てください」という意味。
잘 자 (チャル ジャ)
タメ口の「おやすみ」。「よく寝てね」という意味。
例: 오늘 즐거웠어요. 먼저 가볼게요. 안녕히 주무세요! (オヌル チュルゴウォッソヨ。モンジョ カボルケヨ。アンニョンヒ ジュムセヨ! – 今日は楽しかったです。お先に失礼します。おやすみなさい!)

心温まるおやすみの挨拶
電話での夜の挨拶
夜に電話をかける場合も、基本は「안녕하세요」で始めます。もし相手が寝ているかもしれない時間帯なら、「늦은 시간에 죄송합니다 (遅い時間にすみません)」や「혹시 주무시고 계셨어요? (ホクシ チュムシゴ ケショッソヨ? – もしかしてお休みでしたか?)」といった気遣いの言葉を加えると良いでしょう。電話を切る際も、「안녕히 주무세요」や「잘 자요」などが使えます。
ビジネスシーンでの丁寧な夜の挨拶:「저녁 인사 드립니다 (チョニョク インサ ドゥリムニダ)」
元の記事にもあったように、非常にフォーマルな場面、特にスピーチや公式な挨拶の冒頭などで、夜の時間帯であることを示す表現が使われることがあります。
저녁 인사 드립니다 (チョニョク インサ ドゥリムニダ) / 밤 인사 드립니다 (パム インサ ドゥリムニダ)
「夕方の挨拶を申し上げます / 夜の挨拶を申し上げます」という意味。
「저녁 (チョニョク)」は夕方~夜早めの時間、「밤 (パム)」は夜更けを指します。「인사 (インサ)」は挨拶、「드리다 (トゥリダ)」は「差し上げる」という謙譲語です。
これは、日常会話で使う挨拶ではなく、大勢の前での改まったスピーチやプレゼンテーションの開始時など、限定的な状況で使われる表現です。「안녕하십니까」よりもさらに丁寧で形式張った言い方になります。
例: (夜の会合でのスピーチ冒頭) 바쁘신 와중에도 이렇게 참석해주신 여러분께 먼저 저녁 인사 드립니다. (パップシン ワジュンエド イロッケ チャムソケジュシン ヨロブンケ モンジョ チョニョク インサ ドゥリムニダ。 – お忙しい中、このようにご参加くださった皆様に、まず夕刻の挨拶を申し上げます。)
ビジネスメールなどで夜に送る場合、「늦은 밤에 연락드려 죄송합니다 (ヌジュン パメ ヨルラクトゥリョ チェソンハムニダ – 夜分遅くに連絡し申し訳ありません)」のような書き出しを使うこともあります。

夜のオフィスでの挨拶
韓国ならでは?食事を尋ねる挨拶文化
韓国の挨拶文化で、日本人にとって興味深く、時には少し不思議に感じられるのが、「食事をしたかどうか」を尋ねることが挨拶代わりになる習慣です。
「밥 먹었어요? (パム モゴッソヨ?)」 – 挨拶代わりの一言
時間帯に関わらず、特に親しい間柄や、しばらくぶりに会った相手などに対して、「밥 먹었어요? (パム モゴッソヨ? – ご飯食べましたか?)」と尋ねることが、挨拶の一部として非常によく行われます。
これは単に食事の有無を確認しているのではなく、相手の健康や状態を気遣う、一種の定型的な挨拶表現なのです。「元気?」「変わりない?」といったニュアンスを含んでいます。
なぜこのような文化が生まれたのかについては、かつて食糧事情が厳しかった時代の名残で、相手がちゃんと食事をとれているかを心配する気持ちが挨拶として定着した、という説があります。また、共に食事をすることを重視する韓国の文化(「食口 – 식구(シック)」という言葉は文字通り「一緒に食べる口」であり、「家族」を意味します)も関係していると考えられます。
返答の仕方:
実際に食事をしていなくても、「네, 먹었어요. (ネ、モゴッソヨ – はい、食べました)」と答えるのが一般的なマナーとされることもあります(相手に心配をかけないため)。もちろん、「아니요, 아직요. (アニヨ、アジギョ – いいえ、まだです)」と正直に答えても問題ありません。重要なのは、質問の意図が相手への気遣いであることを理解することです。
夜なら「저녁 식사 하셨어요? (チョニョク シクサ ハショッソヨ?)」
夜の時間帯であれば、「ご飯」を具体的に「夕食」にして尋ねることもあります。
저녁 식사 하셨어요? (チョニョク シクサ ハショッソヨ?) / 저녁 드셨어요? (チョニョク トゥショッソヨ?)
「夕食はお済みですか? / 夕食は召し上がりましたか?」という意味の丁寧な表現。「식사(シクサ)」は食事、「하셨어요(ハショッソヨ)」は「されましたか」、「드셨어요(トゥショッソヨ)」は「召し上がりましたか」です。
저녁 먹었어요? (チョニョク モゴッソヨ?) / 저녁 먹었어? (チョニョク モゴッソ?)
「夕食食べましたか? / 夕食食べた?」という、より一般的な丁寧語(ヘヨ体)やタメ口の表現。
例: (夜に友人と会って) 오랜만이다! 잘 지냈어? 저녁은 먹었고? (オレンマニダ! チャル チネッソ? チョニョグン モゴッコ? – 久しぶり!元気だった? 夕飯は食べた?)
このように、食事の話題が挨拶として自然に出てくるのが韓国語の特徴の一つです。もし尋ねられたら、相手の気遣いに感謝しつつ、自然に返答できると良いですね。
まとめ:「こんばんは」がなくても大丈夫!状況に応じた夜の挨拶をマスターしよう
今回は、韓国語の夜の挨拶について、「こんばんは」に直接対応する表現がないという事実から、代わりに使われる万能挨拶「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」、そして夜の状況に合わせた様々なフレーズまで詳しく見てきました。
韓国語・夜の挨拶 完全攻略ポイント!
- 日本語の「こんばんは」に直接相当する韓国語はない。
- 夜の挨拶も、基本は「안녕하세요 (アンニョンハセヨ)」でOK!(丁寧語)
- 親しい相手には「안녕 (アンニョン)」(タメ口)、改まった場では「안녕하십니까 (アンニョンハシムニカ)」(最敬語)。
- 別れ際には「안녕히 주무세요 (アンニョンヒ ジュムセヨ)」(丁寧な「おやすみなさい」) や「잘 자요 (チャルジャヨ)」「잘 자 (チャルジャ)」を使う。
- 非常にフォーマルな場面(スピーチ等)では「저녁/밤 인사 드립니다 (チョニョク/パム インサ ドゥリムニダ)」も使われるが、日常的ではない。
- 挨拶代わりに「밥 먹었어요? (ご飯食べた?)」や「저녁 드셨어요? (夕食召し上がりましたか?)」と食事を尋ねることがある。
- 夜遅い時間の接触には「늦은 시간에 죄송합니다 (遅い時間にすみません)」と一言添えるのがマナー。
「こんばんは」という特定の挨拶がないことに最初は戸惑うかもしれませんが、時間帯を問わず使える「안녕하세요」という便利な挨拶があること、そして状況に応じて他の表現を使い分けられることを知っていれば、何も心配することはありません。
むしろ、挨拶代わりに「ご飯食べた?」と尋ねる文化など、言葉の裏にある韓国の人々の温かさや気遣いに触れることができるのも、韓国語学習の面白いところです。
今回学んだことを参考に、自信を持って夜の挨拶をしてみてください。適切な言葉を選ぶことで、韓国での夜のひとときが、よりスムーズで心に残るものになるはずです。韓国の夜を、そして韓国語のコミュニケーションを、存分に楽しんでくださいね!