“オッパ”って何?韓国語の使い方と背景を完全解説

    1. 韓国語単語・意味

    会話の中やドラマや映画などで頻繁に聞く韓国語の「オッパ」とはどういう意味なのでしょうか。

    使われ方やその背景にある意味など、色々な側面から「オッパ」を徹底解剖。特に女性方は実際に使う言葉ですので、しっかりと勉強し理解しておきましょう。

    “オッパ”って何?韓国語の使い方と背景を完全解説

    「オッパ」とは?基本的な意味

    まずは基本的な「オッパ」の意味からみていきましょう。ハングルでは「오빠」と書きますね。この「오빠」は「お兄さん」という意味ですが、使われ方は大きく3パターンに分かれます。

    基本の意味

    まずは最も基本的で、韓国語の学習を始めたらほぼ一番初めに習うもの。兄妹の呼称としての「오빠」でしょう。実際の兄妹に使う場合ですね。

    오빠」は韓国語で「お兄さん」という意味を持つ表現で、この言葉は「妹が兄を呼ぶとき」に使用されます。ちなみに「弟が兄を呼ぶ」ときは「」です。一番初めに韓国語ってややこしいと思うのが、この兄弟や親戚の呼称ですね。一応ですが、下に兄弟の呼称をまとめてみました。

    【発話者が女性の場合】

    • 年上の異性のきょうだい:오빠
    • 年下の異性のきょうだい:남동생
    • 年上の同性のきょうだい:언니
    • 年下の同性のきょうだい:여동생

    【発話者が男性の場合】

    • 年上の異性のきょうだい:누나
    • 年下の異性のきょうだい:여동생
    • 年上の同性のきょうだい:
    • 年下の同性のきょうだい:남동생

    동생」は自分よりも年下の兄弟や姉妹を指します。その頭にその年下の兄弟・姉妹の性別をつけるだけなので、簡単ですね。

    では、お兄さんが二人以上いる場合はどうなるのでしょうか??

    • 長男:큰 오빠
    • 次男:작은 오빠

    こちらは、叔父さんの場合と同じで、年が上の方に「」(大きい)とつけ、年が下の方に「작은」をつけて区別をします。もしくは、〇〇오빠と〇〇の部分に名前を入れて呼ぶ場合もありますね。

    女性が親しい間柄の男性に対して使う場合

    そして2番目の使われ方が、女性が親しい間柄(友達や恋人・先輩・知人)の男性に対して使う、親しみを込めて呼ぶ呼称です。

    これだけの広い範囲で「오빠」を使えるとなると、「오빠」だけだともはやどういう関係かわかりませんね。ですので、1番目のパターンの兄妹の場合の「오빠」を「친오빠」と区別して使うこともあります。

    また恋人時代に「오빠」と読んでいたパートナーと結婚して夫となっても「오빠」と呼ぶ場合があります。

    ちなみに本来はパートナーが夫となると「오빠」とは呼ばすに「여보」や「당신」を使って相手を呼び、子供がいる場合は「〇〇아빠」(〇〇は子供の名前を入れます)といった呼称に変わるのが一般的です。

    親しみを込めて呼ぶ場合

    3番目は日本でもあるパターンですが、お客様に「お兄さん」と親しみを込めて、そしてお客様に気分よく過ごして頂く時に使うパターンです。(イメージしやすいのが居酒屋など飲み屋で男性客に対して使うといった場面でしょうか)

    必ずしも既に親しい関係という場合ではないですが、「오빠」と言われるとやはり気分よくなって、財布の紐もゆるみますよね。そのような状況下で使われます。

    番外編

    これは必ずしも年上の男性を表す「오빠」ではないのですが、推しのアイドルや芸能人が自分よりも若くても「오빠」と呼ぶ場合もあります。

    これは2番目の使われ方から派生したと思われます、稀にこのような場合にも「오빠」と使うことがありますので、このパターンも覚えておきましょう。

    いずれの場合をみてもわかる通り、基本的にはこの「오빠」という言葉は女性が男性に対して使う呼称なのですが、シチュエーションによっては、男性が自分自身を意味する一人称として使う場合もあります。

    年下の親しい女性に対して「僕」という時に、「」を使わずに「오빠」と自身を指して使う場合ですね。こちらの例外も頭の片隅においておきましょう。

    リビングルームでカラフルなブロックで遊んでいる韓国から来た 2 人の子供。

    例文で覚える「オッパ」の使い方

    오빠」を使える間柄は大きく3パターンあるとわかったところで、どんな状況でどのように使うのか、会話文で確かめてみましょう。「오빠」と呼ばれる対象が違いますので、日本語訳とよく見比べてみましょう。

    A: 오늘 뭐 했어? 계속 통화가 안 됐었는데…

    今日何してたの?ずっと電話がつながらなかったけど…

    B: 오빠랑 영화 보러 갔어.

    お兄さんと映画観に行ってたの。

    電話がつながらない→通話できない なので「통화」を使う方が自然です。

    「~러 가다」は目的や目標を持って移動する行動を表現する際に用いられ、日本語では「~しに行く」という表現で表されることが一般的です。「~」の前に入る動詞は、動詞の辞書形(基本形)から語尾を取り去った形で入れます。

    A: 어떤 오빠야?

    どのお兄さんなの?

    B: 어, 사촌오빠.

    あ、いとこのお兄さん

    사촌」は4親等という意味です。ですので、いとこのお兄さんということになります。もし年下のいとこであれば「사촌동생」となり、「사촌」の後ろにつく呼称のルールは通常のきょうだいの呼称と同じです。

    ちなみに結婚していない叔父、伯父の呼び方に「삼촌」があります。こちらは「사촌」同様、3親等からきています。このように覚えると少し覚えやすいかもしれませんね。

    A: 이번 주말엔 뭐 할 거야?

    今週末は何するの?

    B: 그냥 집에서 쉬고 싶어요. 오빠는?

    家で休みたいかな。先輩は?

    「~고 싶다」は韓国語で「~したい」という欲望や願望を表す一般的な表現です。「~」の前には、動詞の辞書形(基本形)から語尾を取り去った形のものが入ります。

    A: 어제 카페에서 맛있는 디저트를 먹었어.

    昨日カフェで美味しいデザートを食べたの

    B: 진짜? 어딘데? 나도 한 번 먹어보고 싶다. 우리 오빠랑 함께 가야지.

    ほんと?どこなの?私も食べてみたい。彼と一緒に行かなきゃ。

    「動詞の語幹+아/어야지」は「~しなきゃ、しないと、するぞ」という意味になります。

    A: BTS 오빠들이 새 앨범 낸다고 들었어.

    BTSの新しいアルバムが出るって聞いたの。

    B: 맞아, 나도 그 기사 봤어. 기대돼.

    そう、私もその記事見た。楽しみ。

    「そう・そうだよ」を意味する言葉は「그래・그래요」もありますが、「合ってる」「正しい」という意味で「そう」を使う場合は「맞아・맞아요」という表現を使います。

    A: 저 사람은 누구야? 아는 오빠야?

    あの人誰?知り合いのお兄さん?

    B: 알긴 하는데 별로 친하지 않는데, 친한 척해.

    知っているといえば知ってるけど、そんなに親しくないのに親しいふりするのよ。

    ~긴 하는데」は、前の事実を認めながら、後ろで続いて、反対の事や期待と反対になる結果をいうときに使います。「~けれども」という意味でしょうか。「~긴」の前には動詞や形容詞がきますが、動詞、形容詞いずれも語幹+~긴 하는데となります。

    A:이게 정말 어려운데…안 되겠다.

    これ、本当に難しいなぁ。無理だわ。

    B:오빠가 해줄까?

    僕がやってあげようか?

    오빠」が一人称で使われるパターンです。「해주다」は「〜してあげる、〜してくれる」を意味する「-아/어 주다」の前に動詞の「하다」をつけたもので、前に来る動詞は해요体からをとった形です。

    アコースティックギターを持った韓国出身のアジア系の若い男性。

    K-POPの歌詞でみる「オッパ」

    これだけ日常生活でも使われる「오빠」ですが、もちろんK-POPの歌詞でもよく使われています。みなさんがよく聴いている曲でも「오빠」が使われていることでしょう。ここではK-POPで「오빠」が使われている有名な曲をいくつかご紹介しましょう。

    강남 스타일(江南スタイル):PSY(싸이)

    こちらは有名ですね。学園祭の帝王と呼ばれる싸이のヒット曲です。サビの部分で繰り返し「오빠」が使われていますが、この「오빠」は先ほど説明した一人称で使われているパターンです。

    오빤 강남스타일

    강남스타일

    옵옵옵옵 오빤 강남스타일

    강남스타일

    옵옵옵옵 오빤 강남스타일

    Eh Sexy Lady

    옵옵옵옵 오빤 강남스타일

    Eh Sexy Lady

    옵옵옵옵

    Eh eh eh eh eh eh

    意味は解説するまでもなく「オッパは江南スタイル」と言っているだけですが…。

    오빠WAX(왁스)

    お次は2000年の曲で、タイトルが「오빠」です。歌詞が聞き取りやすく一緒に歌いやすいので、韓国語の勉強にもなります。こちらの「오빠」は親しい間柄の「오빠」について歌っています。

    サビの部分に「오빠」が使われますが、歌詞がしっかり韻を踏んでいるので面白いですよ。ある一定の年代の韓国人であれば、この曲は誰でも知っていますので、覚えてみるのも良いですよ。

    오빠 나만 바라봐 바빠 그렇게 바빠

    オッパ 私だけを見て 忙しい そんなに忙しいの?

    아파 마음이 아파 내 맘 왜 몰라줘

    痛い 心が痛い どうして私の気持ち 分かってくれないの

    오빠 그녀는 왜 봐 거봐 그녀는 나빠

    オッパ どうして彼女を見るの ほら(それみたことか) 彼女は悪い人

    봐봐 이제 나를 가져봐 이제 나를 가져봐

    見てみて もう私をものにして もう私をものにして

    ※短縮形で表現されている言葉

    • 맘→마음 心・気持ち
    • 거봐→그것 봐 ほらね・それみたことが

    BOOMBAYAH:BLACKPINK(블랙핑크)

    こちらは世界的に人気のBLACKPINKの曲です。中毒性のあるサビの掛け声⁈部分に「오빠」が使われていますね。

    붐바야 (ah!)

    Yah-yah-yah 붐바야

    Yah-yah-yah 붐바야 yah-yah-yah-yah

    붐붐바 붐붐바 (오빠!)

    Yah-yah-yah, yah-yah-yah, yah-yah-yah-yah (loo-loo-loo-loo)

    Yah-yah-yah, yah-yah-yah, yah-yah-yah-yah (오빠!)

    写真を撮る韓国人2人。

    「オッパ」の文化的背景

    韓国社会では年齢や地位に基づく尊敬が重要視されていて、家族内でも年長者に対して適切な敬意を払うことが普通です。もちろん兄弟姉妹関係においても、年齢差が尊重されます。このような文化的背景から「오빠」をはじめとする家族の呼称は細かく分類されています。

    恋人や夫に対する「오빠」の使い方には、韓国社会の家族制度や尊敬の文化、そして愛情表現等、文化的な背景もあります。年下の男性と年上の女性のカップルは増えましたが、以前の韓国では年上の男性と年下の女性カップルが一般的でした。

    年下の男性と年上の女性カップルは多くなかったため、年下の男性と年上の女性のカップルは少し肩身が狭い思いをしていました。このように恋人や夫は当然「오빠」だったので、恋人や夫に対する呼称で「오빠」を使うことが自然の流れだったのかもしれません。

    ですが芸能人等のファンが対象を「오빠」と呼ぶような愛情表現の側面から、恋人や夫に対し愛情を示すため「오빠」と呼ぶこともあるのではと思われます。

    韓国では男性が女性を守るという観念が非常に強く、男性が「오빠」と呼ばれることで、女性に対する保護者的な気持ちや責任感を自覚し、女性は「오빠」を使うことで男性を頼りにしていることを表現することができます。

    そのような背景からも、この「오빠」という表現が韓国ではよく使われているのではないでしょうか。

    韓国の尊敬語文化と「オッパ」

    日本では年上の人でも親しい間柄だと呼び捨てで呼んだり、ニックネームで呼んだりしますよね。しかし、年上の人を敬う文化が強い韓国では、年上の人に対して日本のように呼び捨てやニックネームで呼ぶことはまずありません。そこで使われるのがこの便利な言葉「오빠」なのです。

    この「오빠」という言葉、韓国人男性にとってはうれしい呼ばれ方。年下女性から親しみを込めて「오빠」と呼ばれると気分が良いようですよ。ということは、反対にむやみにこの「오빠」を使うと勘違いさせてしまうということに注意しましょう。

    韓国人男性と親しくなりたいという方は、「この人は!」と思う人に対してだけ「오빠」をつかうようにしましょう。

    「オッパ」を使う際の注意点

    오빠」は親しい間柄に使う言葉ですので、初対面で「오빠」を使うと馴れ馴れしいといった印象を与えてしまいます。実の兄などの親戚であれば「오빠」と呼んでも問題ありませんが、男性と出会ったその日に「오빠」は避けた方がよいでしょう。

    親しくなったと思った時や、親しくなりたいと思った時を見極めて「오빠」と呼ぶと良いですね。ただし、韓流アーティストのことを親しみを込めて「○○오빠」と呼ぶことはありますので、そこは使い分けできるようにしておきましょう。

    まとめ

    今回は「오빠」の意味や使い方、その文化的背景など深く勉強しました。日常生活でよく使う言葉ではありますが、むやみやたらに使うのではなく、相手との関係性をよく見極めて、正しく使ってみましょう。

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    「オッパ」とは?韓国語での意味と使い方 この記事では、「オッパ」という言葉が指す意味や、韓国におけるその使い方について詳しく解説しています。韓国の文化や言葉の背景にも触れており、言葉一つを取り上げてその奥深さを掘り下げています。

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